ブレない男の頼もしき不動心。「『あの経験があったからこそ』と言える年になる」

浦安D-Rocks 金正奎選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

もがきながらもディビジョン1での前半戦を確かな手ごたえとともに終えた浦安D-Rocks(以下、浦安DR)は今節、一つ上の順位につけるトヨタヴェルブリッツとJヴィレッジスタジアムで対戦する。

前節・東京サントリーサンゴリアス戦で金正奎がピッチに立った。昨季のD2第4節・豊田自動織機シャトルズ愛知戦で顔面を骨折する大けがを負い、さらに今季はノンメンバーの時間が続いたが、開幕からちょうど2カ月のタイミングで今季初出場を果たした。

彼のことをチームメートやスタッフは「ブレない人」と言う。その秘訣、原動力を本人に問うと「ひと言で表すのはすごく難しい」と前置きしながらも丁寧に教えてくれた。

「食事、睡眠、ラグビー以外の運動、人との接し方など、すべての部分で“良い習慣作り”を日々意識しています」

そうするようになるきっかけは何だったのか、そうすることで何がどう変わったのか。今年で34歳を迎えるベテランは、自らに言い聞かせるように続ける。

「1年ちょっと前から一度全部見直して、やれることは本当に全部やろうと。ちょうど顔をけがしたタイミングです。そのときに『もっとやれることがあるんじゃないか』と自分を見つめ直す時間も多くなり、いまに至ったと思います。それまではいろいろな外的要因に左右されていたけど、いまはブレることなく、自分と向き合えています」

浦安DR創設時からのメンバーの一人であり、経験豊富な金正奎はチームに対しても冷静な目線を注ぐ。「いまは苦しいことがほとんどで、てっぺんがどこにあるのかも見えないような状態だと思うけど、それでもみんなでひたすらに歯を食いしばって前に進むことを続けないといけない」。それはその先にこそ“未来”が待っていると知っているからだ。

「(前身の)シャイニングアークス(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)の歴史を遡っても、2部リーグから上がって、入替戦を3年くらい経験してからやっとベスト8やトップ5に入った歴史があります。やっぱり最初は苦労する。このチームは2年間2部リーグで戦い、1部は初めてのシーズンと歴史はまだ浅いからこそ、この経験は本当に必要。この経験が次の年、また次の年、そして中長期的な目で見ても『あの経験があったから』と言える年になると思っています」

残りのシーズンも苦しい場面、困難な状況はあるだろう。ただ、浦安DRには“ブレない男”がいる。「僕は何も変わらないです。心も体もいつでも準備はできています」。不変の金正奎がチームを押し上げる。

(須賀大輔)
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