PONOS NAKAJIMA RACING予選/決勝レースレポート【全日本スーパーフォーミュラ選手権 第1戦、第2戦】
チーム・協会
PONOS NAKAJIMA RACINGとして2年目のシーズン開幕。佐藤蓮がNAKAJIMA RACINGでの嬉しい初表彰台
表彰台に上がる佐藤蓮
【PONOS NAKAJIMA RACING】
2025シーズンの開幕戦は鈴鹿サーキットで土曜に第1戦、日曜に第2戦が行なわれる1大会2レース制で開催される。今シーズンはPONOS NAKAJIMA RACINGとして2シーズン目となり、ドライバーは64号車は3年目の勝負の年となる佐藤 蓮、65号車には昨年リザーブドライバーを務めていたイゴール・オオムラ・フラガを起用し1年を戦うことに。
開幕戦で表彰台の佐藤蓮、イゴールも初めての予選でQ1を突破
第1戦予選結果#64 佐藤蓮:6位 #65 イゴール:8位 第1戦決勝結果#64 佐藤蓮:3位 #65 イゴール:18位
#65 イゴール・オオムラ・フラガ
【PONOS NAKAJIMA RACING】
第1戦が行なわれた土曜日は曇り空で気温も8℃と低めで寒い1日となった。まずは9時50分から公式予選が行なわれる。Q1のAグループ出走のフラガは2番手タイム、Bグループ出走の佐藤は3番手タイムで2台揃ってQ1を突破する。Q2の10分間でも懸命にアタックを行ない、佐藤は6番手、フラガは初めてのSUPER FORMULAの予選で8番手となった
#64 佐藤蓮
【PONOS NAKAJIMA RACING】
第1戦の決勝レースは27周回で行なわれ、これまで同様に10周終了時以降にタイヤ交換の義務がある。スタート進行が進められていくなか、フラガがレコノサンスラップ中にコースアウトをしてしまいピットスタートに。そんななか、予定通りにスタート進行が終わり、14時45分に決勝レースはスタートを切る。開始早々にクラッシュ車両が発生したためセーフティカーが導入される。5周目にリスタートとなり、6番グリッドからスタートした佐藤はそのタイミングで前をパスし5番手に、ピットスタートのフラガは21番手から挽回していく。9周目にコース上でアクシデントが発生したため再びセーフティカーが導入される。そのままタイヤ交換が可能になる10周を迎えたことで、全車が一斉にピットイン。PONOS NAKAJIMA RACINGの2台も同時にピットインを行ない、佐藤、フラガの順で連続でタイヤ交換をしてコースに戻る。コースに戻ると、10周までに17番手までポジションを戻していたフラガは14番手に、佐藤は4番手に。13周目にリスタートとなり、佐藤は早いタイミングで前をパスし3番手に浮上し順調にレースを進めているところ、フラガは前を走るマシンのアクシデントに巻き込まれるかたちでフロントノーズを破損しピットへ。不運なアクシデントとなったが、フロントノーズを交換後、フラガは安定したペースで走り切り18位でチェッカーを受けた。3番手を守り切った佐藤は初戦で表彰台獲得となり、NAKAJIMA RACINGでの嬉しい初表彰台となった。
中嶋悟総監督
【PONOS NAKAJIMA RACING】
「まずは佐藤が表彰台獲得となり、我々としてはいいスタートを切ることができました。イゴールはいろいろなことが起こり痛い初戦となりましたが、明日はこの経験を踏まえ、気持ちを切り替えて頑張ってくれると思います」
「先月のテストではなかなか走りこむことができなかった中、今週末はフリー走行から非常にいい流れで予選、決勝と進められたと思っています。決勝では佐藤選手が、NAKAJIMARA RACINGに来て初めての表彰台を獲得しました。正直なことを言えば、前にいる2チームに比べると負けている部分はありますが、運も含めて佐藤選手がしっかりと結果に結び付けてくれたので、64号車としてのスタートは非常に良かったと思います。一方イゴール選手は、初めての予選でしっかりとQ1を突破し、8番手というグリッドを獲得しました。決勝に関しては残念でしたが、この先が非常に楽しみになるような内容でしたし、幸い、取り返すチャンスが明日あるので、そこに期待したいと思います。僕の立場での目標は、チームランキングを上げることです。昨年チームランキングが5位になったことで、ピットの位置など、いろいろなことがやりやすくなりました。やはりチームの価値を上げていくには2台揃って結果を出すことが一番だと考えているので、それを目指して今シーズンも頑張っていきたいと思います」
「NAKAJIMA RACINGに移籍させてもらってから2年間表彰台にあがることができなかったので、3年目の開幕戦で獲得できて、まずはホッとしました。これからチャンピオン争いに名乗りを上げて、シーズンを通して勢いに乗れるとも思えましたし、非常にポジティブです。予選に関しては、前日とコンディションが変わってしまい、我々としては少し難しい状況になってしまいました。アタック的には満足いくものでしたが、少しトラブルもあって6位という結果でした。決勝は何とか追い上げたいと思いながら、セーフティカーのタイミングも幸運もあってポジションを上げることができ、自力でも2台抜いて表彰台に上がれたので、今日の結果には満足しています。後ろの車両に対してはマージンを築いていけましたが、トップ2にはわずかに劣っている状況なので、そこに関して分析していって、明日は決勝で一番速いポテンシャルを引き出せるように準備したいですね」
