2025年ドラゴンズは抜けたイニングを埋められるか? どこよりも詳しく解説&予想

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【2025年ドラゴンズは抜けたイニングを埋められるか? どこよりも詳しく解説&予想】

【これはnoteに投稿されたうるドラまんさんによる記事です。】
全世界1889人のドラゴンズファンの皆さんこんにちは!
小笠原のメジャー移籍が決定し、今季の投手事情に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
私もその一人です。
そこで今回は、ドラゴンズが今季どのように抜けたイニングを埋めていくのかを考察します。また、一昨年の森山のケースのような事態が再び起こる可能性についても探っていきます。

昨年のドラゴンズは、1軍で143試合・1288イニング、2軍で124試合・1086イニングを消化しました。
ここから退団選手の分を差し引くと、どれだけのイニングが空くのかを見ていきましょう。

※加藤竜は野手転向 【うるドラまん】

結果として、全体の20%以上にあたる537イニングを、新入団選手と既存選手の成長で補う必要があります。

この数字を埋めることができるのか、昨年のデータをもとに考察していきます。まずは新戦力について見ていきましょう。

・新入団選手のイニング数を考える

【うるドラまん】

・伊藤茉央
2024年 計50回:1軍5回2/3、2軍44回1/3
現役ドラフトで楽天から加入した伊藤。
まだ24歳と若く、大きな怪我無く2シーズンプロの世界で投げている実績から、今季も昨年と同じ50イニング程度は計算できるでしょう。

・三浦瑞樹2024年 計105 2/3回:1軍5回、2軍95回2/3
ソフトバンクの戦力外から獲得した三浦。
こちらも25歳と若く、ウエスタンの最優秀防御率を獲得し、一番伸び盛りな時期。
イニングも2軍で95回以上投げ、ローテを回す要因としても十分。
ちなみに昨季ドラゴンズの2軍選手で三浦よりイニングを稼いだのは松木平のみ。
支配下昇格筆頭候補でもあり、今季も昨季同様100イニングは投げてくれると計算してよさそうです。

・カイル マラー2024年 計77回1/3:MLB49回1/3、AAA25回1/3、A3回外国人補強の先発枠の本命であるマラー。
私はMLB識者ではないので、彼がどのような選手かは説明できません。どれだけの数字を残すか予測もできません。

そこで昨季NPBに来日した先発型の新外国人選手がどれだけのイニングを稼いだかを調べ、その平均値を参考に予想してみることにしました。

【うるドラまん】

全体的にイニングを稼いでくれる投手が多かった印象です。
マラーもそれに匹敵する可能性は十分にあります。
昨季、アメリカでの投球数やNPBの新外国人投手の傾向を踏まえると、100回程度は計算に入れてもよさそうです。※昨季のメヒアは98回2/3
なお、より多くのイニングを投げられると考える識者もいるかもしれません。

・ウォルターズ
2024年 計33回1/3:AAA13回1/3、AA16回、A4回
キャンプイン直前に獲得が発表されたウォルターズ。
恐らく中継ぎでの起用となりそうなので、こちらも昨季の中継ぎ新外国人がどれだけのイニングを投げたか見てみます。

【うるドラまん】

「新外国人リリーバーが1.2軍合わせて43イニング投げる」というのは肌感としてかなり納得できるのではないでしょうか?
最近のドラゴンズに在籍した非キューバ人リリーバーの投球回数を見ても、近い数字になっています。
ゴンサレス:33回1/3
ロサリオ:22回1/3(コロナで来日遅れ)
タバーレス:33回(途中加入)
1年目フェリス:15回1/3(途中加入)
2年目フェリス:40回2/3
これらを踏まえ、ウォルターズは40回投げてくれると予想します。

・ランディ マルティネス 2024年 57回2/3(キューバリーグ)
キューバ案件、育成契約、来日年齢を考えるとアルバレスと同じ枠。
アルバレス来日前のキューバでの成績が44回→日本1年目ウエスタンで8回という事を考えると、マルティネスは20回~0回程度になる可能性が高そうです。
計算としてはほぼ誤差ですが今季10回投げてくれると予想します。

