得点ランク1位に立つチームリーダーが尊敬の念を抱く“社員選手”の存在
今節のチームのテーマは「犠牲」。その意図を徳野洋一ヘッドコーチは「自分たちが積み上げてきたものを発揮するためには、自己犠牲のマインドが必要だから」と説明する。加えて、「自分たちがラグビーをできているのも、誰かの犠牲があってのこと。それをいま一度見つめ直すきっかけになればとも思って」設定したテーマだという。
現在ディビジョン2の得点ランクトップで、トライ数も最多タイの5トライを挙げているフレディー・バーンズには、尊敬の念を抱く存在がいる。それは働きながらS愛知でプレーする社員選手たち。「犠牲という意味では、社員選手はトレーニングのあとに会社へ行きます。自分はプロとして、毎試合全力を出すことで犠牲を払っていますが、彼らはそれをしながら働いているわけですから、尊敬しかありません」。
「自分には絶対できない(笑)」と即答するほどリスペクトしている仲間。「ハードワークすることは、日本の文化でもあると思います。ラグビーでは練習や試合で高いパフォーマンスを求められる。仕事でも真面目に働く。個人的にはもっと恩恵を受けるべきだと思います」。今年で35歳を迎え、イングランド代表やスーパーラグビーなどで研鑽を積んだベテランの言葉の一つひとつには、重みがある。
バーンズのSNSなどをのぞくと、ラグビー界のことを思い、彼にしか紡ぎ出せない言葉で発信をしている。「次の世代にインスパイアを与えたいという思いと、スポーツ選手である前に一人の人間ですので、楽しみながら過ごしたいという思いでやっています。酔った勢いで投稿することもありますけどね(笑)」。
「私がトップスコアラーになってチームが下位に沈むよりも、私が得点できなくてもチームが昇格したほうがずっと良いですから」
S愛知の頼れるリーダーの姿から、ますます目が離せない。
(齋藤弦)
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