JLPGA新しいヒロイン《97期生・手束 雅》

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手束 雅 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。

てづか・みやび=2000年11月15日生まれ

 検索サイトに姓名を打ち込んでみると、まっさきにこの人が出てきた。少しずつ、知名度がアップ。手を束ねると書く、姓も珍しく、しかも雅と記す名前もひとりだけだ。

 「故郷では何世帯か、手束姓のお宅があるけど、いろいろと全国を回って同じ手束さんにお会いしたことはありません。だから、手束の漢字を見た方は一度、見たら忘れないね、といってくださる。名前も父がつけてくれたもの。私の周囲にはいなかったし、幼少時から気に入っているんです」が、あいさつ代わりのおしゃべりだった。

 2000年生まれ。20世紀最後の年に誕生した。しかも、この年は400年ぶりの閏年。事前に、プロフィールだけを拝見すると、何から切り出そうかと思っていたが、とても気さくで人好きがする方だった。

 ちなみに特技は、「元気が取り柄」。自己PRも「おしゃべりが大好き」とある。正直な性格が好印象だ。「よく、タフネスといわれます。でも、今どきではないけど、気持ちと根性でここまできた。だけど、メンタルはそれほど強いとは思えない。ただし、やりたいことはすべて行う。これが私の身上です」とも加えた。

 2025年はルーキーイヤー。シーズン開幕までより熱がこもった練習を続けている。テーマは、1Wの精度アップ。第1打が安定すれば、もっといいプレーができます」と課題を絞った。24年のQTファイナルステージは42位。ファーストステージ(B地区)で首位通過を果たしただけに、もっと上位を狙えたのではなかったか。「最終日、最終ホールのボギーが悔やまれる。それから、アンダーパーを出したのは1日だけだったことも…」といい、「1ストロークの重さを再認識。わかっていたことですけど、ちょっと悔しい。その気持ちを忘れずに、JLPGAツアーの前半戦で出場チャンスがあれば、それこそ全力でいきます。当然、ステップ・アップ・ツアーも、ですよ」と言葉にした。

手束 雅 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 中学1年で世界ジュニア優勝。15、18年には四国ジュニアのタイトルを手中にして、19年、四国女子アマも制した。とはいえ、最終プロテスト合格までには6回の受験を。平坦だったわけではなかった。

 「時間がかかった。受験生は全員、努力して頑張っている。一生懸命です。ゴルフは何かをかえても、すぐさま大きく変化するものではありません。小さなことを積み上げ、形になっていく。目に見えない運も必要でしょう」と、地に足がついた答えを口にする。

 それだけに、遠回りしたこともプラスにとらえた。「テスト合格前、出場していたネクストヒロインツアーで、解説をしていた石井忍コーチと知り合うことができました。この方に指導を受けたい、と考え千葉に拠点を移して1年。上手になりたい-という一心で、動きました。環境を変えてよかったと思います」。

 さらに、「自分の気持ちに、うそをつかなくなりました」と、内面の変化までを強調する。6歳からプロを目指した。ルーキーとはいえ、18年のキャリア。心技体のバランスが、整いつつある。(青木 政司)

手束 雅 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

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