小回りコースで差しが得意な騎手が中心も、穴馬激走に期待したい佐賀ファイナル/佐賀競馬・大恵総合研究所佐賀支部
今夜も20時40分までアツいレースが繰り広げられています。
その佐賀最終レースに特化したデータ分析を行うのが競馬リポーターの大恵陽子氏。
JRAと地方競馬の二刀流の彼女が、今夜も独自の視点から最終レース的中を目指します。
レディスジョッキーズシリーズ開催で彩られた昨日
競馬リポーターの大恵陽子です。
昨日はレディスジョッキーズシリーズ(LJS)取材のため佐賀競馬場へ行ってきました。
この日は国連が定めた国際女性デー。
女性の社会的、経済的、文化的、政治的な成果を称える日とされ、シンボルカラーが黄色です。
そこで、LJS騎手紹介式の後には女性騎手に加えて、佐賀競馬場の運営に携わる女性や、地方競馬を盛り上げる女性が黄色い花を手に集まって記念撮影を行いました。
私もこれを撮影するつもりだったのですが、その直前、まさに1分前に「競馬を取材・撮影している女性」としてお声がけいただき、その輪に入らせていただきました。
先々週まで取材のため滞在していたサウジアラビアでは「女性を守る」という考えの元、つい最近まで女性に様々な制約があったといいます。
車の運転もその一つで、2018年まで女性は運転が認められていませんでした。
しかしその後、女性の社会進出は進んでいっているようで、サウジカップの記者室には民族衣装の黒いアバヤに身を包んだ女性の姿もあり、私が見た女性は競馬場でもショッピングモールでも、みなさん生き生きとしていました。
競馬界は絶対数としてはまだまだ男性の方が多いですが、今日、JRA初の女性調教師である前川恭子調教師は管理馬の初出走を迎えます。
性別に捉われず、各々が望む道を歩めるようになるといいですね。
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3連複万馬券となった昨夜と同じ条件です。
特別な条件がつかないため、最終レース以外に組まれるC2クラスのレースと基本的には変わらないのですが、念のため今夜と同条件の傾向を見てみましょう。
昨日のコラムでも出した表のため、好走率などは大きくは変わっていませんが、昨夜の最終レースで1番人気が勝ち、逃げ馬が4着だったことで、数値に僅かな変化が出ています。
「C2全体でのデータに比べて、最終レースでは逃げの好走率が高くなっている」と昨日のコラムで記したのですが、半馬身差で4着。
あと少しだったので惜しいですが、4コーナーで後続に飲み込まれかけたことを思えば、よく粘った方でしょう。
まさかの「差し」が最多勝のジョッキー
今夜の最終レースで人気の一角となりそうなのは⑤フェアリーパインです。
ここ2走は中団からしっかり脚を伸ばして3着、2着。
確実な末脚は持っているのですが、あと1~2馬身届かず、という惜しいレースが続いていて、ここは中心になるでしょう。
鞍上の川島拓騎手には興味深いデータがあります。
下表は昨年の同騎手の脚質別成績(佐賀ダート1400m)なのですが、最も勝利を挙げるのが「差し」なのです。
基本的にどの騎手も逃げや先行での勝利が最も多くなる傾向にあります。
それは人気馬に乗る機会の多いリーディング上位騎手だけでなく、どの騎手もで、川島騎手と昨年の勝利数や勝率が近い騎手もそうでした。
しかしながら、川島騎手に限っては「差し」が全脚質の中で最多勝。
この戦法が得意なのかもしれません。
差すなら内枠よりは真ん中!?
下表は昨年の佐賀ダート1400mで差しに限定した馬番別成績。
ガタつきはあるものの、4番~9番あたりの真ん中の枠が比較的好成績の傾向が見られます。
なお、11番枠と12番枠から差しに構えたレースはそれぞれ6レースと2レースと非常にサンプルが少ないため、参考外でいいでしょう。
変わり身を期待したい穴馬
JRA時代には未勝利で3着があり、金沢に在籍していた昨春はB2で2着の実績があります。
佐賀に移籍しての2走は直線で伸びてはいるものの、それまでの位置取りが後ろだったため着順も振るわず7着、10着でした。
しかし、移籍初戦はハミにモタれるような走りで序盤に徐々に置かれたものの、スタートは良かったです。
また、前走は大外枠ということで、ずっと外々を回らされる展開。
今回は真ん中の枠に入ったこと、また移籍3戦目でレースぶりが良化しないかな、と淡い期待を寄せています。
加えて、好走するのは秋~春先に集中しています。
佐賀競馬公式HPに掲載の無料ネット新聞「うまかつ.net」ではそれが分かりやすいデータとしてまとめられていて、出馬表の右端の欄がそう。
4段に分けて(1着、2着、3着、4着以下)が記されており、上から順に「1~3月」「4~6月」「7~9月」「10~12月」となっています。
その部分のみ抜粋したのが下表。
昨日の佐賀競馬場はやや暖かく、花粉が飛びはじめていましたが、まだギリギリ同馬が得意な季節であることを願います。
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では、気になる予想と買い目は?
ここ2走でしっかりと末脚を使えていて、走破タイムもいいもの。中心の1頭でしょう。
もう1頭、人気の一角となりそうなのは⑨ボンウィークエンド。
同じ佐賀競馬場内で転厩しての初戦となりますが、「うまかつ.net」では今村トラックマン、永瀬トラックマンがともに「順調に乗り込まれている」との評価で、調教欄も「動き良好」と記されています。
3走前に同クラスを勝って相手関係が強化された後も4着、4着と上位争いを演じる同馬。
前走は好ダッシュから逃げたものの、途中から1番人気馬に外から前に出られ、キツい展開だったことを考えると、ここはさらなる前進が見込めそうです。
⑩アメリカンマッハはしまいの脚がある一方で、位置取りが後ろすぎて着順を上げられていない印象。
今回は内外にスピードのある馬が入ったので、それらを行かせた後に少しでも前の位置が取れれば面白みが出てこないかな、というところ。
さらに逃げの好走率が高いことから①ベラジオマナミ、オッズ妙味も期待して⑥センチュリヒーローまで。
買い目はこちら。
3連複軸2頭⑤⑨-①⑥⑩ 3通り
複勝⑥センチュリヒーロー
なお、⑦メイショウイナセに騎乗予定の飛田愛斗騎手は昨日の佐賀7レースで発走直後に馬が躓いて落馬。
「脳震盪・右肩打撲・右鎖骨骨折の疑い」と発表されています。
このコラムを書いている時点ではまだ騎乗変更などは発表されていませんが、今後の主催者発表などにお気を付けください。
※追記(騎手変更)※
⑦メイショウイナセ
飛田愛斗騎手 56kg → ▲合林海斗騎手 53kg
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文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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