ウオッカ敗れる……新女王エイジアンウインズ!=ヴィクトリアM

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ギリギリまでタメた末脚、だが武豊「止まってしまった」

猛追も届かずウオッカは2着惜敗、武豊も「一瞬は物すごい伸びだったが……」と肩を落とした 【スポーツナビ】

 ダービーを制した東京競馬場、同じ牝馬同士、5戦4勝2着1回と得意のマイル戦、天敵ダイワスカーレット不在……。ウオッカの能力を考えれば勝って当然、勝たなければいけないレースだった。しかし、結果は2着。

 「我慢して追い出したから、反応は物すごい良かった。でも、ちょっと行ったところで伸びが止まってしまいました」
 前走のドバイ・デューティフリーに続いて2度目の手綱を握った武豊が、レース後に直線の攻防をこう振り返った。前半スローな流れの中を、ウオッカはちょうど真ん中10番手を追走。課題とされていた折り合いを欠くこともなく、抜群の手応えで4コーナーを回る。
 直線に入ってもすぐには追い出さず、持ち前の爆発力を最大限に引き出すために、ギリギリまで追い出しを我慢した。
 「ゴール前でどうしても伸びが止まってしまうレースが続いていたので、ギリギリまで我慢したんです。うまくいった、と思ったんですが……。一瞬は物すごい伸びだったんですけど……」

完全復活への道のりはまだ続く……

ウオッカ完全復活への道のりはまだ続く…… 【スポーツナビ】

 武豊が語ったとおり、確かに直線半ばの勢いは断然ウオッカ。しかし、前を行くエイジアンウインズを追い詰めたところで、懸念どおり脚色が同じになってしまった。上がり3Fはメンバー最速の33秒2。極限とも言える数字だが、それでも手応え的には物足りなかった。
 「うーん、まだ本調子じゃないのかなぁ。でも、このメンバーなら勝たないといけないレースでしたから。残念です」

 一方、同馬を管理する角居調教師は、デビュー以来最も少ない馬体重(ドバイは除く)となった478キロの馬体について「細くは見えませんでした」と語り、レースに関しては「伸び切れませんでしたが、ジョッキーはうまく乗ってくれたと思います」とコメント。次走に関しては、現時点で未定だという。

 昨年のダービー以来約1年ぶりとなる勝利の美酒を挙げるべき舞台のはずが一転、さらなる出直しを迫られる厳しい現実だけが残った敗戦。64年ぶり牝馬ダービー制覇の偉業も、このまま色あせてしまうのか。ウオッカ完全復活への道のりは続く。

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