【RIZIN】青木真也、桜庭に快勝で「五味とやる」 『PRIDE』の熱を起こしたイベントに!

長谷川亮

青木が桜庭に圧勝

日本のMMA“新旧エース対決”は青木(右)が桜庭に圧勝した 【(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka】

 PRIDEのスタッフが再集結して開催した年末格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND−PRIX 2015 さいたま3DAYS」第1日が29日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで行われた。

 メインイベントでは桜庭和志と青木真也による日本MMAの新旧エース対決。しかし青木は開始すぐに駆け寄るようにして組み付き桜庭をテイクダウンすると、そこからはポジションを奪い続け独壇場。サイドポジションからマウントへ移行するとバックポジションも駆使して桜庭を逃がさず、力を込めたパンチと鉄槌(てっつい)を与え続け、最後は1R5分56秒、桜庭陣営からタオルが入ってTKO勝ち。

 完勝で試合を終えた青木だが、しかし複雑な思いがあったか、桜庭から声を掛けられると涙を見せ、試合後のマイクでは「まだ桜庭さんの代わりになれないです。まだ桜庭さんの試合が見たいので引退しないでください」とメッセージ。

 さらに「おい社長」とRIZIN榊原信行実行委員長に向けて、「俺、このリングでまだやることあるの分かってるよな。このリングで来年、青木vs.五味(隆典)やらなきゃダメだよな」と要求。青木色を全面に押し出し、RIZINの記念すべき第1回大会を締めくくった。

石井は1RKO負け キング・モーらが準決勝へ

トーナメント1回戦、石井慧は1分36秒でTKO負けを喫し、呆然とする 【(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka】

 また、体重100キロをリミットとするヘビー級トーナメント「RIZINワールドグランプリ」の1回戦が行われた。

 日本期待の石井慧は大会セミファイナルに登場。チェコ共和国の団体GCFライトヘビー級王者であるイリー・プロハースカと対戦。193センチ・96キロのイリーに組み付いてのテイクダウンを狙った石井だったが、突き放されてタックルも切られてしまい思ったような展開にできない。

 長身で手足の長いイリーは利点を活かしてハイキックを見舞い、ブロックした石井がバランスを崩すとそこへパンチで襲い掛かり、こめかみ周辺に右ストレートを打ち下ろしてノックアウト。インパクト十分なKO劇(1R1分36秒 TKO)で31日の決勝ラウンドに駒を進めた。

 その他、1回戦を勝ち上がったのは優勝候補筆頭の呼び声高いキング・モー、リトアニアの若獅子テオドラス・オークストリス、ヒョードル推薦選手であるワジム・ネムコフの3選手。イリー以外の3選手も1RKOで勝利を収めており、ダメージの少ない状態で決勝ラウンドを迎える。

所がベテランのうまさを見せ才賀に勝利

所英男は才賀紀左衛門から腕ひしぎでタップを取り、ベテランの巧さを見せた 【(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka】

 第7試合に行われたスペシャルワンマッチでは、所英男と才賀紀左衛門が対戦した。

 これが立ち技転向からMMA3戦目となる才賀だが、所が組み付いてくるところをバックステップしてフックを当て、タックルを切り、テイクダウンされても上を取り返すなど随所に適性の高さを発揮。

 しかし2005年にブレイクしてから10年、多くの修羅場をくぐってきたベテラン所はスライディングして足関を狙って入り、そこからグラウンドへ持ち込むと、バックへ回って逃すことなくスリーパー狙いから腕十字で一本勝ち。試合後にマイクを取ると、4年前の大晦日に亡くなった練習仲間の宮下トモヤさんに勝利を捧げた。

 この日は全14試合中13試合が一本・KOでの決着。開会セレモニーでは高田延彦統括本部長がふんどし姿で大太鼓を披露するなど、「PRIDE」の熱気と活気を思い出させる大会となった。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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