ハリル「プレーしていない選手にチャンス」 国際親善試合 オマーン戦前日会見

スポーツナビ

オマーン戦を翌日に控えた10日、会見に臨むハリルホジッチ監督 【写真は共同】

 サッカー日本代表は11日、茨城県立カシマサッカースタジアムでキリンチャレンジカップ2016のオマーン戦に臨む。試合を翌日に控えた10日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 ワールドカップ(W杯)アジア最終予選グループBで3位につける日本は、15日に第5戦のサウジアラビア戦を控える。オマーン戦はサウジアラビア戦に向けて重要な親善試合となる。

 ハリルホジッチ監督は「われわれにとっていいテストになると思う」とオマーン戦の意義を示し、「これまでプレーしていなかった選手にもチャンスを与えて、クオリティーを見せてもらいたい。ヨーロッパでたくさんプレーをしていない選手も見たい」と選手起用について語った。

 また、右足首に痛みを抱え、前日の練習を休んだ香川真司については、「プレーをするかどうかは明日の様子を見たい」とオマーン戦の出場については明言を避けた。

香川についての決断は明日になる

(オマーン戦は)われわれにとっていいテストになると思う。少し問題を抱えているが、明日はこれまでプレーしていなかった選手にもチャンスを与えて、クオリティーを見せてもらいたい。ヨーロッパでたくさんプレーをしていない選手も見たい。しっかりとハードワークをして、それぞれの立場でプレーしてもらって、5日後のサウジアラビア戦に備えるということだ。少し寒いので、風邪をひかないようにしなければならない。まずはしっかりと1試合目の準備をして、最も大事な2試合目の準備をしたいと思う。

――香川について。別メニューが続いているが、明日は出場が難しいのか?

 香川は(右足首に)打撲を抱えて日本に帰ってきた。彼の治療は続けてもらっているので、プレーをするかどうかは明日の様子を見たいと思っている。今のところ、治療とトレーニングを続けている状態だ。明日の試合前に、彼を信頼していいかどうかを考えたい。もしダメならば、リスクは取りたくない。そうなったら残念なことだが、たくさんプレーしていない選手にはチャンスを与えたいし、香川についての決断は明日になるだろう。

――所属クラブで試合に出ていない選手に出場機会を与えるのか、今まで代表の試合では見たことのない選手をプレーさせてテストをするのか。どちらを優先したいと考えている?

 優先順位はサウジアラビア戦でより良いパフォーマンスを出せるようにすることだ。確かに若い選手も呼んだ。それはわれわれと何度かトレーニングを積んでもらうためでもある。それは選手にとっても有効だし、チームにとっても役立つことだ。

(4日のメンバー発表)会見でも言ったが、若い選手たちは代表に来ると少し恥ずかしがり屋なところがある。例えば、丸山(祐市)だ。最初は大島(僚太)よりも恥ずかしそうな感じだった。だんだんと習慣がついてきて、トレーニングもパーソナリティーもずいぶんと変わってきた印象だ。もちろん全員を出場させることはできないが、トレーニングの中でいろいろなことが確認できた。

 すでに私の頭の中で考えているのは、サウジアラビア戦で誰が使えるかということ。何人かを休憩させながら。何人かはすでにたくさんプレーしているので、そういった選手は少しフレッシュな状態にして、サウジアラビア戦に向けて準備しなければならないと思っている。私の頭の中にはいろいろな確認事項があるので、それをやっている状態だ。

全員がサウジアラビア戦にいい状態で臨んでほしい

――冒頭の「少し問題がある」というコメントは香川のことか。それとも他に問題があるのか?

 他の問題もある。少し体調が悪い選手がいる。その体調がどれくらいまでよくなるかという問題だ。気候が突然、寒くなっている。トレーニングの後はアイスバスをやって疲労回復に努めるのだが、時々それによって寒くなりすぎることもある。これ以上悪くならないようにしている。

 全員がサウジアラビア戦にいい状態で臨んでほしい。その目的は間違えてはいけない。もちろん明日も勝つための準備をするが、われわれの目的は次の火曜日だ。簡単ではないし、全員が必要だ。この試合に勝つためにはフィジカルもメンタルもトップの状態になっていなければならない。今年、最後の試合でもあるので、この時期はすごく困難なことがあると思う。

 前回の合宿も皆(のパフォーマンス)が高い状態になくて、私にとっては問題だった。そのためにいつも余分に2〜3人は多く合宿に呼んでいる。若い選手にも合宿の雰囲気を感じてほしいという目的もあったのだが、いつも問題はある。今の時期は本当に難しいと感じる。9月〜11月はグループが難しい状況を抱えているとあらためて思う。そうはいっても、気持ちを下げる必要もないし、頭を下げる必要もない。選手には強い気持ちを持って、今年最後の試合に臨もうということを伝えた。

――サウジアラビア戦に向けて、オマーン戦で試したいシステムや戦術、選手などはあるのか。

 今のところ、効果的にオーガナイズされている。いろいろな分析やディスカッションを通じて、まだまだ伸ばせるという話もしているが。よくディテールが差を生むという話をする。特に公式戦だ。公式戦ではまだ試合展開からは失点はしていない。これは素晴らしいことだと思うし、チームは素晴らしくオーガナイズされていると思っている。

 よく言っているが(W杯最終予選の)4失点はFKからだ。これらの失点は簡単に防げたと思う。オーストラリア戦でも2回のFKへの対応が少し難しかったと思う。そこを注意してくれと(選手に)求めている。相手はファウルを誘ってくるし、その罠にかからないように。われわれがちょっとのミスをして、それが原因で厳しくなっている。集中とハードワークを要求している。

 オーストラリアにしろ、サウジアラビアにしろ(得点の)50パーセントはFKから取っている。われわれにそれはないので、どう伸ばすか。FKやPKを誘いにいかなければいけないのではないか。前にいく攻撃は効果的になっていると思う。ただ、統計上はまだFKからの得点がない。25〜30パーセントはそれ(FK)から勝利が増えるのではないかと思っている。そういったことを考えて、チームを伸ばしていかなければならない。
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