格上の台湾、韓国に挑む侍J社会人代表 アジア制覇へ、チーム力見せる打撃陣
中堅、ベテランが主軸に座る日本代表
アジア大会では経験豊富な中堅、ベテランが日本代表の中軸にどっかりと座る。(左から)多幡雄一、林稔幸、松本晃 【ストライク・ゾーン】
プロ選手を主体の強豪チームを編成したチャイニーズ・タイペイ(台湾)と韓国に対し、「総力戦」を掲げる小島啓民監督(三菱重工/長崎県庁)。打線の中で得点源となるのは、4年前の中国・広州大会を知る、主将の多幡雄一(32=ホンダ)と不動の4番・林稔幸(34=富士重工業)、そして昨年10月に中国・天津で開催された東アジア大会に続く代表入りとなった、松本晃(29=JR東日本)の右打者3人だ。
13日に行われた、千葉ロッテのファームとの強化試合では、小島監督が「台湾、韓国の速い球速の投手をイメージした対応」をテーマに掲げる中、序盤は各打者とも差し込まれ、意図しない形での逆方向への打球で打ち取られていた。しかし中盤以降は林が右中間への二塁打で2打点。松本がライトへのタイムリーで1点を挙げるなど、小島監督いわく「ゲーム中に修正する対応力」で、5回まで0対6という一方的なゲームを4対6まで追い上げた。
チーム最年長、34歳の林の代表入りには、小島監督の「ここ一番」での期待がある。林は前回大会の中国戦、1対0で迎えた8回裏2死一塁の場面で、試合を決定づけるセンターへの2ランホームラン。準決勝の台湾戦では0対3で3点を追う9回裏、1死一、二塁のチャンスに台湾の2番手投手、陽耀勲(元福岡ソフトバンク)から右中間へ同点3ランを叩き込み、土壇場で長打力を見せた。
ベテランから若手まで多彩な選手をまとめる主将・多幡
中軸を打つ中堅・ベテランと、その前後を打つ若手。この両者をまとめているのは、主将の多幡だ。多幡は先月の会見でこう話した。「広州では銅メダルという結果で悔しい思いをした。韓国、台湾は強いけどその相手を倒せるように、チーム力で一致団結して頑張っていきたい」。その思いは若手にも伝わり、石川は「キャプテン(多幡)は僕たちがやりやすいように、チームをまとめてくれています」と話している。