敏腕HCが束ねる個性派軍団 B1中地区 富山グラウジーズ編

『hangtime』編集部

エースの城宝匡史(31)はオフェンス・ディフェンスともに要となる選手の1人 【B.LEAGUE】

 9月22日に開幕を迎える男子プロバスケットボールの新リーグ「Bリーグ」。B1に所属する18クラブをカウントダウン方式で紹介していく。第11回はB1中地区の富山グラウジーズだ。

ロスターは多士済々、変化に富む展開に期待大

 これまでのシーズンとはタイプが違うプレーヤーが集まった。しかも同じポジションに複数の選手を配することができ、多種多彩な展開でチャレンジできそうなロスターだ。個性が違うだけではない。それぞれ持ち味が違いながらも、個々の能力が高いのが特長となった。

 このチームを語る際、最初に名前が挙がるのがオフェンス・ディフェンスともに要となる2人の選手。まずは押しも押されぬエース、シューターの城宝匡史だ。マークマンが誰であれ、その動きを見逃さず、一瞬のスキを突いて変化に富むパフォーマンスを仕掛ける。ゴールネットを射抜くシュートは精度が高く、得点を重ねることが生きがい――そうアピールしているような趣すら感じさせる。

 それは、ただ単にイージーシュートを狙うだけではない彼のプレースタイルからも読み取れる。チームが劣勢に陥り、苦しい場面が続く時こそ華麗なテクニックを駆使してスコアメーク。そこにはエースとしての誇りがにじみ出ているようだ。

 もう1人は外国籍のオールラウンダー、サム・ウィラード。持ち前のパワーで他を圧倒し、ペイントエリア内での仕事はお手のもの。さらにクイックネスを生かしたプレーで相手をかわすことができ、ペリメーター(中距離程度)のシュートが実に巧みなフォワードだ。ディフェンスについても頼もしい存在で、相手に得意なプレーをさせることがない。

脇を固める個性派たち

 先述の2人がチームの中核をなすのは間違いないが、周囲にはいつ主役を食ってもおかしくない個性派がそろった。まずは、タフな場面こそ出番とばかりにシュートを決める岡田優。高いシュート力を備え、落ち着いたゲームメークが持ち味の司令塔、宮永雄太。「君の状況判断はいつも正しい」とそう誰もが納得してしまう、安定したパフォーマンスを披露する水戸健史。彼の持ち味はチェンジ・オブ・ペース(緩急を付けたプレー)で、相手を翻弄(ほんろう)してはシュートを決める。富山出身の生え抜きで、人気も高い。

 さらに、チームメートを生かすのが巧みなポイントガードの田中健介もいる。いったいどんなバスケが展開されるのか予測不可能なキャスト。しかも今シーズンは、注目の移籍が実現した。アルバルク東京から移籍してきた宇都直輝だ。スピード豊かなプレーでゲームメークもスコアメークもバッチリ。ガードの彼がコートを駆け巡れば、チームの勢いが2倍、3倍増しになること請け合いだ。

ボブ・ナッシュHCの手腕も見どころ

 これだけ個性派がそろうと一歩間違えば空中分解も考えうる。そこはボブ・ナッシュヘッドコーチ(HC)の手腕が問われる。「チームはファミリー」というポリシーを貫き、いつもプレーヤーへの信頼を忘れない。それぞれのプレーヤーの強みを引き出すことに長けており、昨シーズンはbjリーグの東地区で最高勝率を記録した。ロスターの変更があっても必要なピースを組み合わせていくように、着実なチームづくりを行う。

 今シーズンも、ナッシュHCの見事な采配ぶりを何度も目の当たりにするはずだ。個性派軍団がファミリーとしてシーズンを戦い抜き、栄えある初代王者に近づくかもしれない。

 Bリーグの初めてのシーズンだからこそ、規格外のチームが出てきてほしい。富山にはその可能性がある(ぜひそうあってほしい)。少々ディフェンスが手薄になってもお構いなし、超攻撃的な布陣で相手を蹴散らすような展開を見せてほしいものだ。

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(グラフィックデザイン:相河俊介)

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B.LEAGUEを中心に、AKATSUKI FIVE(日本代表)やストリートボールまで、日本のバスケットボールの魅力を、わかりやすい記事とデザイン性の高い誌面でお届けする、新しいバスケットボール専門誌。Issueごとに独自の視点で特集を組み、興味深い企画で構成。

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