李承ヨプ、日韓600号の金字塔 韓国球界復帰後の苦悩と変化
日韓通算で600本目の本塁打は今季25号。40歳の今季もチームの主軸として活躍している 【写真提供:サムスンライオンズ】
李承ヨプは日韓通算での600本塁打について、「韓国の単一リーグでの記録ではないので、特に意識することもプレッシャーを感じることもなかったが、球団をはじめとした周囲の人たちがこの記録へのカウントダウンにたくさんの関心を寄せてくれて、久々に自分のホームランが注目されるという経験をした。そのことを思うと600本塁打というのは大記録なんだと実感した」と話した。
李承ヨプは日本進出3年目の2006年に巨人の第70代4番打者として、打率3割2分3厘(セ・リーグ2位)、41本塁打(同2位)、108打点(同4位)の好成績をマーク。翌07年にも30本塁打を放ち強烈な印象を与えた。しかし、その後日本での4年間は思うような結果を残せず、12年に韓国球界に復帰した。
李承ヨプが東京ドームで特大アーチを量産していた頃から約10年が経過している。そのため今回の記録達成の報を受けるまで、李承ヨプがいまも現役でプレーしていることを知らなかった日本のファンも少なくないだろう。日本を離れ、韓国に復帰してからの5年間、600本塁打に至るまでの歳月を振り返る。
復帰1年目は好成績残すも…
日刊通算600号本塁打を達成した李承ヨプ 【写真提供:サムスンライオンズ】
韓国復帰2年目の13年、この年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表に李承ヨプは選ばれた。しかしチームは1次ラウンドで敗退。シーズンに入ると腰痛の影響もあり、打率2割5分3厘、13本塁打、69打点という韓国での自己最悪の成績でシーズンを終えた。そこで当時37歳の李承ヨプはある決断をする。打撃フォームの改造だ。
「成績が良くなかったので、迷いなくフォームを変えることにしました。これまでよりもバットを素早く出すことが一番の目的です」
加齢とともに落ちるスイングスピードを補い、ミスショットを減らすための取り組みに着手した。