マニー・パッキャオが日本でジムを設立「私の知識、技術、才能を共有したい」

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パッキャオが来日。自身の名を冠したフィットネスジムの設立会見に参加した 【スポーツナビ】

 プロボクシングの6階級制覇王者で現WBO世界ウェルター級王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)が25日、都内にオープンする自身の名を冠したフィットネスジム「パッキャオジム トーキョージャパン」の設立記者会見に参加した。

 このフィットネスジムは、フィリピン国外では初めてとなるパッキャオの名を冠したジムで、才能あるアマチュアを発掘し、未来のボクシングチャンピオンに必要な体幹トレーニングを中心に行っていく。

 11月5日に米国・ラスベガスで行われた復帰戦後初来日となるパッキャオだが、「(今後は)私はしばしばこの日本のジムに戻ってくる。是非、みなさんに私の持っている様々な知識、技術、そして才能を共有したい」と日本でも精力的な活動していきたいと語った。

 今回の記者会見には大橋ジムの大橋秀行会長を始め、WBC世界スーパーフライ級王者の井上尚弥、IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東らもお祝いに駆けつけ、トークセッションではパッキャオに対し、選手たちが質問。その後は、井上のミット打ちに対し、パッキャオが指導するという場面も見られた。“ボクシング界の生きるレジェンド”パッキャオからの指導に、井上も満足しているようだった。

 以下、記者会見でのパッキャオコメント。

多くの方にフィットネスやエクササイズの場を提供したい

パッキャオは再び世界王者になれたことに関し、周りのサポートに感謝した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――11月の復帰戦に勝利し、WBO世界ウェルター級王座についたが、試合を振り返って?

パッキャオ 神様の祝福をうれしく思っています。私を支えて下さっている様々なサポート、私を注意深く見守ってくれるサポートに感謝しています。今回再びチャンピオンに返り咲くことができて、大変うれしく思い、ボクシングの歴史を作れたということもうれしいです。

――4月に引退し、7カ月後に復帰戦を戦ったが、どのような経緯で戦うことを決めたのか?

パッキャオ 4月の(ティモシー・)ブラッドリー戦の後に引退を表明しましたが、その後の数カ月というのは心の中が寂しい気持ちになりました。私としては愛しているスポーツの中で、アクティブでないということを寂しく思ったのです。私の体の調子も悪くなかったので、そういった意味でまたカムバックしたいと思いました。

――トレーニングはいつから始めていた?

パッキャオ 実際にボクシングのトレーニングを開始したのは8月からですが、私自身はバスケットボールのプロ選手なので、そちらは続けていました。

――今回、日本にジムを作ることになったが、その理由は?

パッキャオ 私の友人、このジムを設立することになったのは、多くの方にフィットネスやエクササイズの場を提供したいと思ったこと。また、若いボクサーの方たちに機会を与え、そこから新たな才能を見つけ出したいと思いました。また私自身が持っているボクシングの知識、これを共有したいと思っています。そして私自身も教えることができますので。

――どんな人にジムに来て欲しい?

パッキャオ 様々な方に来て欲しいです。ボクシングをする人だけでなく、ただ単に練習、運動をしたいという方たちにも来て欲しいです。ボクシングをするというのは、良い練習になるし、スタミナを付けることができます。もちろんボクサーの方にも来てもらいたいです。

一番辛かった試合はマルガリート戦

井上のミット打ちを見ると、パッキャオ自身もグローブを装着し、指導を始めた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

<大橋ジムの選手がパッキャオに質問>

――6階級制覇を達成しているが、階級を上げた時にその体重に適応するための秘訣は?(八重樫東)

パッキャオ 8階級制覇(※メジャー4団体に属さないフェザー級、スーパーライト級の王座も含む)というのは非情に大変なこと。私はプロとして16歳という若い時から始めて、その時間とともに階級を上げていきました。お肉をたくさん食べて筋肉を作り、たくさんのプロテインを飲むというのがあります。1日に3回は食べています。それと同時に一生懸命多くの練習をすることが大事です。それも規律を保ちながら行うことが大事です。実際に試合がある時は1日30ラウンドぐらいは練習しています。


――計量が終わってから試合になるまで、ベストな状態を保つためにメンテナンスはどう気をつけているか?(井上尚弥)

パッキャオ 通常の食事をしています。たくさん食べることはありません。そしてたくさん水を飲みます。5分おきぐらいに水を飲んでいます。

――人生で一番辛かった試合は?(松本亮)

パッキャオ (アントニオ・)マルガリートとの一戦です(※2010年11月13日、WBC世界スーパーウェルター級王座決定戦)。彼は身長180センチぐらいで、私は166センチと身長差もありますし、計量では165ポンドと140ポンドだったので、体重的な差もありました。それが一番大変な試合でもありました。その試合で倒されたこともありましたので。

――計量から試合までにどれぐらい体重を戻すか?(井上拓真)

パッキャオ 私自身、体重が上がることはありません。試合の時は、私の自然な体重は135〜140(ポンド)ぐらいなのですが、反対に階級を上げるとなると逆に体重を上げないといけません。147ぐらいにしなければいけないので、そういった意味で、体重がすごく上がることはありません。

――30歳になってアマチュアを引退しプロデビューしたのですが、パッキャオ選手は30台半ばでも活躍しているが、肉体の衰えなどを感じたりするか?(清水聡)

パッキャオ 30歳でプロになったというのは少し遅いかも知れませんが、年齢というよりも、これはボクサーをやると決断したのであれば、どのようにボクシングを実際に練習していくのか。そういったところに焦点を当てて、きちんとトレーニングをしていくこと、そして規律を持ってやっていくことが大事だと思います。体も頭も、メンタルの部分でも怠けないことが大事です。

――入場時にいつも笑顔が見られるが、何を考えているのか?(松本圭)

パッキャオ 私にとってボクシングは情熱でもあります。そういった意味で、リングに上がる時は私の気持ちはワクワクしているのです。またファンの方たちを楽しませたいという気持ちで上がっています。
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