怪物・野杁が仙台で復活のKO 女王・朱里、過去最強の挑戦者を退けV2=Krush

中村拓己

東北初のKrushで10カ月ぶりリング

10カ月ぶりの復帰戦をKO勝利で飾った怪物・野杁 【(C)Good Loser】

「Krush.48 〜in SENDAI〜」が21日、宮城・仙台サンプラザホールで開催された。これまで名古屋(2012・2013・2014)、広島(2013)と東京以外でも大会を開催してきたKrushが東北地方に進出、宮城県仙台市で初めて大会を開催した。

 今大会には仙台在住のジム・選手はもちろん、東北地方出身のKrushファイターたちが対戦カードに名を連ね、青森出身の小比類巻貴之がPR大使を務めるなど、仙台ならではの大会となった。

 ダブルメインイベントに組まれたのは野杁正明vs.緒方惇、そしてKrush女子タイトルマッチの王者・朱里vs.挑戦者グレイシャア亜紀だ。ダブルメインとは言え、タイトルマッチを押しのけてダブルメインの第2試合として最終試合に登場したのは約10カ月ぶりの再起戦となった野杁だ。

 2月に大和哲也の保持するWBCムエタイインターナショナルスーパー・ライト級王座に挑戦して判定負けしたのを最後にリングから遠ざかっていた野杁だが、心機一転、活動の拠点を名古屋からK−1ジムEBISU小比類巻道場へと移し「僕はKrushに育ててもらった。復帰戦をやるならKrushでやりたかった」とKrush仙台大会で待望の復帰戦を迎えた。

圧倒的な強さを見せつけ復活アピール

Krush初開催の仙台で圧倒的な強さを見せつけ復活アピール 【(C)Good Loser】

 対戦相手の緒方惇はアマチュアボクシング出身で、過去に現Bigbangスーパーライト級王者の谷山俊樹をKOしたこともあるサウスポーのハードパンチャー。しかし「今までの僕のスタイルに小比類巻さんがアドバイスしてくれることをプラスアルファしている」という野杁は、試合開始のゴングから緒方を一方的に攻め続ける。

 いきなり強烈な右ハイキックを蹴って緒方を威嚇(いかく)すると、強固な両腕ブロックで緒方のパンチを跳ね返し、じりじりとプレッシャーをかけていく。そしてロープを背負った緒方のボディにヒザ蹴りをグサリと突き刺すと、スイッチが入ったように左右のパンチを打ち込む。ここは凌いだ緒方だったが、すぐに野杁は前に出て再びボディへのヒザ蹴りから怒涛の連打。最後は矢のような右ストレートで緒方の顔面を打ち抜いてダウンを奪う。

 何とか立ち上がる緒方だがカウント内にファイティングポーズを取れなかったため、レフェリーが試合をストップ、野杁が圧倒的な強さを見せつけて再起戦をKO勝利で飾った。

打倒ゲーオ&K−1王座獲りに照準

打倒ゲーオとK−1王座獲りを目標に掲げた野杁 【(C)Good Loser】

 試合後、野杁は「Krushファンのみなさん帰ってきました!」とファンに勝利とKrush帰還を報告し「試合が久しぶりで最初は相手を見過ぎて手が出せなかった。でも最後にKOできて、大会を締めることができてよかったと思います」とメインイベンターの責任を果たした心境を言葉にする。

 そして野杁は新たな目標として初代K−1 WORLD GP−65kg王者ゲーオ・フェアテックスとの対戦をアピール。「今日の試合内容では僕が目標にしているゲーオまではまだ遠い。もっと毎日練習して精進して、ゲーオの相手は野杁しかいないと思われるところまで頑張ります」とファンに誓った。

 バックステージでも野杁は「来年はどんどん試合が組まれると思うし、宮田さん(充Krushプロデューサー)は強豪を僕にぶつけてくれると思う」と強豪との対戦に意欲を見せ、改めて「来年中にゲーオに挑戦してK−1のベルトを獲りたい」と打倒ゲーオ&K−1王座獲りに照準を定めた。

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著者プロフィール

福岡県久留米市出身。プロレスファンから格闘技ファンを経て2003年に格闘技WEBマガジンの編集部入りし、2012年からフリーライターに。スポーツナビではその年の青木真也vs.エディ・アルバレスから執筆。格闘技を中心に活動し、専門誌の執筆、技術本の制作、テレビ解説も務める。

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