「レコノサンスラップ中は、本番に向けていろいろと探りながら走っていたのですが、行き過ぎてしまってブレーキをロックさせてしまい、そのままヘアピンコーナーでスタックしてしまいました。マシンに大きなダメージがなかったことは幸いでした。決勝レースはずっと後方の集団で走っていたので、自分のペースが分かりづらい状況で、クリアスペースで走ったときのパフォーマンスがよく掴めなかったのは残念です。バトルはできたので、そのあたりは明日にも活かせたらいいなと思っています。オーバーテイクシステムも初めて使いましたし、今日1レースを終えたことでいろいろなことをつかめたので、いいことも悪いことも、次のレースに向けてすべて改善できるように頑張ります。明日はトップ10フィニッシュでポイントを持ち帰ることが第一の目標です。予選のパフォーマンスからすれば現実的な目標だと思うので、あとはレースの中で起きるたくさんの要素をこなして、その目標をクリアできるように頑張ります」
第2戦目で揃ってポイント獲得。イゴールは前日の鬱憤を晴らす走りで5位、佐藤は6位でフィニッシュ
#65 イゴール・オオムラ・フラガ
【PONOS NAKAJIMA RACING】
第2戦予選結果 #64 佐藤蓮:6位 #65:14位 第2戦決勝結果 #64 佐藤蓮:6位 #65:5位
第2戦が行なわれる日曜は、青空に恵まれ気温は15℃まで上がったものの風は冷たく昨日に続き寒い1日となった。公式予選Q1のAグループでアタックを行なったフラガは7番手で惜しくもノックアウトされたが、佐藤は2番手タイムでQ2へ進出を決める。そのQ2ではQ1のタイムを更新したがポジションは6番手となった。
#64 佐藤蓮
【PONOS NAKAJIMA RACING】
決勝レースは第1戦より少し長い31周回で争われ、ピットインを行なう周回数の制限はない。6番グリッドからスタートを切った佐藤はオープニングラップで1つポジションを下げるが、すぐにピットインを行なう車両があり少しずつポジションを上げ、5周目には3番手に。一方の14番グリッドからスタートしたイゴールは、10番手までポジションを上げ、2周目にピットインしてタイヤ交換を行なう。18番手となるが、10周を終える頃には16番手を走行。2台とも懸命に前を追いかけて周回を続けていく。佐藤は最後のタイミングとなる21周目にピットインしたが、タイヤ交換が手間取ったことでポジションを落とすことに。残り8周となったタイミングで、佐藤は9番手、イゴール6番手といずれも速いペースでポイント圏内を走行。25周目には佐藤は2つポジションを戻し7番手、その数周後にクラッシュ車両が発生しセーフティカーが導入される。そのままチェッカーとなり、上位のマシンに5秒ペナルティが課されていたため、イゴールは5位、佐藤は6位フィニッシュとなり、開幕2戦目で、揃ってポイント獲得となった。
「イゴールは昨日の鬱憤を晴らす走りでいいレースをしてくれました。佐藤にはピット作業のミスでかわいそうなことをしてしまいました。速さがあっただけに勿体なかったです。そんななか何とか2台ともポイントを獲得できましたので、次に繋げられるよう頑張って準備していきます。たくさんのご声援をありがとうございました」
【PONOS NAKAJIMA RACING】
「佐藤選手は非常にペースが良く、表彰台を狙えるだけのスピードもあったので、ピット作業でミスをしてしまったのは申し訳なかったです。最後まで諦めず、彼のパフォーマンスとクルマのスピードは十分に見せてくれただけに、僕らが足を引っ張ってしまったのが本当に申し訳ないです。イゴール選手は大きなポジションアップを狙って、新しいレースフォーマットでおそらく一番難しい作戦を選んだのですが、それを完ぺきにこなして5位に入賞しました。昨日は新人らしいミスもありましたが、取り返してくれたと思います。この週末、なにより2台がすごくいいレースペースで走ったということが大きな収穫です。昨年まではどうしてもどちらか1台があまり良くないというレースが続いていたので、そういう意味ではチームの頑張りも形になり、次戦に向けても非常に期待感が高まっています。この調子で、チームランキングを上げて終えられる1年にしたいです」
「予選に関しては、Q1からQ2に向けてきちんとステップを踏んでいい方向に合わせることができました。少しドライビングのミスもあったので、4番手ぐらいには行けたかもしれないです。決勝はステイアウトの戦略をとりました。非常にクルマのペースも良く、表彰台に手が届きそうな感触があったのですが、ピットでミスがあって後方に沈んでしまいました。最後に抜けそうなところもあったのですが、結局セーフティカーでレースが終わってしまい、今日は風が吹かなかったというところです。切り替えて、失敗の原因もしっかり分析して次に挑みたいと思います」
「Q2進出というのが予選での最低ラインと考えていましたが、僕のグループは非常に僅差で厳しい戦いでした。ウォームアップが思ったようにいかなかったところがQ2に進めなかった要因でとても悔しかったです。決勝は、レースのすべての要素がうまくかみ合ったと思っています。スタート、作戦、ピット作業、アウトラップ、レースペース、クルマのセットアップ、すべてがいい状態にまとめられたレースでした。このいい体制を提供してくれたチームに感謝しています。本当にいろいろな経験ができた週末だったと思います。今シーズン、基本的にはポイント圏内のところでバトルしていきたいと思っていますが、スーパーフォーミュラでの実走経験は鈴鹿しかありません。ここから先はスーパーフォーミュラで走ったことがないサーキットに行くことになるので、2回のフリープラクティスでどれだけ自分のレベルを上げられるかというところが重要になってきます。挑戦はまだまだこれからです。頑張ります」
※次戦は4月19日・20日にモビリティリゾートもてぎで開催されます。