勝利の選択肢以外、介入の余地なし。古巣戦に臨む男が見せるワークレートへのプライド
「彼ら(S東京ベイ)が圧勝した試合でした。S東京ベイは常にチームとしてまとまっていて、強いフォワード陣がいて、試合を支配しようとし、スクラムもモールも強い。そして、与えられたチャンスを生かせるクイックなバックス陣がいる。そういう印象でした」
このころタイラーが抱いていたS東京ベイのイメージ像は、いまもほとんど変わっていないという。また、S東京ベイのルアン・ボタは南アフリカのシャークス在籍時代のチームメートで、同じく南アフリカ出身のデーヴィッド・ブルブリングは同郷の選手。「彼らとは試合後に話し、S東京ベイの文化やチームについて良い話を聞いていました」とも。
2020年にRH大阪に入団し、チーム再編に伴い2022年には浦安D-Rocks(以下、浦安DR)に加入。S東京ベイとはホストエリアが近いチーム同士ということもあり、プライベートでは「(S東京ベイの)外国人選手たちとコーヒーショップなどでよく顔を合わせていました」。そのため、2024年のS東京ベイ入団後はチームにスムーズにフィット。今季は開幕より連続出場し、初戦のトヨタヴェルブリッツ戦ではトライも挙げている。
「開幕戦に先発で出場できたことはとても誇らしく、うれしかったです。チーム全体、そしてファンのために良いパフォーマンスをしなければという責任を感じました」
しかし、第5節のリコーブラックラムズ東京戦で負傷。復帰の舞台となるのが、今節の浦安DR戦である。
「またフィールドに出られるのが楽しみですし、相手が古巣のチームということで、とてもエキサイトしています。浦安DRの選手のことはよく知っており、少し個人的な感情が入るかもしれませんが、準備に関してはほかの試合と同じように臨みます。私個人にとっても良い挑戦になると思います」
今季は開幕からフランカーで出場してきたが、今節はナンバーエイト。「ワークレートの高さにはプライドを持っています。どのポジションでも、チームに貢献したいです」とポールは語る。そのひたむきさと高い意欲は、勝利以外の選択肢が介入する余地を残さない。
(藤本かずまさ)
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