「流れが変わるようなプレーを」。ゲームキャプテンを託された男が決意を示す
土井が言う。「普段どおりにやるだけです。どの試合でも相手にやられて雰囲気が沈んでいるときは、自分や沢村(舜)が一番後ろからガッと言います。それを変わらずにやるということ。その上で、いつもどおりチームの流れが変わるようなプレーを心がけたい」
前節の狭山セコムラガッツ戦でも、前半の劣勢の時間帯にフルバックの土井が相手のキックをキャッチしたところからカウンターをしかけてラインを切り裂いたシーンがあった。言葉のみならず、ダイナミックなプレーで示す。フルバックの自分が躍動する瞬間を作ることができれば、個人もチームも乗っていける。それが土井の信条だ。
立正大学時代はキャプテンを務め、当時はスクラムハーフとして自由にチームを動かしたが、L戸田に加入してからは壁にぶち当たり、落ち込む日もあった。ただ、高いレベルでラグビーを極めようと親に無理を言って上京させてもらった手前、簡単に投げ出すわけにはいかないとの思いが自身を支えた。いまでも不遇に遭う若手選手を見れば、かつての自分を見るようでひと声掛けたくなる。
「逃げることはしたくないです」。どれだけ劣勢だとしても、逆転する芽はあると土井は考えてきた。自身がL戸田でフルバックとして活路を見出し、主軸に定着できたように。どれだけ苦しい試合でも流れを変えるワンプレーによって勝利をつかめるように。
ルリーロ福岡戦を前に、土井はゲームキャプテンとして「これまで積み上げてきたものを信じてやり続けよう」と仲間を鼓舞し、団結を促そうと心に決めている。「いまは負けてはいるけれど、良いところもいっぱいある。ひたむきに体を張れているし、アタックも昨年の春から取り組んできたことがだんだん形になってきている。それを80分間、いい状態でやり続ければ、僕はここから勝手に連勝がついてくると思っています」
土井が前向きなオーラでチームをけん引する。流れを変えるべく、フルバックとして起死回生となる活躍を誓う。
(鈴木康浩)
※リンク先は外部サイトの場合があります
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