新しいヒロイン2025《97期生・徳永 歩》

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徳永 歩 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。

とくなが・あゆみ=2006年2月10日、大阪府大阪市出身

 徳永歩が初めてゴルフクラブを握ったのは5歳の時だった。あまりゴルフ経験のない父親からの勧めで、ジュニア用のクラブをわざわざ用意してくれたという。「ただ、あまり楽しくはなかったですね」。大阪府ジュニア大会連覇、関西ゴルフジュニア選手権2位などの結果を残しても、ゴルフへの興味が強まることはなかった。「5歳から中学3年生ぐらいまで、本当にゴルフが嫌で、いつも辞めたいと思っていました」。それでもゴルフを辞めなかったのは、他に熱中したいことがなかったからに過ぎない。

 そんな徳永の意識を変えたのが、ECC学園高校への入学だった。同校は日清都カントリークラブや六甲国際ゴルフ倶楽部などと提携しており、練習環境が充実していたうえに遠征費も負担してくれると知り、入学を即決。しかし、それ以上に魅力的だったのがゴルフ部の存在だった。これまで個人で活動することが多かった徳永にとって、初めてゴルフ仲間ができたことは想像以上に楽しかった。より一層練習に熱も入り、21年の全国高校ゴルフ選手権春季大会で優勝。22年の団体戦でもチームを全国2位に押し上げた原動力となった。

徳永 歩 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 ゴルフの楽しさも知り、結果が伴えば、ツアープロを目指すのも当然だろう。高3だった23年に初めてプロテストを受験する。最終まで進んだが、合格ラインに3打足りずに涙をのんだ。「やっぱりショットにしても、アプローチ、パッティングにしても実力が足りなかったんだと思います」と振り返る。

 高校卒業後はセンコーグループホールディングスに就職。同社のグループである蒲生ゴルフ倶楽部に配属された。午前中はキャディー業務やポーターとして働き、午後からは練習という研修生的な生活を送ることになったが、実際はキャディー業務を行うことはほとんどなく、1日の大半を練習に時間を費やすことができた。

 おかげで、プロテストの際に感じたショット力不足やショートゲームでの課題解消に集中。「今でもヘタクソですが、23年よりは少しはマシになったと思います」と、手応えを感じている。実力アップを証明したのが、24年のプロテストであり、トップと2打差の2位タイで合格。その勢いでQTファイナルステージでは14位となり、25年のツアー前半戦出場権を手にすることができた。

 もちろん、今季の目標は前半戦だけでなく、リランキングを利用して後半戦の出場権も得ることだ。その先には、シード権獲得という最大の目標も待ち構えている。達成するには今以上の成長が必要だと自覚し、このオフはショートゲームの強化を狙う。「QTファイナルステージでもパッティングの距離感が全然ダメでしたし、アプローチも簡単なライからミスするなど、反省点が少なくありませんでした」。それに加えてコースマネジメントを改めて確認するつもりだ。「防げるミスは徹底的に防ぎたいですから」と、力が入る、

 そんな徳永が憧れるプロは申ジエだという。「最初はミスしても顔に出さないメンタル面の強さに憧れていましたが、今は相手に強さを感じさせるところが好きです」。相手に勝てないと思わせるプレーヤーになるのが、徳永の夢だ。将来的には高校時代に学んだ英語を活かし、米女子ツアーに参戦したい気持ちもある。そのためにも、今は徹底して基礎固めに励む。(山西 英希)

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