【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!トレーニングマッチ 対ルリーロ福岡戦
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。
3月8日(土)、2024-2025トレーニングマッチ vs ルリーロ福岡(以下、LR福岡)との試合が、福岡県にある普段からヴォルテクスが練習を行なっている“九州電力香椎球技場”で行われました。
九州のラグビー界を盛り上げるべく日々奮闘する、まさに同志とも言える存在です。
そして今シーズン、2024-2025シーズンよりリーグワンのディビジョン3に参入し、現在もリーグ戦の真っ只中。
そんな彼らと切磋琢磨し、互いのチーム力を高め合うべく、今回トレーニングマッチが実施されました。
同じ福岡を拠点とする両チームですが、これまで合同練習こそあれど、実際に試合を行うのは今回が初めて。
さらに、試合会場となったヴォルテクスの練習拠点の香椎球技場は、芝の張り替え後、初めての実戦の舞台となりました。この歴史的な一戦を見届けようと、応援スタンドには多くのファンが詰めかけ、熱い声援を送ってくださいました。
ヴォルテクスは先日、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)との試合でリーグワン前半戦を終え、ここから後半戦へと突入します。
そのスタートを勢いづけるべく、今回のLR福岡戦は絶対に落とせない試合です。
また、この一戦には、前半戦でプレータイムの少なかった選手や、怪我から復帰した選手が多く出場。
彼らにとっては、後半戦での出場機会を増やし、存在感を示すための絶好のアピールの場でもあります。
"トレーニングマッチ"とは名ばかりに、選手たちにとってはシーズン後半戦がすでにここから始まっている。
そんな強い意気込みが感じられます。
だからこそ、今回の試合では一つひとつのプレー、細部へのこだわり、そして勝負への執念を大切にしました。
この一戦で得た勢いを、後半戦へとつなげるために。
ヴォルテクスはさらなる高みを目指し、走り続けます。
試合メンバーはこちら。
https://www.kyudenvoltex.com/game/p144
《試合内容・結果》
空は快晴。
強い陽射しが照りつけるものの、涼しい風が心地よい。
3月に入り寒さも和らぎ、日中は春の日差しが差し込む時間が増えてきた。
スタンドには、用意された席を超えるほどの観客が詰めかけ、大きな熱気に包まれます。
そんな中、LR福岡のキックオフで試合が始まりました。
この試合、先制点を奪ったのはヴォルテクス。ゴール前のラインアウトを起点にボールを展開し、連続アタックを仕掛けます。
相手ディフェンスの隙間を突きながら何度も仕掛けを繰り返し、最後はディフェンス裏のスペースを狙ったキックでボールを再獲得。
そのまま15番・加藤誠央選手がトライを決め、貴重な先制点を挙げます。
さらに差を広げたいところでしたが、LR福岡に巧みにキックを使われ、ボールを再獲得されると、そのまま今試合初の失点を喫してしまう形に。
しかし、続けての得点は許さず、相手のチャンスの芽をしっかりと摘み取ります。
すると今度はヴォルテクスの連続アタックの中で、13番・金堂眞弥選手が鋭いステップでディフェンスをかわし、そのまま一気に抜け出してトライ。
前半を33-7で折り返します。
ハーフタイムでは前半の課題を全体で共有し、交代選手や後半から出場するメンバーとも入念にコミュニケーションを取り、後半戦に向けて準備を整えます。
後半はヴォルテクスのキックオフでスタート。前半の反省を活かしながら、1つ1つのプレーで相手にプレッシャーをかけ続け、ミスを誘発。
そのこぼれ球を14番・荒牧佑輔選手が拾い、そのまま走り切ってトライ。
後半もヴォルテクスが先制点を奪い、流れを掴みます。
終盤には、LR福岡の攻撃で自陣ゴール前まで攻め込まれる場面もありましたが、ヴォルテクスの強みであるディフェンスでしっかりと守り抜き、追加点を許さず逆に相手陣へと攻め込む展開に。
トライを奪って終了とはなりませんでしたが、ヴォルテクスが最後までリードを保ち、最終スコア73-14で試合を締めくくりました。
試合を通して、細かい駆け引きから激しい攻防まで、非常に勢いのある展開だったと感じます。
LR福岡戦に出場した選手たちにとっては、自らの力を証明し、チームに勢いを与える絶好のアピールの場となったはずです。
一方で、前半節で出場機会が多かった選手たちにとっては、この勢いに飲まれるわけにはいかない。
