潮崎&宮原組が秋山&大森組から王座死守=ココ夏三郎デビューにエビ中も大熱狂

高木裕美

潮崎が豪腕ラリアットでトドメ

秋山&大森組と25分を超える死闘を制して3度目の防衛に成功した世界タッグ王者・潮崎&宮原 【横田修平】

 全日本プロレス「2015 サマーエクスプロージョン」最終戦となる29日の東京・後楽園ホール大会では、2大タイトルマッチなどが行われ、1385人を動員した。メインイベントの世界タッグ選手権試合では、潮崎豪&宮原健斗組が、秋山準&大森隆男組を退けて3度目の防衛に成功した。

 前哨戦では秋山に2連敗と苦杯をなめさせられた潮崎は、この日も床の上でエクスプロイダーを食らい、失神するという醜態をさらす羽目に。潮崎がダウンする間、宮原はローンバトルを強いられる。挑戦者組のペースが続く中、20分過ぎに王者組の合体技・新世界が秋山に決まると、潮崎がゴーフラッシャー、ムーンサルトプレス。秋山もヒザ剣山でカットし、ランニングニー、エクスプロイダーからニーパットをはずしてのヒザ蹴りを連発していくが、潮崎がカウンターのラリアット。さらに逆水平チョップからトドメの豪腕ラリアットをぶち込んでトドメをさした。

秋山「次はどうなるか分からない」

潮崎が前哨戦で2連敗を喫していた秋山から豪腕ラリアットで3カウントを奪った 【横田修平】

 25分を超える熱闘に「これが全日本プロレス、世界タッグの戦いです」と胸を張った潮崎は、「過去は消せない。でも、これを糧に前を向いて進む。明るい未来をつかむ戦いを見せたい」と、秋山からの痛烈なゲキを胸に、宮原とともに時代を動かしていくと誓った。

 一方、フォールを許した秋山は「潮崎がオレに最後の、消えかかった灯をともした。今日は負けたけど、次はどうなるか分からないから覚えておけよ」と、次の9.10後楽園で決定した王道トーナメント1回戦での一騎打ちに早くも気持ちを切り替えた。

Jr王者・鼓太郎、究極龍を下してV5

ジュニア王者・鼓太郎はベテランのウルティモ・ドラゴンのうまさに苦戦しながらも最後はタイガードライバーでフィニッシュ 【横田修平】

 世界ジュニアヘビー級王者の鈴木鼓太郎は、“究極龍”ウルティモ・ドラゴンを下し、V5を達成した。世界的なレジェンドであるウルティモは、その多彩なテクニックを見せ付けるかのように、鼓太郎の足をジワジワと痛めつけると、アサイDDTを狙うも、鼓太郎が阻止。エンドレスワルツは返されるも、エルボーからのブルーディスティニー、タイガードライバーでフィニッシュを決めた。

 あらためてウルティモの奥深さを体感した鼓太郎は、「あのキャリアからくる強さをこれから身に付けていかなきゃいけない」と気を引き締めた。

全日入団のゼウスが初陣を白星

全日本に正式入団したゼウスが初陣を白星で飾った 【横田修平】

 元大阪プロレスのゼウスが全日本に正式入団した。大会開始前に、リング上から「 今後、よりいっそう精進して参り、この人生を賭けて全日本プロレスのリングを盛り上げてまいります」と意気込みを語ったゼウスは、試合でも闘志を爆発。試合前に諏訪魔が求めてきた握手を拒否し、エルボーでやり合うと、バックドロップを炸裂。佐藤光留をラリアットからのジャックハマーで粉砕し、所属としての初陣を白星で飾った。

“暴走専務”諏訪魔が押し進める派閥構想を一蹴したゼウスは、「所属になって、この団体の試合すべてに上がって、のし上がってやろうやないかい!」と、改めて野望を語った。

