為末大が考える体幹トレーニング 流行りでなく、本質を見極めよ
「体幹が強い」<「体幹を使える」が重要
もちろん、体幹を使えるためには強くないといけませんが、いくら強くても使えなければ意味がありません。使えるというのは、実践の時に体幹がしっかり機能しているかどうかということです。
実践で発揮できなければ意味がない
多くの体幹トレーニングは、寝たり横になった状態で行われます。それ自体は感覚をつかむためには大切なプロセスだと思いますが、いつまでもその状態だけでトレーニングをしていると、実際の競技で使うような立位の状態で発揮できなくなってしまいます。感触をつかんだら、実践につなげるようなトレーニングが必要なのです。
走りの中で鍛えることは可能
走り終わって、腹筋と背筋がつらいとおさえる姿を見て、体幹トレーニングと実践トレーニングは同じなんだと感じました。
また、スポーツは静止状態はほとんどありません。どの競技も何らかの動きの中でパフォーマンスを発揮することが重要で、対人競技等はバランスを崩される中でどう力を発揮するかが問われます。
体幹トレーニングは静止状態で行われることが多いですが、体がしっかりと準備できる状態が用意されることは競技中にはほとんどありません。瞬間的に、無意識に体幹が使えることが実践で使うための条件になります。
何のために体幹トレをやるのか?
新しいように思える体幹という概念は、すでに日本古来の動きの中で丹田と言われたり、肚(はら)といわれて重要視されてきました。今も昔も、行き着く先は肚をどう決めるか、ということになるのではないでしょうか。
つい流行りのトレーニングが出てくると本質ではなく型が流行るように思いますが、一体何のために体幹トレーニングをやるのかを考えてみてもいいかもしれません。
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