試合に出続けるためには、さらなる努力をしなければならないと感じる選手も多くいたのではと思います。
この競争がチーム内に良い刺激を生み、まさに“好循環”を生み出すと考えます。
試合を通じたチーム間の戦いはもちろんのこと、チーム内でのポジション争いもまた、チームの底上げに直結します。
自分たちが目指すターゲットに向かい、やるべきことをやり切る。
そして、必要な努力を積み重ね続ける。その先にこそ、求める結果があると信じています。
昨シーズン、同じく前半節と後半節の間で行われたホンダ戦をきっかけに、チームは格段に引き締まり、後半戦の勢いを生み出しました。
そして今回のLR福岡戦もまた、チームが一丸となる重要な試合となったはずです。
この試合で得た勢いを、後半戦の1発目からぶつけ、さらに加速させていくための努力を重ねていきます。
《今週の個人的Pick up Player》
今回、私が選ぶPick Up Playerは4人。
・1人目は、7人制日本代表経験もあるヴォルテクスの大黒柱。高井迪郎選手(以下、高井選手)。
・2人目は、小さな巨人。児玉大輔選手(以下、児玉選手)。
・3人目は、大のガジェット好きな松下彰吾選手(以下、松下選手)。
・4人目は、高井選手と同じく7人制日本代表経験もある加藤誠央選手(以下、加藤選手)。
長年にわたりヴォルテクスの屋台骨としてチームを支え、今やベテランと呼ばれる存在となった4人の選手たち。私自身は移籍を経てヴォルテクスに加わりましたが、経歴だけで見れば彼らと同期のようなものです。今回は、そんな自慢の同期である4人の選手にスポットを当てて紹介していきます。
なお、同じく現役で活躍している園中選手と中靏選手については、すでに「猿レポ」で紹介しましたが、彼らもまた同期の仲間です。
まず最初に紹介するのは高井選手。
https://www.kyudenvoltex.com/player/313
大分県出身、大分舞鶴高校から日本体育大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した高井選手。
ヴォルテクスに加入して15シーズン目になる選手です。
ポジションはフランカー。2023-2024シーズンまで長年キャプテンとしてチームを引っ張ってきた高井選手。彼の持ち味は、常にチャンスを狙い続けるアタックセンスと、チームをまとめ上げる統率力。特にディフェンスのスペースを見極め、相手の弱点を瞬時に判断して攻めるのが非常に上手。これがまた、相手チームからすると実にいやらしい。(誉め言葉です)
そんなヴォルテクスには「BROTHERHOOD(兄弟愛)」というスローガンがある。その意味を最も体現してきた男こそ、高井選手だと私は思います。チームのために何が必要かを考え、時には自ら嫌な役割も引き受ける。それでもチームの成長に必要だと感じれば、全力でやり遂げる姿勢はさすがです。実際、私がヴォルテクスに加入する前、対戦相手として何度も戦ったが、いつも一番嫌なプレーヤーでした。賢くスマートに、良い意味で相手の嫌がるプレーを繰り返し、隙を見つければチームを率いて攻めてくる。ただ、そんな選手が味方になった今、これほど頼もしい存在はいません。
そして今回のLR福岡戦。高井選手にとっては、2023年5月13日の清水建設江東ブルーシャークスとの入れ替え戦で負傷して以来、625日ぶりの試合出場となりました。長い長いリハビリ期間を経てグラウンドに戻ってきた姿に、チーム全員が歓喜。試合でも何度もチャンスを作り出し、長いブランクを感じさせないプレーを披露。まだまだ若手には負けない!という気迫がプレーの端々から伝わってきました。
そんな高井選手の趣味は温泉でリラックスすることと、家族とのお出かけ。しかも、オフになると突然旅行の計画を立て、家族で出かけることもあるというアクティブぶり。家族でのお出かけの際には、シミラールック(おそろコーデ)がマスト。さすが、普段からおしゃれに気を遣う男。
そして、特技は「靴の手入れ」。特に革靴は鏡面加工まで仕上げるというこだわりようだとか。私も「おしゃれなアイテムを揃えてるな〜」とは思っていましたが、まさか特技まで洒落ているとは。。
ちなみに、そんな高井選手がよく利用するお店の情報をキャッチした私は、こっそり同じ店でサングラスを購入しました。これで私もおしゃれの仲間入り(のはず)。
強気だけど、意外と寂しがり屋な一面もある。長いリハビリ期間を経て復帰し、再びチームを引っ張る高井選手。これからも、その強い意志とワクワクするプレーに注目です!
