トンネルを抜け出すための“もうちょっと”。一人ひとりの奮起が転換点を手繰り寄せる

【©ジャパンラグビーリーグワン】

今季2勝目を目指し、1カ月ぶりのホストゲームに臨んだリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)。リアム・ギル、池田悠希のトライなどで一時9点のリードを奪ったものの、ペナルティがかさみ、また静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)の安定したセットピースには陣地を下げられ、最終スコアは24対32。勝ち点1を獲得できる7点差以内の敗戦まで、わずか1点届かない悔しい敗戦となった。

先発したネタニ・ヴァカヤリアの出血・HIAチェックのため、まずは前半に17分間の一時交替。そして後半30分に正式交替と、この試合で合わせて27分間の出場時間を得たのはルーキー・伊藤耕太郎。

「コリジョンとハードワーク」を自身の課題に掲げて臨んだ一戦で、「これまでの6試合とは違う形でのパフォーマンスを出せた」と自信を手にした。

そう、この日はボールを持てば、蹴らずに自ら当たりにいった。そして数mゲインし、ボールを仲間に託すことを繰り返す。

意識がプレーに表れた局面が、この日は何度も見受けられた。

「僕のディフェンスの詰めが良くなかったところも、チームとしてやってきたことができなかったところもありました。そこはしっかりと修正したいです。ただ自分自身のフィジカル面、ハードワーク面はこれまでの試合よりも意識してプレーできたと思います」

静岡BRのスクラムハーフが、國學院栃木高校時代にハーフ団を組んでいた北村瞬太郎だったことも大きかった。

小学生のころに通っていたラグビー教室で出会い、10年以上の付き合いを有する良き仲間だからこそ「誰よりも負けたくないという気持ちになった」と奮起もした。

チームとして結果が伴わず、長く暗いトンネルを通過中のBR東京。一人ひとりの『ちょっとずつ』を積み重ねながら、転換点を手繰り寄せるしかない。

伊藤は「もっとインパクトを見せなきゃいけない。まずはプレータイムをもらうところから、一歩ずつ始まっていく」と気を引き締めた。

伊藤には、目標とする選手がいる。世界最高峰のラグビープレーヤーであり、自身と似通った背格好のリッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)だ。

2週間後にはBL東京との対戦が待ち受けるが「そのときに10番をつかみ取ることが一つの目標」と語り、さらなる成長を誓った。

(原田友莉子)
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