3強ではなく1強! 桜花賞の記者座談会 必勝態勢メジャーエンブレムに穴党も◎
競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会
3強ではなく1強? メジャーエンブレムに死角はあるか
追い切りでも仕上がりの良さをアピールしたメジャーエンブレム(右、撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
佐藤直「別に関東馬への贔屓なしにメジャーエンブレムが◎だろ。クイーンCの1分32秒5は超ド級の歴史的な記録だし、この馬が関西馬であったとしても変わらない結論だよ」
久光「現時点での完成度は一枚上でしょうね。脚質的にポカも考えられませんし、枠順にも恵まれたと思えるので、まず凡走のシーンも浮かびません」
武井「ペースを緩めたことで外からの強襲を許したアルテミスSを教訓にして、阪神JFではペースを緩めずに圧勝しましたからね。敗戦を糧にして成長したと言えます。そして、その阪神JF以上の速いラップで先行したクイーンCで更なる進化を遂げたとあれば、素直に相手探しと見るべきです」
小野智「仮に負けるとしても、チューリップ賞の1・2着馬と予想できますし、崩れない計算ができるのが大きいですよね」
西田「デスクは“3強”と言われてましたが、私の中では“1強”です」
デスク「本紙田崎もそういうことか?」
田崎「クイーンCでは、それまでの安定感に加えて凄みも増した印象を受けましたね。昨年のような競馬になることはまず考えられませんが、やはり前で競馬ができることは有利でしょうね」
デスク「あと、今回驚いたのは、編集長や穴狙いの清野までもがメジャーエンブレム◎っていうことなんだよな」
上田「ここまでの5戦で、初戦と4・5走目は速いラップで圧倒したもので、何度やっても当時の相手には負けないと思えるもの。残る2戦のうち、2走目は差しに転じて上がり最速での勝利で、単なるスピード馬ではないことも証明しているよね。そして唯一の敗戦を喫した3走目は、見えない位置から出し抜かれた格好で、負けは負けでも流れを考えれば勝ち馬よりも強いレースだったと思うんだ」
清野「私も他の馬の可能性を考えてはみたんですが、メジャーエンブレムより上に見る論立てができないんですよね。阪神JFの時には他にも強力な先行馬がいましたが、今回はそのへんもそっくり居なくなってますし、どう考えても流れが有利に働くと思います。枠順も絶好なので、逆らえませんでした」
デスク「ただ、ひとつ気になるのが、クイーンCから直行してきた馬が、2着はあっても勝っていないということなんだ。ローテーションはマイナス材料と見ているんだが……」
山崎「使って放牧へ出し約3週前にトレセンに帰厩、という形は、2戦目以降一貫している調整パターンなんですよ。トライアルを使うと、この必勝パターンが崩れてしまうため、陣営も敢えてこのローテーションを選択したとのことです。凄いラップだったクイーンCにしても、田村師は“無理に飛ばしたのではなく、この馬のリズムを刻んだだけ”と言ってましたし“相手云々ではなく、今回も自分の競馬をするだけ”なら、死角らしい死角はないと思います」
坂倉「僕がひとつ気になる点は、阪神JFとチューリップ賞が、前半1000mまでほとんど同じラップで流れていたのに、そこからの上がり3ハロンで1秒7もの決着タイムの差が出たということなんです。もしかすると、阪神JF組はメジャーエンブレムも含めてチューリップ賞と比べてレベルが低いかもしれませんよ。現に、アルテミスSでは勝ち馬のキレ味に屈して取りこぼしたわけですし……」