ブレイキン Shigekix(半井重幸)選手 特別講演会「夢への挑戦~グローバルに生きる~」開催

大阪経済大学
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自身とブレイキンの未来を見据え、挑戦し続けるShigekix選手

2024年12月16日、日本におけるBreaking(ブレイキン)の第一人者であるShigekix(半井重幸)選手をお迎えし、特別講演会を実施しました。Shigekix選手には、2024年4月に新設した本学国際共創学部のCMに出演いただいています。今回は「夢への挑戦~グローバルに生きる~」と題し、学生たちの前で、これまでのチャレンジの軌跡、パリ五輪での経験、今後の夢や目標などを語っていただきました。

[Shigekix(半井重幸)選手 プロフィール] 2002年生まれ。大阪府狭山市出身。7歳でブレイキンを始め、14歳でプロとしてのキャリアをスタート。世界各地の大会で多くのタイトルを受賞。2020年、「Red Bull BC One World Final」にて世界最年少で優勝を果たす。日本代表として出場した2024年パリ五輪では、日本選手団を代表して開会式と閉会式で旗手を務めた。 【大阪経済大学】

学生たちの目の前でパフォーマンスを披露

学生たちの大きな拍手に迎えられて登場したShigekix選手は、パフォーマンスを披露。講義室の一角という通常とは異なるステージの上でも本気のダンスを見せ、ダイナミックで多彩な動きに歓声が上がります。世界でもトップレベルのパフォーマンスを目の当たりにし、これから始まる講演への期待も高まります。山本俊一郎学長より花束が贈呈され、講演会がスタート。インタビュー形式でさまざまな質問に答えていただきました。

姉の影響を受けて7歳でブレイキンを始めたShigekix選手は、「独自のスタイルで自由に表現できる楽しさに引き込まれました。大会ではDJが流す音楽に合わせて即興でパフォーマンスするところも含め、何においても自由度の高いのが魅力」と語ります。「自分が正解だと思うダンスを突き詰めていった先に、唯一無二の存在になれる未来が待っていると感じました。今もまだダンサーとしてまったく完成していない。理想のダンスやスタイル、存在を突き詰めていく途中です」

高校を卒業して東京に拠点を移したShigekix選手でしたが、間もなくコロナ禍となって思い通りに活動できない日々が続きました。そんな状況下でも、初めての一人暮らしで食生活に気を配り、表現力の可能性を広げるためにフィジカルトレーニングも始め、試行錯誤しながら練習に取り組んでいたといいます。「今が踏ん張り時だと思って取り組んでいたら、2020年末に『Red Bull BC One World Final』で優勝するという、うれしい出来事が起きました。ここから僕の人生は大きく変わりました。コロナ禍の中でとにかく練習するしかないという気持ちでやっていたけれど、振り返ってみれば自分にとってかけがえのない時間だったのかなと思います」

パフォーマンスを披露するShigekix選手 【大阪経済大学】

次世代に向け、ブレイキンの魅力を発信

「Red Bull BC One World Final」の優勝後すぐ、ブレイキンがパリ五輪の競技種目に初めて選ばれました。それから約3年、五輪に照準を合わせてさらにパフォーマンスを磨いてきたといいます。日本代表として出場したパリ五輪。ブレイキンの大会では国単位で戦うことがほとんどなく、普段とは異なる空気感に今までにない緊張を感じたそうです。

「ブレイキンの認知度が高まり、多くの人からポジティブな反応が得られたことがうれしい」と話すShigekix選手。最もうれしかったのは、五輪を終えて帰国し、ブレイキンの競技をテレビの前で見ながら、真似をしてダンスしている子どもたちの映像を見た時だと言います。

まだ22歳のShigekix選手は、「五輪は大きな目標ではあったけれど、ゴールではない。ブレイキンの技術も人としても、もっと成長していきたいという気持ちで歩み続けています」と、挑戦する気持ちは変わらないと話します。ただ、五輪を経て意識の変化もありました。「五輪でたくさんの応援をいただいて、自分の力になりました。その感謝の気持ちを返したいという思いがあり、ブレイキンとの出会いを通して、人生が変わった、楽しくなったという人を増やしていきたいと強く思うようになりました。僕が挑戦し続ける姿を見せることで、自分も頑張ってみようと思える活力になればうれしいと思っています」

とくに、次世代に向けて発信していきたいと考えており、現在は国内各地の小学校でダンスの特別授業を行っています。「本格的に競技をするだけではなく、趣味で楽しむのもいいし、いろんな形でブレイキンに触れて、ポジティブなエネルギーを感じてほしい」と話します。

