沖縄にサッカー文化を根付かせた背番号9 琉球の背番号にまつわるストーリー

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日本代表経験者が背負ってきた背番号

チームのイメージカラーであるベンガラ色をまとう背番号9は、我那覇など日本代表経験のある選手たちが背負ってきた 【写真:アフロスポーツ】

 日本の最西端に位置し、かつて「琉球」という国が存在した場所、沖縄。一年の平均気温が約22度と温暖な気候を保ち、この場所でしか生息していない動植物も多いことから「東洋のガラパゴス」とも称されている。青い海と白い雲が一望でき、多くの観光客が訪れる沖縄にサッカーチーム「FC琉球」が誕生したのは2003年。県3部からスタートしたチームは05年に九州サッカーリーグ、翌年にはJFLに昇格。そして14年、J3リーグへの参入が決まり、沖縄初のJリーグチームとなった。

 この間、チームのイメージカラーは常に統一されている。濃い赤みの褐色「ベンガラ色」である。この色は首里城にも使用され、別名「琉球血色」とも呼ばれている。かつて水色が8割ほどを占めたユニホームを着用し戦ったシーズンもあったが、サポーターからの大ブーイングにより、翌年以降はベンガラ色主体に戻っている。沖縄の澄み切った海や空を連想させる青色を使用せずベンガラ色にこだわるのは、サポーターにとってもチームの誇りを感じさせる色だからなのである。

 このような伝統を守り戦い続ける琉球だが、歴史をたどるとかつて青色のユニホームをまとい世界と戦った選手が所属している。つまり、日本代表経験者だ。そして決まって背負っていた番号は「9番」。経験値が豊富であり、チームを勝利へと導くストライカーが琉球には必ず存在していた。
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著者プロフィール

沖縄県出身。県内ラジオ局での勤務を経て2013年に独立しスポーツライター兼ラジオディレクターとして活動。サッカー・バスケットボール・ハンドボール・野球などプロアマ問わず取材を行い執筆。「J’s GOAL」J3琉球担当記者。ゲキサカ「バルサ仲本のうちなー蹴人紀行」コラム執筆。RBCiラジオ「スポーツフォーカル」サッカーコーナー出演。地域リーグを中心に情報を発信する「コミュサカチャンネル」番組ディレクター。スポーツ中継の実況も携わる。

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