「5億円対決」での敗戦を糧に…改めて素質を示したロイカバードの★は?
競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック
敗戦を糧にまずは一歩 ロイカバード
2戦目を快勝したロイカバードの取引価格は2億5200万円(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
ロイカバード 牡 馬体重:450kg
★★★★★★★ 7点〔GIIIクラス〕
騎手:武豊 厩舎:(栗) 松永幹
生産: ノーザンファーム
父:ディープインパクト
母:アゼリ(Jade Hunter)
「5億円対決」として注目を集めたサトノダイヤモンドとの新馬戦で2着だった本馬。重馬場の初戦とは違い、良馬場で2戦目という事もあって、勝負所での手応えが見違えた。ウオッカの娘、タニノアーバンシーが予想以上に渋太かったが、大外を回って力で捻じ伏せるという、着差以上に強い競馬。初戦時の最終追い切りはラスト1F13秒7で併せて遅れていたが、今回はラスト1F12秒3で重賞勝ち馬に先着と、動きが一変。改めて高値に違わぬ素質の高さを見せ付けた。
馬体診断
周りを気にする素振りを見せていた初戦時と比べて、落ち着いてパドックを周回できていた。気合い乗りも良く、一度レースを使った効果が大きかった。馬体自体は、初戦からマイナス2キロで450キロ。スラッと見せるタイプで、ややもすれば線が細く映りかねないが、ディープ産駒の牡馬としては、こういうタイプの方がキレ味面で期待できる。距離は1800〜2000m位がベスト、良馬場で瞬発力を生かしたい。
血統診断
母アゼリはアメリカで24戦17勝、うちGIは11勝。米年度代表馬に輝き、殿堂入りも果たしている名牝中の名牝。母の父Jade Hunter(ジェイドハンター)はミスタープロスペクターの直仔で、米GIを2勝、エーピーグランプリ(ラジオたんぱ賞)の父でもある。ただ、母が遅いデビューだったように、長い目で見ていくべきかも。色々と前置きは多くなったが、正直に言うと、これほどの良血馬の血統についてアレコレ物申すのは野暮というものである。
馬券の狙い目→芝中距離路線。素質はかなり高いが、本当に完成するのはまだ先かも。
直線で瞬間移動!? キレ味鋭いリンクス
目の覚めるような末脚でデビュー戦を制したリンクス(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
リンクス 牡 馬体重:472kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:柴田善 厩舎:(美) 二ノ宮
生産:ダーレー・ジャパン・ファーム
父:アドマイヤムーン
母:ベライシム(Lion Cavern)
スタートは良くなかったが、慌てず騒がず中団にポジションを取って外目に誘導。道中の手応えが良く、徐々に押し上げて行って4角では大外を回る。直線では内に切れ込みながらも、ほとんど持ったままで先頭に立ち、さながら瞬間移動。素晴らしい瞬発力で完勝。調教で跨った鞍上が口を揃えて褒める馬で、この先が楽しみな一頭。
馬体診断
まだもう少し筋肉が付いて欲しい、というのが率直な印象ではあるが、全体のアウトライン自体はスッキリと仕上がっていて、柔軟性を感じさせる馬体。父アドマイヤムーンらしさが全面に出ている。パドックでは若干、テンションの高い一面をのぞかせていたのが、今後の課題。後肢の弾力に優れた捌きと、手先が長くスナップの利いた返しが印象的で、いかにも瞬発力に優れたタイプ。
血統診断
母ベライシムはイギリスの芝1400m戦のGIIIで3着。母の父Lion Cavernも1600mの仏2000ギニーで3着の実績はあるが、活躍したのはもっぱら1200〜1400m戦。本馬はミスタープロスペクターの直系同士の配合となり、4×3のクロスを持っている。ミスタープロスペクター直系同士の配合からはアルキメデス(朝日CC)やOP勝ちのルナフォンターナ・ジョヴァンニなどが出ている。ただ、血統的にはこれ以上の距離延長はオススメしづらい。
馬券の狙い目→距離適性は1400m〜1800mだろう。現状はスローな展開の方が良さそう。