【リーグステージ最終戦!!】川崎公式なのにどこよりも詳しい(!?)セントラルコースト・マリナーズプレビュー

川崎フロンターレ
チーム・協会

【(c)AFC】

今シーズンから大会フォーマットが大きくリニューアルされた「AFCチャンピオンズリーグエリート」。2月18日(火)に等々力陸上競技場で行われるリーグステージ最終戦は、オーストラリアのセントラルコースト・マリナーズとの対戦。前節の勝利で4位以内でのリーグステージ突破を決めたフロンターレだが、2週間後に迫るラウンド16に向けて弾みをつける試合にしたい。実に16年ぶりの対戦となるセントラルコースト・マリナーズについてプレビューする。

2004年創設の比較的新しいクラブ

Aリーグの強豪クラブであるセントラルコースト・マリナーズはシドニーと同じ、オーストラリア東南部のニューサウスウェールズ州に属するゴスフォードという街をホームにしており、創設年は2004年と比較的新しい。それでも、ここまで3度のAリーグ・ファイナルシリーズ優勝を果たしており、昨シーズンはレギュラーシーズンで首位、ファイナルシリーズも優勝という、オーストラリア最強の称号にふさわしい強さだった。

しかしながら、マーク・ジャクソン監督が率いるチームは後半戦に差し掛かっている2024/25シーズンで中位に苦しんでいる。ACLエリートも、第4節に上海申花と2-2で引き分けたのが唯一の勝点で、リーグステージでの敗退が確定している。昨年末、横浜F・マリノスにはホームで0-4の大敗を喫した。最大の要因と見られるのが、オーストラリア代表で長く主力を務めた、ディフェンスリーダーであるトレント セインズベリーの長期離脱だ。

そのセインズベリーは胸部のケガから復帰し、12月23日の試合から復帰、12月28日以降は元気にスタメンで出ており、キャプテンマークも任されている。守備統率のところは横浜FM戦での印象と大きく変わるかもしれない。4-4-2の3ラインをベースとするディフェンスを相手に、川崎フロンターレのクオリティがあればライン間をうまく使って相手のDFラインを下げさせながら、高い位置に起点を作って攻撃することが可能なはずだが、セインズベリーが中央を閉めており、最後のところはそう簡単には開かないだろう。そこをどう崩すかは試合の注目点だ。

要注意は背番号10のブラジル人FW

第6節の横浜FM戦以外はホームでもアウェイでも得点を奪えているのは、川﨑フロンターレとしても注意したい。2-3で敗れた第5節のヴィッセル神戸戦を参考にすると、1点目は結果オウンゴールだったが、10番を背負うブラジル人FWのミカエル ドカが中央から右サイドに展開し、右サイドバックのストーム ルーが浮き球で折り返したボールを相手ディフェンスがうまくクリアしきれず、ゴールに吸い込まれるという形だった。

一度は2-2の同点に追いつくことになった2点目はボランチのアルフィー マッカモルントが縦パスをミカエル ドカに通し、相手マークを引き付けながら途中出場のFWベイリーへ。最後はブラントマンにラストパスが渡り、ボックス内の左側から決めるという形だった。オーストラリアのチームというと、ここ最近は丁寧にグラウンダーのパスをつないで攻めるイメージが強い。マリナーズもその例に漏れないが、フィニッシュのパターンとして一番多いのはサイドからのクロス。4-4-2の右サイドハーフを担うミカエル ドカはかなり中央に流れて、バイタルエリアでチャンスに絡んでくる。

先月25歳の誕生日を迎えたミカエル ドカは、ここまでリーグステージ全7試合に先発出場。 【(c)AFC】

ミカエル ドカはセットプレーのキッカーとしても優れており、ペナルティエリア手前の位置からであれば、右足で直接決めてくるだけの力がある。また全体的にサイズの大きい選手が多い。オーストラリアのチームが相手に試合をする際は当たり前のことではあるが、あまりCKやワイドな位置でのFKのチャンスも与えたくない。

サイドアタッカーの組み合わせにも注目

ここ最近のリーグ戦ではミカエル ドカが2トップに入るケースもあり、その場合は左利きのサイドアタッカーであるクリスティアン テオハロウスが右サイドハーフに入ると見られる。そうなれば警戒するべきポイントが変わってくるかもしれない。左サイドはブラジル人のテクニシャンであるヴィトール フェイジョンが主力だが、今年1月に加入した19歳のアブドゥル ファイザルというヤングアタッカーが台頭してきており、Aリーグでの活躍が目立っている。背番号21を付ける選手だが、スタメンにしてもジョーカーにしても、注意しておくべき選手の一人だ。

背番号11のヴィトール フェイジョン。前節こそ出場なしに終わったが、ここまでリーグステージ6試合に出場している。 【(c)AFC】

神戸戦のゴールシーンで右サイドバックのルーには触れたが、左サイドバックのネイサン ポールも警戒しておきたい選手だ。左利きで185cmのサイズを誇る。センターバックもこなせる守備力の持ち主でありながら、豪快な攻め上がりでアタッキングサードに絡んでくる。オーストラリアU-23代表の経歴を持つまだ21歳の若手選手で、順調にキャリアを重ねることができれば、A代表はもちろん、欧州主要リーグで活躍する選手になってもおかしくない。上記のアブドゥル ファイザルとともに、ぜひともチェックしてもらいたい。

川崎フロンターレにとってはJリーグが開幕した直後に連戦が入る難しい時期の試合。長谷部茂利監督が攻撃面で川崎フロンターレらしさをしっかりと残しながら、いかに強固な守備を融合していけるかが、タイトル獲得のテーマになると見られる。マリナーズのビルドアップにいかにプレッシャーをかけて、自分たちの攻撃時間を増やしていけるか。そこからの崩しも大事だが、もう一つは攻守の切り替わりからのチャンスを逃さないこと。ここは長谷部監督としても伸ばしたいポイントだろう。マリナーズを相手にショートカウンターなど、トランジションを利用した攻撃がどこまで繰り出せるか。

(文:エル・ゴラッソ)
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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