早大競走部 工藤が日本歴代4位のタイムで優勝! 宮岡も61分台を叩き出し、充実したレースに
工藤慎作 【早稲田スポーツ新聞会】
【早稲田スポーツ新聞会】記事 佐藤結、写真 會川実佑、植村皓大、髙杉菜々子、辻岡真波、長屋咲希
レースを走る宮岡 【早稲田スポーツ新聞会】
6キロ付近では、工藤は第1集団から離れ、第2集団の先頭へ。工藤は、「思ったよりも先頭集団についていく学生選手が多いなと感じていたが、最後までは押し切れないだろうと思っていたので、冷静に自分のペースで刻んでいた」という。宮岡も同じ集団のなかで「飛ばし過ぎず、抑え過ぎず」、自分のペースを守り、様子をうかがう。
一方、依然として日本記録を更新するペースで推移する第1集団についていったのは、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)で「花の2区」を走り、区間7位の馬場賢人(立大)。10キロを28分02秒で通過し、積極的なレース運びを見せる。しかし、13・5キロを過ぎると、先頭集団からこぼれてしまい、帰山侑大(駒大)ら学生トップを狙う選手たちと集団を形成。その集団にじわじわと接近してきたのが工藤だ。折り返し後の後半10キロをポイントにしていた工藤は得意の起伏のあるコースでペースを上げ始める。16キロ付近で集団に追いつくと、17キロ過ぎで学生トップに躍り出た。
集団先頭に立った工藤は、さらにペースを上げ、後続との差を引き離しにかかる。競技場に入りたくさんの声援を浴びた工藤は、ラストスパートをかけ、学生2位となった馬場に20秒の差をつけ逃げ切り、1時間0分06秒でフィニッシュ。篠原が持っていた1時間0分11秒という、従来の日本学生歴代最高記録を更新し、日本歴代4位タイ、日本人学生歴代2位の大記録で見事に優勝を果たした。また、7月にドイツで開催されるワールドユニバーシティゲームズの代表にも内定した。
宮岡も終盤は苦しい表情を浮かべたが、終始ペースを落とさず、1時間1秒59でゴール。自己記録を40秒更新し、「正直自己ベスト(1時間2分39秒)と同じくらいなら及第点だと思っていたので、予想外のかたちでうれしかった」と振り返った。
ゴールする工藤 【早稲田スポーツ新聞会】
結果
工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰) 1時間0分06秒(5着)自己新
宮岡凜太(商3=神奈川・鎌倉学園) 1時間1分59秒(81着)自己新
コメント
工藤は箱根駅伝の疲労が1月中旬に出たので、無理はせずに少し練習はセーブして、心身ともに良い状態で丸亀ハーフを迎えられるようにしようと話していました。丸亀ハーフは前半からハイペースになるので、あまりタイムは気にせずに自分の感覚を大事にしようとも話していました。前半は少し余裕を持って行けたようで、折り返してからもペースが落ちなかったので、うまくレースメイクしたという印象です。しっかり練習ができて、本番は1=1.2くらい出せるようになってきたので、今後が楽しみです。
工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰)
ーーまずは、学生ハーフ優勝おめでとうございます。優勝した率直な感想をお聞かせください
優勝することができ、うれしく思います。
--本日のコンディションはいかがでしたか
箱根後の疲労で満足に練習ができない期間が長かったものの、直近1週間程のコンディションはかなり良かったです。
--レースプランはどのように考えていましたか
自分ではペーサーの5キロ14分ペースでは走れないと思っていたので、流れに乗りつつもオーバーペースとならないようにプランを立てていました。
--ポイントはどこだとお考えでしたか
コース折り返し後の後半10キロでの失速をどれだけ防ぐかを意識していました。例年、後半で大きく失速する選手が多い分、ポイントであると考えていました。
--序盤、ハイペースで進む先頭集団につかず、落ち着いて走っていましたが、どのように考えて走っていましたか。
思ったよりも先頭集団についていく学生選手が多いなと感じていましたが、最後までは押し切れないだろうと思っていたので、冷静に自分のペースで刻んでいました。(ペースを)落とした分、15キロ付近まで1キロ2分50秒程のペースや起伏に対して余裕を感じていました。中盤以降での脚の残り具合が異なったため、起伏も利用し、勢いが違う状態でごぼう抜きすることができ、爽快でした。
--どのあたりでペースを切り替えたのでしょうか
ペースを切り替えたのは折り返し後の得意とする起伏のある区間でした。
--学生の2人を捉えたのはどのあたりでしたか
馬場選手(立大)と帰山選手(駒大)を捉えたのは16キロ付近でした。
--沿道からの声援に応えている姿もありましたが、声援はいかがでしたか
反対車線の市民ランナーの方や沿道の方から「名探偵頑張れ!」とたくさんの応援を頂き、とても力になりました。
--花田監督からはレース後どのような言葉がありましたか
花田監督からは「すごいな」とお褒めの言葉を頂きました。
--最後に今後の意気込みをお願いします
今後は日本のトップ格の選手としてマークされた状態でのレースが続くと思いますが、その状況下でも活躍できるように頑張ります。
宮岡凜太(商3=神奈川・鎌倉学園)
--本日のレースの位置づけを教えてください
シーズンの集大成として、高速レースで力試しをしようという位置づけでした。
--コンディションはいかがでしたか
箱根後やる気が起きず、1月中旬までは1日1回の練習で過ごしており、その内容はほとんどジョグでした。そこから立ち上げつつ取り組んだので、ベストシェイプ+1キロでした。また、高強度のポイント(練習)もこなせず、自信は無かったです。ただ、10日を切った辺りから調子は上がってきていました。
--どのようなレースプランを組み立てていましたか
高速レースになると分かっていたので、前半は集団の後ろで行こうと思っていました。飛ばし過ぎず、抑え過ぎずという感じです。ただ、コンディション的に早くにキツくなるだろうとは思っていたので、そこからいかに粘れるかを想定していました。
--レース前半はどのような位置につけていましたか
4秒遅れでスタートし、案の定前からはかなり遅れて走っていました。その人たちを抜かすことに力を使いたくなかったので、自分の走りを守ろうと思っていましたが、少し無理をしたペースにはなりました。
--自己記録を更新されましたが、狙っているところでしたか
一番上振れした場合で61分台に設定していたのですが、正直自己ベストと同じくらいなら及第点だと思っていました。なので、今回のタイムは予想外のかたちとなりうれしかったです。
--ご自身の走りを振り返っていかがですか
正直7キロ辺りから息が上がっていたのですが、体は動いてくれました。5キロを今までで一番早く入ったにも関わらず、10キロ、15キロのラップタイムがあまり落ちておらず、粘れるようになった事が大きかったです。ただ、15〜20キロを14分40秒近辺で走れていれば、(1時間)1分30秒も見えていたところだったので、14分20秒で入っても「突っ込んだ」とならない走力をつけていきたいです。
--今シーズンの練習で意識して取り組みたいことはありますか
今回のレースで、卑下するほどには自分の練習や日々の取り組みが間違っていないことが分かりました。引き続き走り込みなどの方針は変えず、いかに一つ一つのポイントの質を上げられるかということを意識していきたいです。
--今季初レースとなりましたが、今年の目標を教えてください
箱根駅伝の8区区間賞が、絶対的な目標としてあります。そのために、年間を通しての活躍が求められると考えています。5000メートルで13分台、1万メートルで28分台を出すことはもちろん、関カレ(関東学生対校選手権)やその他の三大駅伝にも絡む活躍をしたいです。
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