2021年から始まり、今年で5回目となる早稲田大学スケート部フィギュア部門のエキシビションショー、WASEDA ON ICE(WOI)。個人演技はもちろん、他団体とのコラボナンバーや部員自身が振付を行ったグループナンバーなど魅力が満載。部員が一から作り上げたショーは、まさに部員一人ひとりが輝く場となった。
『Learning to Fly ~Dance for Me Wallis~』を演じた妻鹿
【早稲田スポーツ新聞会】
現役生演技前半の部、最後に登場したのは、妻鹿愛(政経3=大阪桐蔭)。上品な青緑色の衣装に身を包み、『Learning to Fly ~Dance for Me Wallis~』の音楽に合わせ、うちに秘めた情熱が燃えるような力強い演技を見せた。
グループナンバー Aladdin 現役生演技の間には、『アラジン』の楽曲を使用したグループナンバーが行われた。ジャスミン、アラジン、ジーニーの3役を中心に、ダブルキャストで物語が展開されていく。最初の曲は『Arabian Night』。ジャスミン役の穂積とアラジン役の山田で動きを揃え、アイスダンス選手さながらの意気のあった滑りを披露。続く『Friend Like Me』では、山田とジーニー役の廣田聖幸(スポ4=千葉・東邦大東邦)が自由自在に笑顔で氷上を駈ける。ここでキャスト交代。アラジン役の坂﨑はジャファーに追い詰められるも、ジーニー役のマッカートニーと力を合わせて打ち倒す場面を演じた。最後は『A Whole New World』が流れる中、ベリーダンスの衣装を着た女子部員らと共に踊り、ジャスミン役の笠井と手を取り合ってフィニッシュ。観客をアラジンの世界に引き込んだ。
引退生演技2人目は廣田。部員とハイタッチを交わした後、リラックスした表情でリンク中央へ向かった。プログラムは、自信も振り付けに関わった『ロケットマン+Bennie and the jets』。前半は『ロケットマン』の壮大な音楽に合わせた、ゆったりとしたイーグルや大きなジャンプを披露した。後半リズミカルな『Bennie and the jets』に曲が変わると、廣田もノリノリで演じていく。次々とポーズを変え、スピンやジャンプもスピードに乗ってこなす。指差しポーズをとるなど疾走感とエネルギーにあふれた楽しいプログラムで観客を熱狂させた。演技前後の挨拶も含め、終始楽し気な笑顔が印象的な演技だった。廣田は来年も現役を続行することを表明している。
『You Raise Me Up』を演じた中村
【早稲田スポーツ新聞会】
続いて出番を迎えたのは中村華(人4=群馬・高崎女)。年齢は一つ上だが、留学をしていたため、今年卒業を迎える。花の模様があしらわれた可愛らしい衣装で登場し、片腕を上げ見上げるような姿勢でスタートポジションにつく。今シーズン通して使用してきた『You Raise Me Up』の音楽がかかると静かに滑り出した。冒頭から3連続ジャンプを成功させるなど完成度の高い演技を披露。しっとりとした感動的な曲調を表現しながらも、場内の他己紹介で嶋田から「いつも魅力的な笑顔を絶やさない人」と紹介された通り、常にあたたかい笑顔を浮かべていた。演技後は丁寧に会場を見渡して挨拶をし、リンクから降りた。
フィナーレ WOI2025のラストを飾るのは『I Was Born To Love You』。まずは4年生が氷上にゆっくり姿を現し、続いてリンクに上がった現役生とともに滑り始める。その後はリンクの両サイドに分かれる体制をとった部員たちが、2人ずつ順番に中央に進み出て、スピンやジャンプなどそれぞれの得意技を披露する時間もあった。優しくも力強い音楽と、スケートを楽しむ部員たちの気持ちが伝わる明るい表情が印象的なナンバーだった。最後は4年生5人が真ん中で円を作り、その周りを現役生が囲む体制でフィニッシュ。4年生は片手を突き上げて外側を向いていたのに対し、現役生は内側を向き引退生の方に手を差し伸べるポーズをとっており、現役生から引退生へのリスペクトも込められているようだった。