・金丸夢斗 吉田聖弥
世代ナンバーワンの金丸とローテ入りが期待される吉田。
「金丸はL武内くらい投げてくれる!」と期待するのは自由ですが、実績がないため計算に組み込むのは危険です。実際、金丸はケガの影響で読谷スタートとなっています。
しかし、草加のように0回とするのも極端すぎる話です。
こちらも昨年の大卒・社会人・独立出身ルーキーの先発型投手がどれだけイニングを投げられたか平均を出して考えてみることにしました。

先発登板が全登板の50%以上の選手を対象に算出 【うるドラまん】

規定に到達したL武内から怪我でほぼ投げられなかったG森田などかなり幅があります。
読んでいるほとんどの方の大多数の方には賛同してもらえないと思いますが、キリよく一旦75回づつという計算にさせてください。

・高橋幸佑 有馬惠叶
こちらも先ほど同様、昨年の高卒ルーキーが残した数字をみてみます。

【うるドラまん】

こちらの数字は約30回と昨季福田が投げたイニング数とほぼ同じ。
みなさんがイメージする「高卒ルーキーの投球回数」もこれくらいではないでしょうか?
落合2軍監督が昨年同様の運用をすると予想し、この30イニングを計算に入れます。

井上剣也井上も30回投げてくれると計算したいところですが、ドラゴンズの育成高卒ルーキーはほぼ登板しないという傾向があります。
※上田:11回2/3、松木平:2回、野中:0回
怪我やチーム方針が影響している可能性はありますが、30回投げるのは想像しにくいので、0回とします

以上で新入団選手の投球回数予想が終わりました。
表にまとめると以下の通りです。

【うるドラまん】

今回の試算では、27回不足しこの分を既存選手が埋める計算結果となりました。
しかしこの27回というのは誤差の範囲とも言えるです。
例えば、2軍の試合が雨天中止になり、消化試合数が減ることは十分に考えられます。

過去3年間のドラゴンズ2軍の中止となった試合数は以下の通り。

【うるドラまん】

大体20試合前後が毎年中止になっています。
2025年は137試合が予定

※リンク先は外部サイトの場合があります

仮に20試合が中止になるとすると、実際の試合数は117に減少。前年比-7試合で、必要イニングが60程"減る"可能性は割と高そうです。



ここまで算出した数字は、昨季の成績をもとに私の主観を交えて弾き出したものにすぎません。
金丸・吉田・マラーがもっと投げられると主張する方がいても、それはは否定しません。
金丸の怪我の状態が悪く40回しか投げられなかったが、吉田が120回投げた。
金丸が140回投げたが高卒組が1回も投げられなかった。
など様々なシナリオが想定できますが、あくまで"平均値"に基づいた試算の一例として参考にしてください。

ちなみに昨季の数字はこちら。

【うるドラまん】

昨季は新入団選手だけでは抜けた穴は埋めることができませんでした。さらに前年(2023年)と比較して1軍の9回の有無+2軍の雨天中止が少なかった分イニング数が増加。
抜けた穴(119回1/3)+増加分(110回1/3)=229回2/3を既存選手が埋めたのが昨季です。仮に雨天中止の増加分や草加の全休がなかったとしても、既存選手へしわ寄せは避けられなかったということになります。



ここからは既存選手にフォーカスしてみましょう。

・既存選手のイニング数を考える

今いる選手でイニングを大きく伸ばしそうなのは誰ですか?という問いにあなたは何と答えますか?
成長株である松木平は昨季、1.2軍通じで156回1/3を投げ、これ以上の増加は難しいでしょう。
梅津は昨季104回1/3を投げましたが、今季はメディカルに引っ掛かり、キャンプは2軍スタートとなりました。こちらも大幅な増加は見込みにくいです。

ではどんな選手が数字を伸ばせるのでしょうか?
こちらも昨季の数字を見て予想を立てていきます。

【うるドラまん】

20イニング未満の増減は誤差と考えます。
20イニング以上増加した選手の内訳を見てみると、
大野・岡田・岩嵜・野中は復帰・復活組。
メヒア・フェリス・齋藤は一昨年の途中加入からフルシーズン稼働した増加分。
純粋に"成長"という面にフォーカスした場合ポジティブに捉えられるのは、髙橋宏と松木平と梅津のみではないでしょうか。
昨季、新加入選手で埋められなかった穴はこのような選手たちが埋めたという事です。

