ボクシングのＷＢＣスーパー・フライ級タイトルマッチ、チャンピオンのカルロス・クアドラス（２７＝メキシコ／帝拳）vs.同級２位の江藤光喜（２７＝白井・具志堅）の一戦と、ＷＢＣライト・フライ級タイトルマッチ、チャンピオンのペドロ・ゲバラ（２６＝メキシコ）vs.同級３位の木村悠（３２＝帝拳）のダブル世界戦の記者会見と計量が２７日、宮城県仙台市内のホテルで行われた。

　４選手とも無事に計量をクリアし、コンディションは万全の様子。あとは明日のリングで拳を交えるだけとなった。試合は２８日（土）、宮城・ゼビオアリーナ仙台で行われる。

　大一番を翌日に控えた会見だが、なぜかクアドラスはビーチサンダルを履いて現れた。そして「私、日本が大好き。私は速い、強い、勝ちたい。準備はできている」とスペイン語と日本語を交えながら、ときおり笑みを浮かべて意気込みを語った。

　これに対し身長で約１０センチ勝る江藤は「クアドラスは減量がきつそうで、俺の方がいい感じだと思う。（中継をするＷＯＷＯＷの番組名が）『エキサイトマッチ』なのでエキサイティングな試合で俺の手が上がる」と、こちらも自信を隠すことなく口にした。

　続いてマイクを握った具志堅用高会長は「チャンピオンが草履で来たが、あれは作戦なのかな？　こちらも作戦会議をする」と話して緊張の場を和ませた。

　スーパー・フライ級のふたりが陽気なやりとりをしたあとは、実直な人柄を感じさせるゲバラと木村が意気込みを語った。

　昨年１２月に八重樫東（大橋）を７回ＫＯで屠って戴冠を果たしているゲバラは「日本は王座を手に入れた縁起のいい場所。木村はスピードがあるが、私はチャンピオンらしい試合をして文句のない内容で勝つ」と言い切った。

　これに対し木村は「ゲバラは頭をつかったボクシングをする選手だが、負けないように戦略を考えて戦う。自分の手が上がるイメージを描いている」と話し、こちらも揺るぎない自信を感じさせた。社会の一線で働いてきたビジネスマンらしい落ち着いた口調だった。

　会見に続いて行われた計量では、クアドラスと江藤がともにスーパー・フライ級リミットの５２．１キロを２００グラム下回る５１．９キロでパス。ライト・フライ級の方はゲバラが階級上限いっぱいの４８．９キロでクリア。木村は４８．７キロと余裕をもってパスした。

　スーパー・フライ級は強打者同士の組み合わせだけに、序盤からスリリングな攻防が展開されそうだ。パワーだけでなく足もつかえるクアドラスに対し、江藤は切り札の右ストレートで突破口を開きたいところだ。

　ライト・フライ級は技術戦が予想されるが、八重樫を一撃で沈めたゲバラの左ボディブローは要注意といえよう。木村はスピードを生かして序盤で流れをつかみたい。木村が互角以上の展開で中盤を迎えるようだと戴冠がみえてきそうだ。

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＜ＷＢＣ世界Ｓ・フライ級タイトルマッチ＞
[王者]カルロス・クアドラス（メキシコ／帝拳）
[挑戦者]江藤光喜（白井・具志堅）

＜ＷＢＣ世界Ｌ・フライ級タイトルマッチ＞
[王者]ペドロ・ゲバラ（メキシコ）
[挑戦者]木村悠（帝拳）

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