メジャー予備軍撃破へ“男気”見せた主将 12日から日米大学野球が開幕
経験豊富な明治大・柳が主将として日本代表をまとめる。先発右腕としても第2戦が予定されている 【写真=高木遊】
主将・柳が作り上げた戦う集団
日本代表・横井監督は「必要なことを言わなくてもやってくれる男」と主将・柳に全幅の信頼を寄せる 【写真=高木遊】
投手にして主将を務める柳裕也(明治大)は開幕が前日に迫った記者会見でそのように話した。昨年も侍ジャパン大学代表の一員としてユニバーシアードに出場し、開幕戦と準決勝に先発し金メダル獲得に大きく貢献した。
その他に昨年のユニバーシアードを経験したのは、同じく投手の濱口遥大(神奈川大)と外野手の佐藤拓也(立教大)のみ。昨年の代表で前主将の坂本誠志郎(当時明治大/現阪神)ら4年生を中心とした抜群の結束力を肌で感じていた柳は代表選考合宿から動いた。なんと合宿所での空き時間に全部屋を訪問。代表候補49選手全員と会話を交わした。日米大学野球では中継ぎ右腕として期待される水野滉也(東海大北海道キャンパス)は「北海道の学生は僕だけで、人見知りなところもあったのですが、柳から気さくに歩み寄ってくれ“まだ、みんなとそんなに話せてないんじゃない?”と気にかけてくれました」と感謝の気持ちを語る。
「経験者の柳と佐藤を中心に“戦う集団”を作ってくれています」と常々自話していた横井人輝監督もこれには驚いた。「柳であれば、必要なことを言わなくてもやってくれる男だと思っていましたが、それは知りませんでした」と目を細め、「本当に柳を主将にして良かったです。そして、この戦いを終えた時にまたそう思いたいですね」と声を弾ませた。
かつてのスーパー1年生が抑えに
報徳学園高1年の甲子園で「スーパー1年生」と騒がれた立教大・田村がストッパー。「勝利のためなら何でもする」と意気込み十分 【写真=高木遊】
田村は直前合宿で行われた結団式で「勝利のために何でもする」と公言。横井監督は「彼の野球への情熱や勝利への執着がそのまま出た言葉でした」と振り返り、全幅の信頼を持って最終回のマウンドに送り出す予定だ。田村は「代表チームの抑え投手というのは1人しかできない役割。短いイニングなので、いつも以上に打者と立ち向かい、いつも通りの丁寧な制球を心掛けたいです」と冷静ながらも情熱がたぎった視線でフル回転を誓った。
立ちはだかる99マイル右腕
プロ注目の中京学院大・吉川は同じくドラフト上位候補の日大・京田とともに二遊間を組む予定 【写真=高木遊】
選手に関しては「6月のドラフトにかからない選手の中ではベストの人材を選んだ」と話し、侍ジャパン大学代表に対しては「投手はコントロールが良く、打者はボール球を振らないなど基本的なことができるチーム。リスペクトしているし勝つのが簡単ではない相手だ」と、警戒を強めていた。
開幕戦の先発は、196センチ右腕のタナー・ホウク(ミズーリ大)。MLBを代表する右腕マックス・シャーザー(ナショナルズ)の後輩にあたるホウクは「武器はMAX99マイル(約159キロ)のストレート。われわれの哲学である“アグレッシブにストライクを取りにいくこと”を目指したい」と意気込みを話した。
前回大会に続く優勝を目指す侍ジャパン大学代表。吉川尚輝(中京学院大)と京田陽太(日本大)が組む「ドラフト上位候補二遊間」を中心とした守備力、大西千洋(法政大)や島田海吏(上武大)らを中心とした走力にも注目だが、柳や田村ら男気のある選手がチームをまとめた結束力が、侍ジャパン大学代表にさらなる力をもたらしている。
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