伯父は幻の三冠馬と言われたフジキセキ 素質馬ロライマが★6つを獲得

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック

 2週連続で「マツクニ」ブランドから素質馬が出現。伯父にフジキセキがいるロライマが、ルメール騎手を背にデビュー戦を勝利した。中山では米GI7勝のジオポンティ産駒が日本初登場。アメリカンヘブンもまた期待の一頭だ。

伯父はフジキセキ 皐月賞を目指して ロライマ

着差はわずかながら“鞭なし”でデビュー戦を勝利したロライマ 【撮影:日刊ゲンダイ】

9/27(日) 阪神5R 2歳新馬 芝2000m
ロライマ 牡 馬体重:450kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:C.ルメール 厩舎:(栗) 松田国 
生産: 社台ファーム
父:キングカメハメハ
母:ミルフィオリ(サンデーサイレンス)

 少しトモを落とし気味のスタートだったが、ゲートの出自体は悪くなかった。1000m通過が66秒フラットという超スローの展開でも折り合いはピタリ。4角辺りから先に動いた2着馬を追いかけるように進出。ラスト3Fが11秒4〜11秒5〜11秒5と刻まれた中でキッチリと差し切った。着差は「アタマ」差でも、鞭を入れずに勝ち切った点や走りのフォームが良く、全体的なレベルは高い。

馬体診断
 450キロという馬体重もそうだが、ムダ肉がなく好仕上がり。骨太でありながら手先の軽い捌きでパドックを周回しており、父キングカメハメハの瞬発力を良く受け継いでいるといった印象。それほど胴長でもなく、距離の下限は1600m位だろうが、2000mより長い距離となるとやや不安か。中距離で瞬発力勝負なら持ち味を生かせそう。
 
血統診断
 母ミルフィオリはフジキセキの全妹。ダートの1800m戦で勝ち上がり、芝の1600〜2000mで3勝。秋華賞にも出走した(11着)。本馬の全兄サトノバリアントはダートで2勝しているが、その全兄よりも造りが軽く柔軟性もあるので、現状では芝の方が良さそう。今年の2冠馬ドゥラメンテを輩出したように、父キンカメ×母父サンデーサイレンスという定番の配合。

馬券の狙い目→ベストは2000m、瞬発力勝負が理想。皐月賞トライアルが一応の狙い目。

父は米GI7勝の名馬 アメリカンヘブン

アメリカンヘヴンが父譲りのパワフルな脚どりで新馬勝ち 【撮影:日刊ゲンダイ】

9/27(日) 中山5R 2歳新馬 芝2000m
アメリカンヘブン 牡 馬体重:486kg
★★★★★ 5点〔1600万クラス〕
騎手:岩田康 厩舎:(美) 戸田
生産:アメリカ(Bruce Smart)
父:Gio Ponti
母:Rap and Dance(Pleasant Tap)

 外目の枠から少し押して好位のポジションを取りに行く競馬。2F目の11秒8から3F目が14秒8と、急激なペースダウンにも難なく対応。直線に向いて前にいた先行馬を全く相手にせず交わし去って快勝。最後に2着馬が詰め寄ってきていたが、余力は十分だった。とにかくパワフルな脚どりで中山コースも合っていた。

馬体診断
 トモや胸前の筋肉がよく発達していて好馬体。まだ少し幼い仕草も見せていたが、レースを経験したことで変わってくるはず。外国産馬だが、クッションの利いた繋ぎで日本の芝への対応力は十分。パワーと瞬発力のバランスが取れた好素材で、蹄の形から道悪でも動けそう。

血統診断
 父のGio Ponti(ジオポンティ)は現2歳世代が初年度産駒で、本馬が本邦初の産駒である。現役時代にはアーリントンミリオンなど、アメリカの芝GIを7勝した名馬。オールウェザーで行われたBCクラシックで2着の実績もある。母系からは目立った活躍馬はいないものの、日本にもよく輸入されている。母の父Pleasant Tap(プレザントタップ)はタップダンスシチー(ジャパンカップ)の父として有名。間違いなく芝の中距離タイプ。

馬券の狙い目→直線に急坂のある中山や阪神向き。目標とするなら皐月賞戦線だろう。

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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