加入後、初めて9番を背負うベテラン。その心を揺さぶった同じ境遇の仲間からの言葉
今節は4位の静岡ブルーレヴズを岐阜メモリアルセンター長良川競技場に迎えるホストゲーム。すぐにでも流れを好転させたいところで、スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ/ディレクター・オブ・ラグビーは大幅に先発メンバーを入れ替えた。
「(主力の)けがも大きな理由ですが、彼らがディビジョン1のレベルでプレーできる準備が整っているというのも理由です。グラウンドに出ている時間帯で最大限の能力を発揮してほしいと思っています」と、世界的な名将は期待を寄せる。
その中でぜひ注目してほしいのは、ベテランスクラムハーフの梁正秋である。神戸製鋼コベルコスティーラーズ(現・コベルコ神戸スティーラーズ)からトヨタVに加入したのが2021年。チームにはアーロン・スミスや茂野海人など各国代表クラスのスクラムハーフがそろう中で、これまで4年間は出場機会が多くなかったが、今回初めてトヨタVの「9」番を背負ってプレーをする。
「いつもどおり淡々と準備をして頑張ってきたら、先発の機会がやってきたって感じです。ナギ(アーロン・スミスの愛称)や海人さんがいる中で、自分を選んでくれて感じるのは、チームのために責任とプライドを持って自分の役割をやり切ろうということ。それだけをいま感じています」Bチームと呼ばれる控え組が行っている「MIRAI MATCH」では、キャプテンマークを巻いてチームを引っ張ってきた梁。チームメートがトライを挙げれば満面の笑みで駆け寄って祝福し、難しいメンタルにある若い選手たちを鼓舞してAチームに押し上げてきた。
考えているのは常にチームのこと、自分がチームのために何ができるのか、である。「先発と聞いてうれしかったというよりも、同じBチームのメンバーが『おめでとう』ってすごく喜んでくれて、そっちのほうがうれしかったですね。トヨタVに来てからずっとBチームですけど、苦しいというよりも本当に楽しみながら若い選手と一緒にラグビーをしてきたので、『次はお前たちの番だぞ』っていうのを示したいなと思っています」
(斎藤孝一)
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