ポスト・甲斐拓也の争いを勝ち抜くのは誰か。一軍キャンプに帯同した4名の捕手
甲斐拓也の移籍によって生じたチャンスを生かすのはどの選手か
今回は、2025年における福岡ソフトバンクの春季キャンプが開始した時点で、一軍に相当するA組に帯同した捕手たちについて紹介。昨季は第二捕手を務めた実力者から、育成契約ながら抜擢を受けた大器まで、さまざまな立場から飛躍を期す4選手の、新シーズンにおける台頭に期待を寄せたい。
海野隆司
プロ3年目の2022年は二軍での14試合で1本塁打、打率.306と好成績を残した。一軍でも47試合と出場機会を伸ばし、プロ初本塁打も放っている。翌2023年は8試合の出場にとどまったものの、2024年には自己最多の51試合に出場。同級生の大関友久投手が先発する試合ではスタメンマスクを務めて好投を引き出し、控え捕手としてリーグ優勝に貢献した。
直近のシーズンで甲斐選手に次ぐ第二捕手を務めていたことを鑑みても、現時点では海野選手がポスト・甲斐選手の最有力候補と考えられる。昨季は打率.173、OPS.504と打撃面では苦戦しただけに、課題を克服して正捕手の座を確保できるかに注目だ。
谷川原健太
翌2022年は自己最多の71試合に出場し、捕手として8試合、外野手として57試合と引き続きユーティリティ性を発揮。打率.234、OPS.684と打撃面でも成長を見せた。2023年にも63試合で打率.233と前年と同等の打率を記録し、捕手として自己最多の20試合に出場するなど本職での存在感も高めた。
捕手と外野手を兼任しながら貴重な一軍戦力として活躍を見せていたが、捕手に専念して迎えた2024年はわずか4試合の出場にとどまることに。同年は打率.444、OPS1.278と与えられた打席では出色の数字を残しただけに、今季は甲斐選手の移籍によって生じたチャンスを生かし、捕手として大きく出場機会を伸ばしたいところだ。
渡邉陸
翌2022年には二軍での68試合で4本塁打、打率.308とハイレベルな成績を示し、念願の一軍デビューを飾る。一軍でもわずか20試合の出場で3本塁打、打率.273、OPS.909と優秀な数字を記録し、当時22歳という若さながら、貴重な「打てる捕手」候補として鮮烈なインパクトを残した。
翌年以降のさらなる活躍も期待されたが、2023年は二軍で打率.225、2024年は同じく二軍で打率.201と打撃不振に苦しみ、2年続けて一軍出場を果たせず。一軍におけるチャンスが拡大することが見込まれる今季からは、背番号を「79」から「00」に変更し心機一転を図る。さらなる成長を示して再び一軍の舞台でインパクトを放ちたい。
盛島稜大
2022年の育成選手ドラフト14位でプロ入りした盛島選手は、同年のドラフトにおいて12球団全体で最後に指名を受けた選手でもある。今回のキャンプでA組に抜擢を受けた20歳の若武者は、かつての甲斐選手のように育成下位指名からスターダムを駆け上がるというシンデレラストーリーを描くことができるか。
いずれも大きな伸び代を残す4選手の中から、急成長を果たす存在は現れるか
果たしてどの選手が熾烈なポジション争いを勝ち抜き、「ポスト・甲斐選手」として名乗りを挙げるのか。新時代のチームを担う扇の要となり得るだけのポテンシャルを秘めた選手たちが見せるプレーは、開幕前の段階から要注目のポイントとなりそうだ。
文・望月遼太
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