次に最初に紹介するのは児玉選手。
https://www.kyudenvoltex.com/player/319
宮崎県出身、日向高校から流通経済大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した児玉選手。
ヴォルテクスに加入して14シーズン目になる選手です。
ポジションはスクラムハーフ。しかし、彼をただのスクラムハーフと思うなかれ。児玉選手の持ち味は、強気なプレースタイルと無限の体力、そして鍛え抜かれた肉体から繰り出される強烈なタックル。時には自分の倍近くあるフォワード陣を何度もタックルでひっくり返すその鋭さに、チームメイトからは 「9人目のフォワード」 の称号を授かるほど。彼がディフェンスで隣にいるときの安心感は半端ない。むしろ、「スクラムハーフのはずなのに、なんでこんなところでタックルしてるの?」と驚くこともしばしば。
そんな児玉選手の趣味は つけ麺屋探し。好きなことは 居酒屋巡り。しかも宮崎県出身ということもあり、お酒、特に焼酎が大好き。そして とにかく食べること、飲むことが大好き!。。いや、それフォワードの自己紹介じゃない?
しかし、彼のポジションはスクラムハーフ。圧倒的な運動量の前に、摂取カロリーが消費カロリーを上回っているのか、それとも 圧倒的な摂取カロリーが圧倒的な運動量を生んでいるのか。。?
この謎は未だ解明されていません。
週末は子どもとひたすら遊んで過ごすという児玉選手。もしかすると、そこでも普段の運動量を発揮しているのかもしれません。ある意味 運動量の英才教育。児玉家から 新たな「体力オバケ」 が誕生する日もそう遠くない!?
スクラムハーフらしい テンポの良い華麗な球さばき に加え、スクラムハーフらしからぬ 異常な接点の強さ。そのスタイルで 若手に限らずチームを引っ張るベテラン児玉選手 の活躍に、これからも要注目です!
次に最初に紹介するのは松下選手。
https://www.kyudenvoltex.com/player/328
福岡県出身、福岡高校から筑波大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した松下選手。
ヴォルテクスに加入して13シーズン目になる選手です。
ポジションはスタンドオフ。しかし、彼のプレースタイルは 「華麗なゲームメイク」+「破壊的なタックル」 というギャップが魅力。鍛え上げられた肉体から繰り出される相手に突き刺さるタックル、正確なキック、そして冷静にチームをまとめる統率力。まさに攻守の要であり、試合の流れをコントロールする司令塔。
特にラインアウトからのディフェンスでは、鋭い出足から低く突き刺さるようなタックルで相手をひっくり返す場面を何度も見せてくれました。。。いや、本当に何回見たことか。
ヴォルテクスのバックス陣は、なぜこうもタックル好きな選手が多いのか?ベテランに至っては、もはや「タックルしないと落ち着かない病」なのでは?まさに ディフェンスの鬼。そのスタイルは 中堅や若手にも大きな影響を与え続け、ヴォルテクスの伝統的なディフェンス力をさらに強固なものにしています。
そんな松下選手の趣味は カメラ(写真・動画撮影)とガジェットの情報収集。ヴォルテクスNo.1のカメラ好きで、その熱意は並々ならぬものがあります。特に新しいガジェットを買う前の情報収集は異常なほど綿密で、納得がいくまでとことん調べ尽くす。そのリサーチ時間すら楽しんでしまうあたり、もうガジェット愛が止まりません。
さらに、趣味は旅行や子どもたちとのお出かけ。そして 撮り溜めた写真や動画を編集するのもまた楽しみのひとつ。
実際、松下選手が作った動画を見せてもらったことがありますが、素人目線ではあるものの「え、プロですか?」と思うほどのクオリティ。
ラグビーでは 豪快なキックとタックルで「記憶のシャッター」を下ろし、プライベートでは ガジェットを駆使して「カメラのシャッター」を下ろす。
その二つのシャッターで、これからも数々の名シーンを生み出してくれるはず。松下選手の豪快なかつ繊細なプレーに、引き続き要注目です!
