ハリル「選手の回復と励ましに務めた」 W杯最終予選 タイ戦の前日会見

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タイ戦の前日会見に臨んだハリルホジッチ監督 【宇都宮徹壱】

 サッカー日本代表は6日、バンコクのラジャマンガラ・スタジアムでワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第2戦となるタイ代表戦に臨む。試合を翌日に控えた5日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 1日に行われた第1戦のUAE戦では、ホームで1−2の敗戦を喫し、黒星スタートとなった日本。ハリルホジッチ監督は「敗戦については受け入れ難かった。ゲームの瞬間、瞬間に審判の笛による不正義でやられてしまった」と振り返ったが、タイ戦に向けては「選手の回復と励ましに務めた」と語り、選手たちのメンタル面でのフォローを行ったことを明かした。

 また、指揮官は「タイは国内で良い試合ができるし、連続プレーも速い」と警戒した一方、「戦術的にどう対応するか準備はしている」と語った。

選手を批判するのではなく、励ますことに務めた

 皆さん、こんにちは。1試合目(UAE戦)が終わったあと、かなり悲しんだが、元気を取り戻さないといけない。強い気持ちを持って、次の試合に臨まなければならない。タイも(第1戦の)サウジアラビア戦ですごくよい試合をした。敗北ではなく、違う結果を得る資格があったが、彼らも不公正な状態に陥ってしまったと思う。タイの観客は非常に熱狂的であり、日本国民もかなり期待している。日本の選手は元気な様子で、いいトレーニングができている。次の試合で、勝利を探しにいく準備はできている。

──タイはホームで強く、サポーターの後押しがあるがどう思うか?(外国人記者)

 スタジアムの雰囲気もよく分かっている。数試合ビデオも見たが、サポーターもすごく応援する。タイは国内で良い試合ができるし、連続プレーも速い。日本は経験とクオリティーがあるし、試合をコントロールすることもできる。強い気持ちを持って戦う準備ができている。最終予選は、ひとつも簡単な試合はない。どこに行っても強い気持ちで勝ちにいかなければならない。

──UAE戦はプレースピードが上がらずに苦戦したと言っていたが、選手の状態はそれができる状態まで上がっているか? また初戦敗退のショックは、監督や選手の中には残っているのか?

 われわれはバルセロナではない。前回の試合は25回シュートを打って、13回ほど得点チャンスもあり、16メートルの中で17回シュートを打った。いろいろな国のサッカーを見れば分かるが、統計上はどの国にも劣らないくらいビッグチャンスを作った。ただし、得点を仕留めるところで問題があった。また、得点しても拒否されることがある。これが最後の拒否であってほしいが。

 敗戦については受け入れ難かった。ゲームの瞬間、瞬間に審判の笛による不正義でやられてしまった。本当にたくさん準備をしたにもかかわらず、われわれの“庭”で(勝利が)盗まれてしまった。非常にうれしくない状況だが、ただし人生は続く。選手を批判するのではなく、励ますことに務めた。相手にPKとフリーキックをプレゼントしてしまったが、選手の回復と励ましに務めた。ホテルの横にある日本食レストランにも連れていった。時々、日本食以外のものも食べてほしいが、(選手たちを)励ましてポジティブな状況にもっていくように務めた。

──タイ代表の警戒する選手は誰か? それをどう抑えるか?

 タイの守備と攻撃の仕方は研究してきた。どういうプレーをするかも(選手に)すでに伝えてある。攻撃は特有の展開をするので、それについてもディテール(詳細)を伝えた。ただ、どの国もすべてプレーを分析して、お互いのことを知り尽くしている。われわれも戦術的にどう対応するか準備はしている。ただ守備をするためだけに、われわれはここに来たわけではない。攻撃もするつもりだ。そしてチームがもう少しリアリストになってほしい。特にオフェンス面で(ゴールを)仕留めるときにだ。

──UAE戦はフィジカルの調整が難しかったということだが、こちらにきてからコンディションはどうか?(田村修一/フリーランス)

 この合宿は今までで最も調整が難しかった。3〜4人はいつも、プレー時間、パフォーマンス、疲労など、何かが足りない状態で合宿に参加している。国内組は、われわれが求めるプレーのリズムにまだまだ適応できていない状況だ。パフォーマンスを上げるために、少し選手を休ませて、国内組もわれわれのリズムに徐々に順応してきたと思う。フィジカル面は1試合目よりもかなり良い状況になっていると思う。

 UAE戦がわれわれを傷めつけたので、メンタル面のコントロールもしていかなければならない。われわれのキャラクターをしっかり見せないといけない。批判はいただくが、いつも言うように私を批判してほしい。私が何をすべきかは分かっている。理想からは、まだまだ遠い。ここ3カ月、われわれのグループを見ているが、いくつかのことを忘れているようだ。プレーの原則をどうするかというドキュメントを作って、選手には渡してある。チームは今、より良い状態になっていると思う。彼らの答えをピッチ上で見てみたいと思う。

タイ代表、キャティサック・セーナームアン監督の会見要旨

タイ代表のセーナームアン監督は、「100パーセントに近い状態で準備ができている」と自信をのぞかせた 【宇都宮徹壱】

 初戦(サウジアラビア戦)は残念な結果に終わってしまったが、明日の試合に向けて100パーセントに近い状態で準備ができている。今回のメンバーは、国内のベストの選手がそろっている。日本はアジアでもベストチームのひとつだが、ファンのためにも良い試合ができるように最善を尽くしたい。

 明日は大勢の観客が良い雰囲気を作ってくれるので、選手たちも100パーセントの力を出してくれるだろう。日本は弱点が少ないチームだが、初戦に負けてプレッシャーを抱えている。われわれはさらにプレッシャーをかけていきたい。

 われわれにはプレッシャーはない。サウジアラビアや日本と違い、われわれは久しぶりに最終予選に駒を進めることができた。予選突破のチャンスがある限り、それぞれの試合でベストを尽くしていく。

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