UFCでKOデビュー 夜叉坊「メインカードで試合を」 本場ラスベガスで生まれた新たなモチベーション

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UFCデビューとなった「UFC196」のジュリアン・エロサ戦でKO勝ちを収めた石原“夜叉坊”暉仁 【Zuffa LLC】

 昨年9月の「Road to UFC JAPAN」を経て、UFCデビューとなった「UFC196」のジュリアン・エロサ戦でKO勝ちを収めた石原“夜叉坊”暉仁。試合を振り返るとともに、新たなモチベーションを生んだラスベガス会場での出来事を語り、次戦を見据える。

持ってる? たまたまそこにエロサがおったんです(笑)

最後のKOは「いつも練習でやってることが試合で出た感じ」 【(c)Zuffa.LLC/(c)gettyimages】

――2ラウンドKOでの快勝から1カ月となりますが、その後いかがでしょうか。

 まぁそこそこですね。“シンデレラタイム”は歯磨きしてたら前歯が取れて、そのまま流れてしまったんで終わりました(苦笑)。さすがに前歯がないとキツいです。

――前回日本大会の後はお金を使い過ぎたと反省していましたが、今回はいかがですか?

 前回で勉強して今回は抑えているので大丈夫です(笑)。ちゃんとスーツを買ったり遊ぶ分のお金をそこに投資して、だから後は前歯があればいい感じです(笑)。

――もう練習は再開しているのですか?

 ちょいちょいしてるんですけど、手首を痛めたのでまだできることが少なくて。手首は最後、KOの1発で痛めちゃいました。相手を見てなくて、インパクトが分からないからそれで痛めたんだと思います。

――試合を振り返っていかがでしょうか。

 カッコよかったですね。ただ僕的には頑張ったなっていう感じだったんですけど、ノリピー(田中路教)と(中村)優作さんには1回も「よくやった」って褒めてもらっていなくて。受け身な感じや、プレッシャーを感じての回り方とか、ダメな自分が出続けてしまって全然いい展開じゃなかったんです。それで優作さんとノリピーからしたら、“今の持ってるもので勝てる相手でよかった”っていう感じみたいです。

――でも初回からパンチがとらえてましたし、よい部分もあったのではないですか。

 1Rの途中で左のクロスが何回か空振りとか交差みたいになったので、引きながら出せば当たるんじゃないかと思いました。最後のKOはカウンターは本当にあの打ち方しかやっていなくて、いつも練習でやってることが試合で出た感じです。

――やや相手のペースと思われたところでの1発で、さすが持ってるなと感じさせました。

 いや、たまたまそこにエロサがおったんです(笑)。でも、それが“持ってる”ってことですよね。僕は生まれてこのかた、そういう星の下に生まれているので、そのことを利用するしかないと思ってるし、僕はその強運をかなり活かしてると思います。

――初戦を幸先良いKO勝ちで、周りの人たちは喜んでくれたんじゃないですか?

 TUFで3位になってるし、戦績も分かりやすい相手だったので、格闘技が分からない人でも“強い奴に勝ってきたんだ”ってみんな勝手に勘違いしてくれてます(笑)。うちの婆ちゃんまで、“孫がすごい人に勝ってきた”って思ってますから(笑)。

このままやったら生き残られへんからやるしかない

メインのマクレガーを見て「俺、マジでここで試合したいな」と気持ちも新たに 【(c)Zuffa.LLC/(c)gettyimages】

――大会自体も王座交代劇のあった女子バンタム級タイトルマッチ、マクレガーvs.ネイトのスーパーファイトとスゴい大会でしたね。

 かなりメチャクチャ面白かったです。ヤバかったな。マクレガーの試合を客席で見ていたんですけど、“俺、マジでここで試合したいな”と思って。僕が今日やった試合をこのお客さんの前でやったらどんなリアクションをしてくれるんだろう、メインカードで試合をしたい、みたいに思ってモチベーションになりました。もう客席にいてめっちゃ気持ちよかったです。だからちょっと頑張りたいですね。

――次戦についてはいかがでしょうか。

 大きいところがいいんで「UFC200」に出たいんですけど、6月とか7月とかその辺で試合をしたいです。僕の後にやってたフェザー級の試合を見て、これはほんまに勝たれへんわと思って、試合が終わってからお酒を止めてるんです。手首を痛めたんですけどすぐ練習を再開したいし、お酒を飲まなかったらちょっとでも変わるかなと思って。女の子は行ってるし、夜遊びもしてるんですけど、ただお酒は止めてます。

――ついに格闘家・夜叉坊が覚醒してきた感じですね。

 いやいやいや、まだ女の子しか見てないですよ(笑)。ただ、このままやったらほんまに生き残られへんと思ったので、やるしかないみたいな感じで頑張ります。

――試合前には田中選手がナレーションを担当した夜叉坊選手のドキュメンタリー動画が公開となりましたが、こちらはご覧になっていかがでしたか。

 最後の水抜きの時に見たんですけど、あれのおかげで耐えられました。あれはヤバかったですね、かなりよかったです。ノリピーもあれが自信になってどんな仕事も引き受けるって言い出しましたから(笑)。だから是非、いろんな仕事が来てほしいです。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

 今回の試合が終わってから、格闘技のことを知らなくてもあのドキュメンタリーが友達から回ってきたとかで、僕のことを知ってる女の子がめっちゃ増えたみたいなんです。「あれ動画の人や」「格闘技してる人や」みたいな感じで、それがもう気持ちよすぎて(笑)。だから勝っていけばそういう仕事も増えるし、メディアに出て知られていくっていうことも分かったので、もっともっと進みたいし頑張ります。やっぱり女の子の力ってスゴいです。ほんまにここまで運んでくれているので(笑)。
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