暗闇に光を――ホークス浮上の切り札・大村が復帰
待望の復帰も、まだ手探り状態
スタートダッシュに失敗した最大の要因が打線の不振だったホークスにとって、大村の復帰は本当に頼もしい。しかし、楽観視はできない。出遅れの原因は故障だった。春季キャンプは順調だったが、オープン戦に差しかかるころに右太ももを痛めた。しばらくは1軍のオープン戦に帯同したものの患部は良化せず、逆に痛みは増していく一方だった。3月中旬にファームの教育リーグで実戦復帰を果たしたが、復帰2戦目で再発。悪循環だった。
2度目の復帰は4月22日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)。そこからファームで6試合に出場した。5月1日の阪神戦(雁の巣)にも「3番・レフト」でスタメン出場。第2打席ではレフト線へ二塁打を放った。ただ、気になったのは7回終了時点でゲームを退いたことだ。出場した6試合でフル出場は1度もない。また、二塁打を放った後のプレーも気になる。三塁まで進み、その後犠牲フライでホームに生還した。大きな外野フライだったため余裕をもってホームインできるはずが、あえてスライディングを敢行した。1つ1つのプレーがまだ手探り状態なのだ。それでも、きょうから1軍の試合に出場する。
暗いベンチを照らすムードメーカー
何人かの選手は「今はたとえ勝っていてもベンチは暗い」という。強かったホークスには大道典嘉(現巨人)や鳥越裕介、田口昌徳らムードメーカーがいた。そこで大村の出番だ。ある先発投手は「(ベンチで)大村さんは先発投手のすぐ前に座っているんですが、野次がメチャクチャ面白いんですよ。大笑いしそうになるのを、寸前のところで我慢して下を向いています」と思い出し笑いを浮かべながら話してくれた。
きょうからの試合は、選手たちの表情にも注目すると面白い。変化が見られれば、それは浮上のサインだ。
<了>
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