つまり、既存選手の上積みを予想するうえで、抑えておきたいポイントは、復帰復活組・昨年途中加入・成長選手の3つのカテゴリーにわけられることがわかりました。

このポイントを意識して、間違いなく今季イニングを20以上増やすであろう選手をピックアップしました。

イニングは昨季の数字 【うるドラまん】

・草加
TJ手術から復帰する草加。
まだプロでの登板は0ですが、競合ドラ1として期待がかかります。
同じTJ明けだった5年目梅津のシーズン(5月復帰で51回2/3)を基準に考え50イニングと予想
少なくとも昨季の0回から数字を増やすのはほぼ確定です。

・柳Aクラス入りには復活が不可欠の柳。
説明不要。規定到達は最低限のノルマ。
143イニングと予想

・福田昨季尾頭橋軍の希望の光。
出遅れたのはコンディション不良からであり、万全でシーズン頭から投げられればさらに数字を伸ばせるはずです。
目標にしたいのは3年目松木平と同じ81イニング。今季の約倍。
フルシーズン中10で回れれば十分射程圏内。
80イニングと予想。

・森山1年目に万全であれば2軍のローテは回れることを示してくれた森山。
復帰2年目は昨季の数字から増えるのはほぼ確定とみて間違いなさそうです。
目標としたい数字は先発中継ぎを両にらみする岡田のような起用で45イニング

・仲地?稼働すれば抜群の指標を残す仲地。
目標としたい数字は、昨季ほぼフルシーズン中7~10日以上で回った根尾・梅津と同じライン。(90~110回)
しかし周知の通り怪我がちの選手であり、逆に20イニング以上減らす可能性もある選手。
草加のようにイニング増確定とは言えないので一旦±0と予想

・梅津?
仲地同様フル稼働が待たれる選手。
昨季104回1/3から1軍規定近くまで期待したいが、こちらも怪我がちでキャンプもメディカルに引っ掛かり読谷スタート。
同じくイニング増確定とは言えないので一旦±0と予想

次にイニングを減らしそうな選手を取り上げたいのですが、怪我や勤続疲労などいつ何が起こるかわかは予測困難です。
しかし、ただ一人イニングを減らすのがほぼ確定している選手がいます。
根尾です。

・根尾
"確実"にイニングが減ると言えるのが、中継ぎ転向が示唆されている根尾。
目標となる数字は、フルシーズン中継ぎで投げたとして、勝野・梅野らに近い50イニング

これでほぼ確実に増えそうな選手と減ると断言できる選手が出そろいました。
収支はどうなっているか見てみましょう。

【うるドラまん】

既存選手の増減予想はプラス114イニングになりました。

ここまでの収支をまとめてみます。

【うるドラまん】

昨季から147イニング分の余裕ができたという試算になりました。

机上論なので実現性は考慮しないものとしますが、
①昨年の実績・平均をもとに考える
②既存選手が昨季と全く同じイニング数を消化する
③2軍の試合中止が例年並みに発生する
④草加・柳・福田・森山が昨季より20イニング以上数字を伸ばす
⑤離脱者が出ない
という条件がすべてそろえば、新戦力のみでイニングを埋めることは可能であり、今季のドラゴンズ投手陣は崩壊しない。という結論になります。

しかし、"⑤離脱者が出ない"という部分がいかに理想論であり、実現不可能であることはドラゴンズファンであればよく理解しているはずです。

1シーズンを全員が健康で完走できるわけではなく、既存選手全員が昨季と同じイニングを投げられる保証もありません。
次はどれだけの離脱まで許容できるのかを考えていきます。

・どれだけの離脱者まで許容できるか

先ほどの表から草加・柳・福田・森山・根尾以外の既存選手が147イニング分、昨季から数字を落としても大丈夫という試算が出ました。
昨季の1・2軍合わせた消化イニング数は以下の通りです。

【うるドラまん】

考えたくはありませんが、開幕前に髙橋宏が長期離脱となったら一発で危険水域なのはわかります。
35歳以上の先発である大野・涌井・松葉の合計が329イニング。
仮に全員が半分しか投げられなかったとすると164.5イニングとなるので、足りなくなってしまいます。最低でも昨季の2/3程度は投げてほしいところです。
(大野68回2/3、涌井65回1/3、松葉85回1/3)
今季もベテラン組に頼らなければいけない編成です。
梅津・仲地のコンディション面も不安です。
祖父江・岩嵜・岡田・福のベテランリリーフ陣の勤続疲労もあります。
そう考えると"147イニングの余裕"はそれまで多くなく、2人3人の離脱であっという間に消えてしまうように見えます。

・ローテーションは回るのか?

