注目のパラスイマー、それぞれの戦い すでに照準は1年後のリオへ

荒木美晴/MA SPORTS

リオで注目したいスイマーたち

来年のリオデジャネイロパラリンピックでの活躍が期待されるスイマーたちを紹介 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 来年のリオデジャネイロパラリンピックで、日本人選手の活躍が期待される競技のひとつが水泳だ。日本競泳陣は前回、2012年のロンドン大会で2つの金メダルを含む8つのメダルを獲得しており、リオでも熱視線を送られることになりそうだ。2016年9月7日の開幕まで1年を切った。4年に一度の障がい者スポーツ祭典にすべてを懸ける、注目の選手を紹介する。

リオ内定の木村がけん引、男子ベテラン勢も好調

 9月5、6日に、国内最高峰の大会である「IPC公認2015ジャパンパラ水泳競技大会」が東京辰巳国際水泳場で開催され、男子はベテラン勢が安定した泳ぎを見せた。

(映像提供:日本障がい者スポーツ協会、制作:エックスワン)

7月の世界選手権で優勝し、リオ内定をもらっている木村敬一は、ジャパンパラでも存在感を示した 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 まずは、7月の世界選手権(イギリス・グラスゴー)で得意の100メートル平泳ぎと100メートルバタフライで優勝し、リオパラリンピック代表に内定している視覚障害クラス(S11)の木村敬一(東京ガス)が存在感を示した。「レース数を増やして、レースでしか味わえない辛さを身体に覚えこませたい」と、ジャパンパラでは普段、あまりチャレンジしない背泳ぎを含む4種目にエントリー。自由形は100メートルと400メートルに臨み、リオに向けて基礎的な体力の向上にウエイトを置いていることを明かす。
 代表内定後も気持ちにブレは一切ない。「リオに出ることが目標じゃない」と言い切り、「グラスゴーでの結果は良かったけれど、まだパラのメダルが狙えるとは思っていない。もっと上を目指していきたい」と、さらなる追い込みを誓う。

50メートル平泳ぎの世界記録保持者である鈴木孝幸は、あえて自由形にのみエントリー 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 50メートル平泳ぎ(SB3)の世界記録保持者であり、同種目世界ランキング1位の鈴木孝幸(GOLDWIN)は、ジャパンパラはあえて50メートルと100メートルの自由形(S5)のみにエントリー。自由形では顎を引いて頭の位置を下げるフォームに改善中だ。世界選手権ではメダルを逃した150メートル個人メドレー(SM4)の自由形の強化も意識しつつ、多様な練習やトレーニングを組むことで、全体の泳ぎの向上につなげたい考えだ。鈴木は普段、イギリスを拠点に練習に励んでいる。ジムでのドライトレーニングを含め、より充実した練習環境の中に身を置き、自身4度目となるパラリンピック出場を目指す。

史上最年少の13歳でアテネパラリンピックに出場した山田拓朗も24歳。リオ、東京ではエースとしての活躍が期待される 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 山田拓朗(NTTドコモ)も、リオでの活躍が楽しみな選手のひとりだ。ジャパンパラでも好調ぶりを見せた。メイン種目の50メートル自由形(S9)決勝では、世界選手権で銀メダルを獲得したタイムを上回る26秒45の好記録を叩きだした。世界選手権後の休養を経て、今一度自分の泳ぎに向き合い始めたタイミングだと言い、「ベースを作りなおすために長距離の泳ぎこみといった基礎的な練習を繰り返しているところ。そのなかでタイムを上げられたのは良かった」と手ごたえを感じた様子。
 史上最年少の13歳でアテネパラリンピックに出場した山田も24歳。世界選手権では日本代表のキャプテンとしてチームをけん引した。リオ、そして東京に向けて、「僕や木村敬一選手が中心になっていかないといけないと思っています」。エースとしての自覚を新たに、勝負の1年を迎える。

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著者プロフィール

1998年の長野パラリンピック観戦を機に、パラスポーツの取材を開始。より多くの人に魅力を伝えるべく、国内外の大会に足を運び、スポーツ雑誌やWebサイトに寄稿している。パラリンピックはシドニー大会から東京大会まで、夏季・冬季をあわせて11大会を取材。パラスポーツの報道を専門に行う一般社団法人MA SPORTSの代表を務める。

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