競技外での多様な活動にも全力で挑む

昨年、国際共創学部のCMに出演いただいた際のエピソードも語られました。スニーカーを履かず踊りにくい和服に身を包み、畳の上でパフォーマンスを行うなど、Shigekix選手にとって初めて尽くしの経験でした。撮影当日はかなり暑く、過酷な状況だったにもかかわらず、現場のスタッフとカメラチェックも一緒に行い、真剣に撮影に臨む姿が印象的でした。

「CMの“ありえない、を超えよう。”というコンセプトは、まさに自分のキャリアの中でのテーマと同じ。新たな挑戦の一つとして、作品づくりに臨みました。どれだけ良い企画や機材があっても、自分がちゃんとエネルギーを持って臨まないと人の心には届かないと思っています。この映像を見て、興味を持ってこの学部に入学する人がいるかもしれない。人の人生を変えるかもしれない仕事に関わっているのだから、全力で挑もう。何事においてもその気持ちを大事にしています。映像やCMの専門知識はないけれど、ダンサーの目線でかっこいい映像になるようにと考え、スタッフの方とお話しました。CMは周囲からも好評でしたね」

【大阪経済大学】

CMやメディア出演、五輪出場など、これまでブレイキンの世界では当たり前でなかったことにもチャレンジするShigekix選手。そうした活動に周囲からは、賛成する声ばかりではないといいます。「今まで積み重ねてきたブレイキンの歴史も大事だけれど、これからのブレイキンは今を生きる自分が変えていきたい、事を起こさないと何も始まらないという思いを持っています。僕のチャレンジに反対する人がいたとしても、何年か先にはよく頑張ってくれたと言ってくれるのではないかと思いながら、自分を信じて突き進んでいます。それは、ブレイキンを引っ張る力に少しでもなれたらいいと思っているからです」

今後の目標としては、まず一つずつの大会やパフォーマンスの機会を大事にしていくこと。「プレイヤーとしてかっこいい姿を見せないと、どんな活動をしていても説得力がない。やはり、本質で見せることを一番大事にしたいですね。2025年11月に『Red Bull BC One World Final』が東京で開催されるので、注目してもらえたらうれしい。そして、次世代に向けた活動も継続していきたいと考えています」

特別講演会の様子 【大阪経済大学】

グローバルに活動する中で得たものとは

まだ小学生という幼い年代から海外も舞台に挑戦してきたShigekix選手は、グローバルな環境で生きることの魅力、おもしろさを語ります。初めて海外の大会に出たのは10歳の頃。中学生になると、親の同伴なしで海外遠征に行っていたといいます。「グローバルな環境に身を置くことの良さは、一つは視野、スケールが広がること。世界の広さを実感すると、何か新しいことを始めたい時、こんな小さなことで不安になっているのはもったいないと思えるようになるんです」

これまでに訪れた国は50カ国ほどにのぼります。「もう一つの良さは、いろんな世界を見てきたからこそ、自分が生まれ育ってきた環境や日本という国の魅力や価値を再確認できるし、自分が何を大事にしたいのかが見えてきます」と話します。

「これまで世界で見てきた景色や感じたこと、価値観が今の自分を作り上げていると思う」と話した上で、「自分のキャパシティを超える場所にあえて身を置くことを大事にするようになりました。何か自分の殻を破りたいと思った時は、そうしたチャレンジが必要。パリ五輪でも、プレイヤーとしては出場したいけれど、ただの一人の人間としてはあんな緊張感のある舞台に立ちたくはありません。でも、プレイヤーとしても自分の人生を考えても、あの舞台に立ったことは自分の新たなスタートになったと思います」と語りました。

最後に、学生たちに向け、「これからの時代を引っ張っていくのは、僕たちの世代です。何年か先、今日ここで話していたように今も頑張っているなと僕の活動が皆さんに少しでも力を与えられたらうれしいし、僕自身も皆さんの夢や目標を応援しています。夢や目標に向かって全力で突き進んで、その間にいろんな仲間に出会って、最高の人生を歩み続けることを祈っています」とエールをおくり、講演を締めくくりました。

同年代のShigekix選手がこれほど真摯な思いでブレイキンに取り組んでいる姿、未来を見据えて活動している姿を知り、学生たちは間違いなく大きな刺激を受けたでしょう。今回の講演が新しい一歩を踏み出すきっかけになってくれることを期待します。

Shigekix選手と参加者全員で記念撮影 【大阪経済大学】

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著者プロフィール

実践的な知識・能力を育む学部教育、プレゼン力を競い合う学内研究発表大会、 あらゆる分野を網羅する75コースの資格対策講座、就業力を鍛え上げる就職合宿など、 大阪経済大学で、様々な"実践"を通して、変化の時代を、生き抜くための力を身につけよう。 その「生き続ける学び」が、あなたの芯となり"実戦"の武器になる。 【学部】経済学部/経営学部/情報社会学部/人間科学部/国際共創学部 【アクセス】阪急「上新庄」駅、地下鉄「瑞光四丁目」駅

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