キャプテンの長期離脱を乗り越えて。若いチームを支える二人の決意表明

NECグリーンロケッツ東葛 マリティノ・ネマニ選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

マリティノ・ネマニがそう振り返ったとおり、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)と花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)の一戦は、後半15分まで7対8と、どちらに勝敗が転んでもおかしくはない一進一退の攻防が繰り広げられていた。だが最終スコアは19対31。敗れたGR東葛は今季初の連敗を喫した。

GR東葛が流れを引き寄せるチャンスは何度もあった。2本のトライがTMOの結果、キャンセルとなり、勢いに乗り切れなかった感はあったものの、「敵陣まで入っていくためにハードワークを重ねましたが、そこで点が取れないことはこの先の大きな課題」とネマニがこの試合で発生したチームの問題点を指摘している。

同様に亀井亮依も、勝敗を分けた差を以下のように説明した。

「トライをもっと取れた場面は多かったと思う。ゲームの流れをいかに自分たちがもち続けられるか。ゲームの肝になるタイミングでラインアウトのミスやペナルティが多く、22mの奥まで入る場面は多かったんですが、そこでのポジションミスや判断ミスもありました」

ネマニは「今季は若い選手が多いシーズン」と言う。試合内容は悪くないが、勝負どころで流れを手繰り寄せることができないといった、そこには若いチームゆえに抱える課題があるのかもしれない。ただ、言い換えればそれはチームの“伸びシロ”でもある。この花園L戦でも、試合終盤には追い上げる意地も見せた。

試合前日の2月1日、GR東葛はキャプテンのニック・フィップスの離脱と、それに伴うチーム内の体制変更について発表している。そしてキャプテンにはネマニ、ディフェンスリーダーには亀井が新たに就任した。

「私の仕事は、若い選手が自信をもてるようにプレーすること。毎週末、実力を発揮できるように自信をもたせること。行動で示し、チームを引っ張っていく」(ネマニ)

「若い選手に寄り添えるようにやっていきます。立場的にも年齢的にも、チームをまとめなければいけない」(亀井)

試合後、決意表明とも取れる力強い言葉を発した二人。頼もしきチームリーダーに支えられながら、GR東葛はフィップスの長期離脱という困難を乗り越え、前へ進んでいく。

(鈴木潤)
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