本職の中継ぎ・秋吉が侍で果たす役割 WBCへ注目集まる権藤コーチの判断

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最高の侍ジャパンデビュー

侍ジャパン初招集で好投を見せた秋吉。今回のアピールでWBCメンバーの候補にも 【写真は共同】

 野球日本代表「侍ジャパン」が5日、ナゴヤドームでチャイニーズ・タイペイと強化試合第1戦を行い、5対0で快勝した。

 この試合、光ったのは投手陣。先発の菅野智之から大野雄大、小川泰弘、秋吉亮、増井浩俊と5投手の継投で、許した安打はわずか2本。前日の会見で日本投手のレベルの高さを認めながらも、「バッティングには自信がある」とチャイニーズ・タイペイの洪一中監督は口にしたが、その打線を完璧に手玉に取った。

 なかでも圧巻だったのが秋吉のピッチング。8回に登板すると3者三振に切って取る。「あんなにストレートが速いんだなと思った」と小久保裕紀監督をうならせる内容で、最高の侍ジャパンデビューを果たした。

 思い起こせば4カ月前、昨年11月に行われた「世界野球プレミア12」で初代王者を狙った侍ジャパンは3位に終わった。痛恨だったのは準決勝の韓国戦。前半に3点をリードしながらも9回に4点を失いまさかの逆転負けを喫する。大会前から中継ぎ専門投手の不在が不安視されてはいたが、継投ミスも重なり、その不安が的中した一戦となった。

首脳陣が秋吉に寄せる期待

 そこで権藤博氏に白羽の矢が立つ。投手コーチ、監督として実績のある権藤氏が1月末に侍ジャパンの投手コーチに就任すると、各球団のキャンプを精力的に視察。その結果、秋吉、戸根千明、森唯斗の中継ぎ3投手が今回の強化試合の最終ロースターに加わった。3選手ともプロ年数は少ないものの、中継ぎを本職として優勝争いを繰り広げた経験を持つのが大きな強みだ。

 プロ3年目の秋吉は右のサイドスローからの140キロ台後半のストレート、スライダー、チェンジアップ、シンカーが武器。昨季は74試合に登板し、ヤクルト鉄壁のリリーフ陣の一人としてセ・リーグ制覇に大きく貢献した。左腕の戸根は昨年、ルーキーながら層の厚い巨人投手陣のなかで中継ぎの一角として46試合に登板。森はルーキーイヤーの14年に58試合、15年も55試合に投げてソフトバンクの連覇に欠かせない存在となった。

 なかでも今回の中継ぎ陣で象徴的なのが秋吉の存在だろう。戸根が2月21日に、森は大瀬良大地が負傷で辞退したのを受けて23日に追加でメンバーに加わったのに対し、秋吉はそれに先立つ15日の26選手発表時点からメンバー入りを果たした。このことからも首脳陣の評価の高さがうかがえる。

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