【スターダム】イオが美闘との激闘を制しV7達成 宝城も防衛 刀羅ナツコがデビュー

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美闘を退け、ワールド・オブ・スターダム王座V7に成功したイオ。立会人のメデューサにもその戦いを賞賛された 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 女子プロレス団体スターダムの「OCTOBRE SHOWDOWN 2016」が30日、東京・後楽園ホールで開催された。メインイベントではワールド・オブ・スターダム選手権試合として王者・紫雷イオに、今年の5スターGP覇者・美闘陽子が挑戦。20分近い激闘は、イオがムーンサルトプレスで美闘をし止め、7度目の防衛に成功した。

美闘のラッシュにピンチも、最後はイオが大逆転

覚悟を示した美闘と健闘を称えあったイオ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 今年6月の後楽園ホール大会で約4年ぶりにリング復帰した美闘。しかしながらそのポテンシャルと強力な蹴りを武器に、いきなりスターダム・シングルNO.1決定戦、5スターGPを制し、1期生の実力を示した。勢いそのままにスターダム最高峰の赤いベルト、イオが持つワールド・オブ・スターダム王座に挑戦。イオには「この勢いで頂上まで登り、スリーダムに追いつくんで覚悟して下さい」と挑発していた。

 この言葉に対しイオは、「あなたが足踏みしている間に、私は“覚悟”なんていうのは死ぬほどし切ってきた。覚悟するのはあなただ」とスターダムを守ってきた意地、そして赤いベルトの絶対王者として簡単に負けないと返し、火花を散らしていた。

 試合前に握手を求めた美闘に対し、イオはこれを拒否。お互いコーナーに戻って開始のゴングを聞くと、美闘が先に仕掛ける。対角のコーナーに立つイオに突っ込んでいくと蹴りを連打。さらにエルボーを食らわし、いきなりBドライバーの体勢に。これはイオがうまく丸め込んで回避し、難を逃れた。不意を突かれたイオだったが、低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、膝十字固めと美闘の右脚に攻撃を集中させ、蹴りを警戒する。

 イオが美闘を場外に落とし、コーナー最上段からのムーンサルトアタックを決めるが、美闘もすぐに立ち上がると、場外でイオをとらえBドライバーを敢行。これを食らってしまったイオはすぐに立てず、何とかカウント19でリングに戻る。朦朧とするイオに対し美闘は勝機と見て、コーナートップからのドロップキック、ブレーンバスターとたたみ掛ける。しかしイオも何とか息を吹き返し、ドラゴンスクリュー、スワンダイブ式ミサイルキックを繰り出し、コーナー1段目からのムーンサルトプレス。続けてコーナートップに駆け上がると、これは美闘がすぐに立ち上がり蹴りで迎撃する。

 試合が15分を越えると、お互いフィニッシュを狙いに入る。美闘はハイキックからジャーマンを決めるがこれはカウント2。さらにカカト落としからBドライバーを決めると、つかんだ足を離さずそのまま2度目のBドライバーへ。これもイオがなんとかカウント2で返すと、美闘はイオを立たせてドールBを狙う。この技に対しイオは頭を下げてなんとか回避するが、そのままリングに倒れこむ。レフェリーがいったんブレークさせると、イオは倒れながらも拳を高く上げて、まだ戦えるという意思を示す。

 美闘は倒れているイオにカカト落としを食らわし、再びドールBの体勢に入る。しかしここでイオが力を振り絞り、エルボーで突っ込む。さらにジャーマンスープレックスで投げると、すかさずムーンサルトを狙うが、これは美闘が追いかけて足を捕まえる。イオを落としておいて二段蹴りを狙うが、これを間一髪でよけたイオがダルマ式ジャーマン。完ぺきなスープレックスで美闘が動けずにいると、今度こそムーンサルトプレスを決めて3カウントを奪った。

宝城が赤いベルト挑戦をにおわす イオは来年自主興行開催へ

試合後は宝城がリングに上がり、赤いベルトへの挑戦をほのめかした 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 激戦を制したイオはマイクを握ると「赤いベルト守ったぞ! 2016年度5スターGP覇者と赤いベルトの王者の試合は、私の勝ちです」と改めて試合結果を口にすると、ロープにもたれて座りこむ美闘に向かい、「おいコラ、美闘陽子! 美闘陽子、とんでもなく素晴らしいレスラーですよ、あなたは。スターダムの四天王だとか、“覚悟”だとか、そんなものは美闘ちゃんの蹴りで全部吹っ飛んだ。すごい蹴りだったし、素晴らしい戦いをしてくれて楽しかった。今日はどうもありがとう」と最強の挑戦者を賞賛した。

 この言葉に涙を浮かべた美闘は「負けてしまいました……。でもやっぱりイオさんが守り続けていた赤いベルト、その価値はとてつもなく重く、すごい物でした。イオさんと戦えてうれしかったし、辛かったけど、本当に楽しかったです」と素直に王者の強さを認め、健闘を称えあった。

 このタイミングでセミファイナルを戦った宝城カイリがリングに登場。いつものハイテンションでマイクを握ったかと思わせると、いきなりのため息。「今日はよー、チャルシー(・グリーン)の野郎に頬骨をやられて、もっとでかくなっちゃいました」とコンプレックスである頬骨を試合中に傷つけられたことに肩を落とした。しかし、「(美闘に向かって)アモーレ、今日はナイス・アモーレでした。私はボロボロだけど気持ちは一つ。イオさん! この頬骨が引っ込んだら、その赤いベルト、スタンバイOKですか?」とえん曲ながら挑戦を表明。

 これに対しイオは、「あんまりよく分からなかったけど、とにかく赤いベルトの王者はモテモテということですね」と挑戦に対してはウェルカムである意思を示した。そしてさらに重大発表ということで、来年3月のデビュー10周年の際に、自主興行を行うと宣言。「もちろん、後楽園ホールで。来年3月9日、サンキューの日ですね。10周年記念興行を行います」と開催場所と日程が決定していると告げた。

 最後はイオが大会に参加した選手をリングに呼び込み、「We are スターダム!」で閉めた。

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