最後に最初に紹介するのは加藤選手。
https://www.kyudenvoltex.com/player/341
山口県出身、萩商業高校から福岡大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した加藤選手。
ヴォルテクスに加入して14シーズン目になる選手です。
ポジションはフルバック。しかし、そのプレースタイルは「華麗なフィニッシャー」というより、もはや 「突撃隊長」。彼の持ち味は、プロップの私と同じくらい太いふくらはぎが支える、粘り強い足腰を活かした思い切りの良いランとボールキャリー。
時には鋭いステップでディフェンスの隙を突き、時には 狭いスペースを強引にこじ開けて 突破。グイグイと敵陣に切り込んでいくその姿は、まさにヴォルテクスの切り込み隊長。後輩たちが台頭してきても、まだまだ簡単にはその座を渡す気はありません。
それにしても、これまで紹介してきた彼らが当たり前のようにやってのけるプレーの数々……見ているこっちは、もはや悔しさを通り越して羨ましさすら感じます。でも、そう思わせるプレーをするのが一流の証。だったら、私も「羨ましい」と思われるプレーをしなければ!そうやってみんなで高め合っています。
そんな加藤選手の週末の過ごし方は、 子どもといろんな場所にお出かけすること。最近は阿蘇にある「柴犬の里」が楽しかったらしいです。また、ある先日のオフのときには「地元の山口に帰るついでに期間限定で開催されているポケモン化石博物館に行ってくる!」と目を輝かせて話してくれました。ポケモン好きの子どもたちのために、遠征先ではポケモンGOで現地のポケモンを捕まえて帰る、という優しきパパの姿も。もはや、ただの切り込み隊長ではなく ポケモントレーナーでもあるらしい。
そんなラグビーに、仕事に、子育てに全力投球の加藤選手。そのおかげで、布団に入ると 「失神したかのようにすぐ眠れる」のが特技らしいです。。。それ、もはや強制シャットダウンでは?
もし、今後回復が追いつかなくなったら疲労回復グッズをプレゼントしつつ、近場のポケモンセンターを紹介しようと思います。
激しさと優しさを兼ね備えた「切り込み隊長 兼 トレーナー」加藤選手。これからの活躍にも要注目です!
《最後に》
次のリーグワン第8節は、3月15日(土)に福岡県にある「東平尾公園 博多の森陸上競技場」に、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)を迎え入れての対戦予定です。
第7節のGR東葛戦では悔しい大敗を喫しました。しかし、期間を空けずに再び彼らと対戦できる。つまり、リベンジのチャンスがすぐそこにある。
前回の敗戦から何を学び、何を変えるべきか。チーム全員がその答えを探し、覚悟を持って準備を進めています。
今回のLR福岡戦で得たチームとしての勢いと、各々の選手が感じた貪欲さを、この試合にすべてをぶつけ、勝利を掴むために。
そして、ここは僕たちのホーム。皆さんの声援が、僕たちの力になります。ともに戦い抜き、歓喜の瞬間を迎えましょう!
会場で、熱い応援をよろしくお願いします!
『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
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