「負けるマインドはまったくなかった」。引き分けに持ち込んだ“確信”の同点トライ
【ジャパンラグビー リーグワン】
勝負のポイントは、サイドでの攻防だった。埼玉WKのウイングは長田智希と竹山晃暉、BL東京のウイングは森勇登とジョネ・ナイカブラ。フィールド中央でフォワード陣が激しくぶつかると、両軍がダイナミックにサイドへ展開。ライン際でのスピードとパワーを駆使したバトルがゲームに大きな影響を与えた。
埼玉WKの快速ウイング・竹山は「ゲーム分析の段階で、BL東京さんがワイドにボールを動かすのが分かっていたので、攻守両面でキーになるのは確実に僕だと思っていました。まずは目の前の相手に対して貪欲にドミナント・タックルすることを目指して、そこから攻撃につなげたいと思った」と振り返る。
埼玉WKは前半34分に司令塔の山沢京平が負傷交代するアクシデント。16対7で前半を折り返したものの、後半はBL東京が激しく巻き返して一進一退の攻防となった。
手に汗握る首位対決は、後半27分に森、後半30分にナイカブラのウイング陣が豪快にトライを決めて(ともにコンバージョンも成功)BL東京が28対23として逆転に成功。BL東京がサイドの覇権を握ったことによって生まれたトライだった。6連勝中の埼玉WKに“土”がついてもおかしくない状況だったが、ブルーのジャージーをまとった荒武者たちは屈しない。
後半35分、5mスクラムの流れからヴィンス・アソが大外へロングパス。走り込んだ竹山が両手を目一杯に伸ばしてキャッチすると、そのままタッチライン際にグラウンディングして同点トライ。昨季のプレーオフトーナメント決勝と同じカードとなった今節の首位決戦は、28対28でノーサイドとなった。
2トライの竹山は「どんな展開になっても負けるマインドはまったくなかった。最後のトライは、必ず外へ来ると確信して準備をしていた。自分たちのラグビーを信じた結果が同点につながったと思う。今日の試合は“終点”ではなく成長の“過程”。引き分けをただ受け止めるのではなく、なぜドローだったのか、どうしたら勝てたのかを追求していく必要がある」と語った。
サイドの攻防戦は痛み分け。一昨季から続く埼玉WKのリーグ戦連勝記録は23で“小休止”となったが、野武士たちの王座奪還への進化は続いていく。
(伊藤寿学)
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