今年も高知馬の勝利か?少頭数で伏兵激走もあり得る3歳牝馬重賞/佐賀・花吹雪賞データ分析
2024年優勝グラインドアウト 【撮影:佐賀県競馬組合】
1月26日佐賀6レース 18時05分発走予定
年が明けて3歳重賞路線が活気を帯びてきた。
1月26日に行われる花吹雪賞は高知と佐賀所属の3歳牝馬重賞。
昨年は高知所属馬のワン・ツーで3連単1万8000円超えだった一戦で、今年はどちらの所属馬が勝つのか注目が集まる。
ここでは過去10回のデータから分析をする。
勝利数は佐賀、率は高知
対して高知は2勝。
22年アンティキティラと24年グラインドアウトでの勝利で、勝利数は多くはないが連対率55.6%、3着内率66.7%と遠征してくれば高い確率で馬券圏内に入っている。
特にここ数年は高知から佐賀に来た馬の成績がいい。当レースのような重賞だけでなく、高知から佐賀に移籍した馬は移籍後数戦は特に好成績を残す。要因として考えられるのは、普段から深くてタフな高知の馬場を走っていた馬にとっては走りやすい馬場であること、また当地のレースの流れも彼らには向いているのだろう。
所属別成績 【表1】
530円から19万超えまで!1番人気信頼は高いものの極端な配当
一方で、人気薄の激走もチラホラと見られていて、最も人気薄での入着は2016年2着のプリモプレストで単勝12番人気。3番手からの激走だった。
また、18年には7番人気→3番人気→4番人気の順で決まり、3連単は19万2430円など、過去10回中4回で3連単万馬券。3連単の平均配当は2万7959円だった。
波乱の年もあれば20年の3連単530円のように堅い決着の年もあり、極端な配当になりやすい。
単勝人気別成績 【表2】
逃げなら内枠か外枠で
舞台となる佐賀1800mのスタート地点は向正面で、最初のコーナーまではあまり距離がない。
そのため、逃げ馬なら内枠か外枠、どちらか極端な枠に入った方がいい。それ以外の枠から逃げて3着以内に入ったのは過去10回では20年ミスカゴシマ(3枠3番)のみだった。
脚質別成績 【表3】
早く生まれた方が3着内率は高い
競走馬も同じで、2~3歳の重賞では「早く生まれた方が成長も早くて有利では!?」と考えるのだが、意外にも多くの重賞ではそれは当てはまらない。
しかし、念のため花吹雪賞について調べてみると、綺麗に仮説に合致。生まれ月が早ければ早いほど3着内率は高いという結果になった。
最多を挙げるのが4月なのは、当レース出走馬に4月生まれの競走馬が最も多いことも関係しているだろう。
なお、生年月日については地方競馬情報サイトの出馬表で馬名のすぐ右下に記載されている。
誕生月別成績 【表4】
300kg台の小柄な馬でも極端な割引は不要
一方で着目したいのは300kg台の馬。
小柄すぎると特にダートではパワーが足りるかが気になるが、3着内率は50%。重賞まで駒を進めてくる馬であれば、かえって「脚元への負担を気にせずしっかり調教できるタイプ」とも捉えられるかもしれない。
馬体重別成績 【表5】
佐賀若駒賞組が好成績
牡馬混合の1750m戦において、3着以内だった馬は3勝、2着3回、3着2回で、3着内率53.3%。
当レースでも同様に好走できるが、牝馬限定になった分、もっと好走率が高くなってもいいような気がしなくもない。
前走別成績 【表6】
高知馬の持ちタイム基準は?
一つのファクターとして使えそうなのは近走タイムか。
下表は過去10回の高知からの遠征馬についてまとめた。
多くの新聞や地方競馬情報サイトの出馬表に記載される直近5走を対象として、高知ダート1300mの持ちタイムを記した。
馬名横のカッコは当レースでの着順で、3着以内に入った場合のみ明記。
ここから推察するに、1分27秒0未満の持ちタイムがあれば、当レースでも好走が期待できる。
なお、22年1着のアンティキティラは門別から高知に移籍して2走(1400mと1600m)のみで、参考までに1400m(重)は1.32.1だった。
高知での1300mの近走持ちタイム 【表7】
データからの推奨馬は?
②内枠か外枠の逃げ馬
③佐賀若駒賞3着以内
③高知所属馬で、できれば1300m1分27秒0未満
④1~3月生まれ
データ的に推したいのは①ダイメイヒロイン。
ミッキーアイル産駒で短距離を主戦場とするが、逃げ馬が最内枠に入ったことでレースはしやすそう。5走前には1800m重賞で2番手から最後まで止まることなく勝ち馬から1馬身強の4着。あとはこのメンバーで距離をこなせられれば面白そう。3月生まれでもあり、②④に当てはまる。
取捨が難しいのは③アイベット。
好成績を残す高知からの遠征馬で、最近は高知所属というだけで重賞での過剰人気も見られ、今回も上位人気に推されるだろう。
デビュー2戦目の1300mが1.27.1。③の基準となる27秒を切れなかったこと、また不良馬場を考えるともう少し速い時計で走れていれば、迷いなく本命◎を打った。
これまで1400mまでしか走ったことがなく、距離延長がどう出るかだが、打越勇児厩舎は昨年の勝率全国No.1(勝利数100位以内において)。
しっかりとした仕上げで臨むものと思われ、③の好走馬のデータには当てはまらないが軽視できない。①④に該当。
④ハクアイアシストは前走・佐賀若駒賞を差し切り勝ち。
2走前の牝馬重賞・フォーマルハウト賞も差し脚を伸ばして3着で、ここでも上位争いに加わりそう。
③に当てはまる。
⑥プレミアムカインドも佐賀若駒賞3着で③に該当。同レースは差しの展開となったこともあり、こちらも差しての上位入着だった。
今年の花吹雪賞は抜けた実績馬がおらず、また8頭の少頭数ということもあり、思わぬ伏兵馬が上位入着を果たしても不思議なさそうだ。
第66回 花吹雪賞 【出馬表】
文・大恵陽子(おおえ ようこ)
競馬リポーター。小学5年生で競馬にハマり、地方競馬とJRAの二刀流。毎週水曜日は栗東トレセンで、他の日は地方競馬の取材で全国を駆け回る日々。グリーンチャンネル「アタック!地方競馬」「地方競馬中継」などに出演のほか、「優駿」「週刊競馬ブック」「うまレター」「馬事通信」など各種媒体で執筆。
「大恵総合研究所」なるデータ分析機関を勝手に設立し、現場取材で得た騎手・調教師などの談話をヒントに、馬場傾向やレース傾向を導き出して精度向上に励む。
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