エビ中もセコンドで大興奮

人気アイドルの私立恵比寿中学がバックアップするココナッツサブレ公式キャンペーンキャラクター「ココ夏三郎」がエキシビションマッチでデビュー 【横田修平】

 ココナッツサブレ公式キャンペーンキャラクター「ココ夏三郎」がエキシビションマッチでデビュー。渕正信と組んで、金丸義信&中島洋平と対戦した。企業キャラクターとして初めて全日本入団を果たした夏三郎を、スターダストプロモーションに所属するアイドルグループ・私立恵比寿中学の中山莉子さん、星名美怜さん、柏木ひなたさんも猛烈バックアップ。夏三郎の生みの親である「ママ」こと中山さんは、試合前に「金丸と中島をココナッツサブレに挟んで食っちまえ!」とエールを送ると、セコンドとしてリングサイドから声援を送った。夏三郎は、顔のココナッツサブレが何度も顔からはずれるハプニングがありながらも、金丸組のボディースラム、デッドリードライブ、キャメルクラッチといった猛攻に耐え抜き、エビ中と観客の大歓声を受ける。還暦を超えてなおボディースラムを連発する渕の奮闘に触発されたのか、夏三郎もドロップキック、619、ココナッツペガサス(飛びつき式フランケンシュタイナー)を繰り出してみせるも、金丸のボディースラム、ブレーンバスターからの逆エビ固めについにギブアップした。

エビ中「私たちもやってみたい」

エビ中がセコンドで見守る中、奮闘したココ夏三郎だが、最後は金丸の逆エビ固めに屈した 【横田修平】

 その奮闘ぶりに観客からは大歓声を受けた夏三郎だが、“ママ”の中山さんは「金丸選手がカッコ良かった」と相手チームに熱視線。試合には負けた上に、ママからも裏切られた夏三郎は「ココナッツサブレと違って、プロレスは甘くないナッツ」とずっこけた。

 夏三郎のデビュー戦に秋山社長は合格点を出すと、「今後もよろしくナッツ」と継続参戦を歓迎。また、エビ中の3人も、プロレスのセコンド初体験に大興奮で、星名さんは「激しくてすごかった。機会があれば、次は私たちもやってみたい」と、リングデビューにも興味を示した。

王道トーナメント組み合わせ発表

9月から始まる王道トーナメントの1回戦で秋山vs.潮崎が決定 【横田修平】

 全日本プロレス「第3回王道トーナメント〜2015オープン選手権〜」の出場選手及びトーナメント1回戦の組み合わせが発表された。

 開幕戦となる9.10東京・後楽園ホール大会では、秋山準vs.潮崎豪、大森隆男vs.石川修司、ゼウスvs.火野裕士という注目の顔合わせが実現。9.12大阪では曙vs.ボディガー、鈴木鼓太郎vs.青木篤志。9.13香川では諏訪魔vs.佐藤光留、金丸義信vs.KENSO。9.14愛媛では宮原健斗vs.吉江豊という組み合わせとなった。最終戦9.26後楽園では、準決勝2試合及び決勝戦が行われる。

<出場選手>
潮崎豪(3年連続3度目)※前年度優勝
諏訪魔 (3年連続3度目)※前年度準優勝
曙 (3年連続3度目)※第1回優勝
宮原健斗 (3年連続3度目)
秋山準 (3年連続3度目)
大森隆男 (3年連続3度目)
鈴木鼓太郎 (3年連続3度目)
金丸義信 (3年連続3度目)
KENSO (3年連続3度目)
ゼウス (2年連続2度目)
吉江豊 (2年連続2度目)
ボディガー (2年連続2度目)
佐藤光留 (2年連続2度目)
石川修司(初出場)
火野裕士(初出場)

試合結果

■全日本プロレス「2015 サマーエクスプロージョン」
8月29日(土)東京・後楽園ホール


<第6試合 世界タッグ選手権試合>
[王者組]○潮崎豪、宮原健斗
(25分15秒 豪腕ラリアット→体固め)
[挑戦者組]●秋山準、大森隆男
※3度目の防衛に成功

<第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権試合>
○[王者]鈴木鼓太郎
(16分12秒 タイガードライバー→エビ固め)
●[挑戦者]ウルティモ・ドラゴン
※5度目の防衛に成功

<第4試合 6人タッグマッチ>
○ゼウス、ボディガー、入江茂弘
(10分45秒 ジャックハマー→片エビ固め)
諏訪魔、青木篤志、●佐藤光留

<エキシビションマッチ「ココナッツサブレ50周年記念 ココ夏三郎 スペシャルデビューマッチ! 〜一夜限りの1本勝負!〜」>
○金丸義信、中島洋平
(12分22秒 逆エビ固め)
渕正信、●ココ夏三郎

<第3試合 タッグマッチ>
曙、○吉江豊
(10分12秒 ダイビングボディプレス→体固め)
石川修司、●土方隆司

<第2試合 シングルマッチ>
○KENSO
(8分56秒 ダイビングエルボードロップ→片エビ固め)
●井上雅央

<第1試合 タッグマッチ>
○佐々木貴、杉浦透
(9分07秒 サソリ固め)
野村直矢、●青柳優馬
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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