3強ではなく1強! 桜花賞の記者座談会 必勝態勢メジャーエンブレムに穴党も◎

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 クラシック開幕戦の桜花賞は、2歳女王メジャーエンブレムに、チューリップ賞でハナ差の接戦を演じたシンハライトとジュエラーが迫る様相に。次週の皐月賞と同じ“3強”ムードの一戦を、優馬トラックマン(TM)陣が徹底討論。

3強ではなく1強? メジャーエンブレムに死角はあるか

追い切りでも仕上がりの良さをアピールしたメジャーエンブレム(右、撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「桜花賞レコードが1分33秒3ということからもわかるように、この時期の3歳牝馬がマイルで1分33秒を切ること自体、ちょっと記憶にないんだが、今年は1分32秒台が3頭。馬場差もあるんだろうが、やっぱりその“3強”と見ていいんだろうな。ただ、関東のTMがメジャーエンブレムに◎を並べているのに対して、関西のTMはチューリップ賞組に◎も散っているところが面白いところ。普段から馬を見ているかどうかで、温度差があるのかな」

佐藤直「別に関東馬への贔屓なしにメジャーエンブレムが◎だろ。クイーンCの1分32秒5は超ド級の歴史的な記録だし、この馬が関西馬であったとしても変わらない結論だよ」

久光「現時点での完成度は一枚上でしょうね。脚質的にポカも考えられませんし、枠順にも恵まれたと思えるので、まず凡走のシーンも浮かびません」

武井「ペースを緩めたことで外からの強襲を許したアルテミスSを教訓にして、阪神JFではペースを緩めずに圧勝しましたからね。敗戦を糧にして成長したと言えます。そして、その阪神JF以上の速いラップで先行したクイーンCで更なる進化を遂げたとあれば、素直に相手探しと見るべきです」

小野智「仮に負けるとしても、チューリップ賞の1・2着馬と予想できますし、崩れない計算ができるのが大きいですよね」

西田「デスクは“3強”と言われてましたが、私の中では“1強”です」

デスク「本紙田崎もそういうことか?」

田崎「クイーンCでは、それまでの安定感に加えて凄みも増した印象を受けましたね。昨年のような競馬になることはまず考えられませんが、やはり前で競馬ができることは有利でしょうね」

デスク「あと、今回驚いたのは、編集長や穴狙いの清野までもがメジャーエンブレム◎っていうことなんだよな」

上田「ここまでの5戦で、初戦と4・5走目は速いラップで圧倒したもので、何度やっても当時の相手には負けないと思えるもの。残る2戦のうち、2走目は差しに転じて上がり最速での勝利で、単なるスピード馬ではないことも証明しているよね。そして唯一の敗戦を喫した3走目は、見えない位置から出し抜かれた格好で、負けは負けでも流れを考えれば勝ち馬よりも強いレースだったと思うんだ」

清野「私も他の馬の可能性を考えてはみたんですが、メジャーエンブレムより上に見る論立てができないんですよね。阪神JFの時には他にも強力な先行馬がいましたが、今回はそのへんもそっくり居なくなってますし、どう考えても流れが有利に働くと思います。枠順も絶好なので、逆らえませんでした」

デスク「ただ、ひとつ気になるのが、クイーンCから直行してきた馬が、2着はあっても勝っていないということなんだ。ローテーションはマイナス材料と見ているんだが……」

山崎「使って放牧へ出し約3週前にトレセンに帰厩、という形は、2戦目以降一貫している調整パターンなんですよ。トライアルを使うと、この必勝パターンが崩れてしまうため、陣営も敢えてこのローテーションを選択したとのことです。凄いラップだったクイーンCにしても、田村師は“無理に飛ばしたのではなく、この馬のリズムを刻んだだけ”と言ってましたし“相手云々ではなく、今回も自分の競馬をするだけ”なら、死角らしい死角はないと思います」

坂倉「僕がひとつ気になる点は、阪神JFとチューリップ賞が、前半1000mまでほとんど同じラップで流れていたのに、そこからの上がり3ハロンで1秒7もの決着タイムの差が出たということなんです。もしかすると、阪神JF組はメジャーエンブレムも含めてチューリップ賞と比べてレベルが低いかもしれませんよ。現に、アルテミスSでは勝ち馬のキレ味に屈して取りこぼしたわけですし……」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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