「みんなを同じ船に乗せることがうまい」。楽しくラグビーを続ける“バンバン”とSA広島
開始早々に先制のトライを許しても、動じることなくすぐにトライを決めて逆転に成功。その後もお互いに気持ちのこもった攻防が続く中、SA広島は強みのセットピースでイニシアチブを握ってリードを広げていき、後半に入ると交替選手が一つ二つとギアを上げて狭山RGを突き放した。
リーグ戦の折り返し地点で行われたディビジョン3の首位攻防戦でSA広島はチーム力を存分に発揮して勝ち点5を獲得し、試合後はロッカールームで喜びを爆発させた。プレシーズンに全員で作った“勝利の歌”を歌ってから記者会見に現れた芦田朋輝キャプテンは、少し照れながら笑みを広げた。
「勝ったあとにみんなで歌を歌うと、次の試合も頑張ろうという雰囲気になる。今日のロッカールームもすごくいい雰囲気でした」
チームの一体感は、シーズンが進むごとに高まっている。それは今季から就任したダミアン・カラウナ ヘッドコーチが重要視していることでもあり、ベテランの李修平が「バンバン(ダミアン・カラウナヘッドコーチの愛称)はみんなを同じ船に乗せるのがすごくうまい」と称えるほどで、選手たち一人ひとりがイキイキとした表情でラグビーを楽しんでいる。
チーム強化ディレクターを担う福冨文明は、シーズン前半戦の収穫をこう語っていた。
「芯を強くもってチームとして成長していけるように、ニュージーランド出身のバンバンからニュージーランドのラグビーの文化も含めていろいろなものを吸収したかった。ラグビーをやることの価値を本場の指導者から学びたいと思って来てもらいましたが、バンバンは素晴らしい仕事をしてくれている。
ここまで成績にも満足していますが、“勝った、負けた”よりも選手たちがすごく楽しそうにしているところが一番良かったと思います。ここ2、3年はしんどかった。その時期を頑張ってくれたスタッフにも感謝していますし、バンバンと巡り会えたことにも感謝しています」
後半戦もSA広島は一体感をもって目の前の試合に向き合っていく。「最近よく話していることは、すべての行動に目的を持つことです。私たちはまだまだ学ばないといけないことがいっぱいある」と話すカラウナ ヘッドコーチの下、SA広島はみんなでラグビーを楽しみながら成長を続けていく。
(寺田弘幸)
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