ここまではイニング数という"質"の話をしてきましたが、ローテーションを回すには人員、つまり"量"が必要です。
極端な話、2000イニング投げられる投手を1人用意してもローテは回りません。
森山のような件を再発しないためにも頭数は重要です。
ここからは人員にフォーカスをして先発事情を考えてみたいと思います。

NPBでは1週間に6試合、2軍と合わせて週12試合組まれているのが基本のスケジュールですが、最も過密な日程は実際どのように組まれているでしょうか?
試合が組まれている日程の密度を調べてみます。
下の表は連続する20日の間に1.2軍合わせて何試合組まれているか移動合計値をとったものです。

【うるドラまん】

最高値を付けたのが35試合が2回。
つまり、今季最も過密な期間は20日間で35試合組まれていて、それが2回あるということです。
1回目は4月29日~5月18日のゴールデンウィーク期間。
2回目は7月29日~8月17日の夏休み期間。

この期間、実際にローテを回せるか投手を当てはめてみました。

【うるドラまん】

この日程を回すために想定した起用法はこちら。

【うるドラまん】

1軍中6は年間100イニング以上
1軍中10 2軍中6は年間80~100イニング
2軍中10は年間80イニング以下
を基準として設定。
金丸は怪我の状態を考慮して外しました。

結果、埋まってはいます。
登板しなかったのは岡田1人。
上記の起用法でローテーションを回れるという前提なら、金丸は怪我で投げられないとしても、2軍レベルの先発であれば1人の離脱までは許容できるということになります。
また、昨年の福田のように高橋幸・有馬をブルペンデー1イニングで先発という選択肢も残っています。

1軍レベルの投手は2軍を回すことを考えると、1人の離脱もできない状態です。仮に起こったしまった場合は、ベテラン組や怪我復帰組の間隔を狭めるなどの対処が必要になってきそうですが、5月に負担をかけることができるかどうかは微妙なラインに思えてきます。


・まとめ

繰り返しになりますが
①昨年の実績・平均をもとに考える
②既存選手が今季と全く同じイニング数を消化する
③2軍の試合中止が例年並みに起こる
④草加・柳・福田・森山が昨季より20イニング以上数字を伸ばす
という前提をもとに考えれば
①全体でみれば昨季から147イニングの減まで②最も過密な日程をこなすために、許容できる離脱者は2軍レベルの先発1人までそれ以上の離脱者が出た場合、補強が必要になってくるでしょう。

2022年は梅津、2023年は大野、2024年は草加と年単位の離脱をドラゴンズは毎年のように経験しています。
リスク管理の面からみれば、最低でももう1人先発補強は必要かもしれません。

「2025年ドラゴンズは抜けたイニングを埋められるか?」という最初の問いに対しての最終的な結論は、「わからん。100%こうなると言えるものはない。」になりますが、今回のnoteである程度の勘所は示せたと思います。

今回は"1.2軍のローテを回すこと"にフォーカスしてみました。
書いてみてわかったことは、離脱者が2人3人出なければ、一昨年の森山のような件は、起こる可能性は低いことが分かったことです。
高卒ルーキーが3人入ってきましたが、昨季ルーキーだった福田を完璧に運用した落合2軍監督が残ったのもあり、この部分についてはファンは安心していいと思います。

次なるフェーズである"1軍戦力は足りているか?"という問題は少し難しいものがあるかもしれません。
ベテラン陣に頼らなければいけない1軍ローテ、仲地・梅津・松木平の戦力化、草加・金丸の怪我の状態など不透明な点が多いです。
ここは選手の成長にかかっています。
まず"長期離脱0"を達成し、安定した土台を築くためのチーム運営ができるシーズンになることを願います。



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また次回のnoteでお会いしましょう。

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データ引用:Baseball Reference(https://www.baseball-reference.com/)
データ引用:SNB | Sitio Oficial de la Serie Nacional de Beisbo(https://www.beisbolcubano.cu/estadisticas/Jugador?idJugador=9718)
データ引用:1.02 ESSENCE of BASEBALL(https://1point02.jp/op/index.aspx)

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