バルサのネイマール獲得に不正はないか? 多くの疑問を残したロセイ会長の電撃辞任
突然の辞任発表
突如、辞任を発表したロセイ会長。ネイマール獲得オペレーションに違法行為があった疑いを持たれている 【写真:ロイター/アフロ】
的確な助言を受けていたのだろう。カセスはロセイとともに、ネイマール獲得に関わる契約書にサインしたジョセップ・マリア・バルトメウ副会長(現会長)やハビエル・ファウス副会長を告訴の対象に加える可能性も視野に入れつつ、不可解な部分が多いネイマール獲得オペレーションには違法行為が含まれている可能性があると主張してきた。
だが支払い先との契約を理由にオペレーションの詳細を機密事項としてきたロセイの意向とは裏腹に、クラブが総額5710万ユーロ(約80億円)だと繰り返し主張してきたネイマールの獲得コストには他に3800万ユーロ(約53億円)の支払いが存在していたことが先週になって明らかになった。
さらにロセイは辞任会見の席で、自身と家族が脅迫行為を受けていたことを明かし、それが辞任を決意する一因になったと説明している。誰による、何を目的とした脅迫なのかをロセイが明かさなかったため詳細は分からないが、昨年末には自宅に発砲された痕が発見される事件まで生じたというから、少なくともロセイが家族から身の安全を求められていたことは想像に難くない。
さらなる役員辞任の可能性もある
もしそうなった場合、クラブはジョアン・ラポルタ率いるソシオグループ「エレファント・ブラウ」の活動が一因となりジョセップ・ルイス・ヌニェスとジョアン・ガスパールの執行部が崩壊した10年前よりも厳しい状況に追い込まれるかもしれない。
とはいえ明確なプロジェクトの下でバルセロナブランドの国際化を進め、世界2位の収益を生み出し、何よりフットボールのトレンドを一変させた美しいプレースタイルによって世界中のファンを魅了している現在のバルセロナは、混沌に満ちていたヌニェス時代の末期と比べればはるかに安定した状態にあることは確かだ。