ミスを引きずらないメンタリティーが生んだ逆転劇と40分間の“独壇場”
後半だけで計19得点。殊勲のハラトア・ヴァイレアにとっては、起伏に富んだ40分だったに違いない。
後半3分、反撃の狼煙をあげるチーム初トライを奪ったヴァイレアは、後半10分のワンプレーで目の前が真っ白になったような気がした。チームメートにつなごうとしたパスを普久原琉にインターセプトされると、そのまま普久原が“独走トライ”。相手のスコアに直結する致命的なミスを冒したヴァイレアは「やってしまった…」と天を仰いだが、すぐに「ミスをトライで取り返そう」と気持ちを切り替えた。
フィジカルの強さを全面に押し出し、相手をパワーで押し切る。ストロングポイントを発揮することに集中したヴァイレアは“ゾーン”に入っていた。
“挽回の初手”は後半20分。ファフ・デクラークのディフェンスをかわし、自身2つ目のトライを奪うと、後半25分にも3度目のトライでハットトリックを達成した。
直後のコンバージョンゴールをS東京ベイが決めれば、スコアは23対22にひっくり返る−−。ニッパツ三ツ沢球技場が緊張感に包まれる中、押川敦治からキッカーのバトンを託された背番号14は実に落ち着いていた。「ずっと練習してきた」成果をコンバージョンゴールの成功につなげたヴァイレアは、勝負を決定づけるチーム4つ目のトライ後のコンバージョンゴールも見事に決めた。「今日は彼の日だったのか、しっかりと決めてくれた」。フラン・ルディケ ヘッドコーチはそう言って“孝行息子”を労った。
S東京ベイ加入後、初のハットトリック達成にコンバージョンゴールも“二発二中”。ビジターチームの逆転劇に沸いた後半の40分間は、ヴァイレアの“独壇場”だった。
(郡司聡)
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