静岡BRに加わった新たな翼。その両翼は対戦相手にとって多大な脅威

【©ジャパンラグビーリーグワン】

スコアは34対28ときん差だったが、内容では明らかに昨年度のチャンピオンチームを上回り、リーグワンでは東芝ブレイブルーパス東京に初勝利。「昨季の最終戦でここ(ヤマハスタジアム)でボロ負け(20対59)して、そこからこの日に照準を合わせてやってきた」(藤井雄一郎監督)というチーム一丸のハードワークが実って攻め勝った成果は、静岡BRにとって大きな自信にもなった。

その中で出場した23人全員がそれぞれ輝きを放ったが、二人の新戦力、北村瞬太郎とヴァレンス・テファレが2トライずつを挙げたことも大きな収穫だった。特にBL東京のリーチ マイケルが、静岡BRの昨季との違いの一つとして「大きいウイングが入ったこと」と語るほど、テファレのインパクトは大きかった。

そのテファレは、昨年秋から練習に参加してプレシーズンマッチでトライを量産し、開幕直前の昨年12月16日に契約が発表された24歳。ニュージーランド出身でマオリ族の血を引く182cm112kgの屈強な肉体を持ち、来日前はオーストラリアのラグビーリーグ(13人制)で選手兼グラウンドキーパーとして働いていたという異色の経歴を持つ。ラグビーユニオン(15人制)のプロチームに所属するのは初めての経験だ。

スピード、パワー、突破力が非常に高く、今季の開幕戦では後半に交代出場してすぐに初トライ(チームにとっても今季初トライ)を決めるという鮮烈なデビューを飾った。また守備でも、13人制では1対1の勝負が多かったため「1対1をうまく止められる自信はあります」と語り、今節でもここで抜かれたら大ピンチという場面で力強いタックルによって相手を止めるシーンが目立った。

チームとしても、強力なバックス陣の力を生かそうとする意識は強かった。

「今日はヴァル(テファレの愛称)もスタメンで、ほかにも相手にとって脅威になる選手が外側にたくさんいたので、フォワードを絡めながらうまく(外を)使っていくことを意識しました。そのバランスも良くなっていると思います」(家村健太)

チーム全体で攻撃の良い流れを作ったことが、テファレの2トライにもつながった。

テファレ自身も「いまは本当にプレーを楽しめていますし、今までの中で一番幸せな場所に来られたと感じています。出会う人たちみんなが本当に優しくて親切で、ファンの方々の声援もすごく自分の力になっています」と、静岡BRでプレーできる喜びを口にする。

マロ・ツイタマとともに、静岡BRの両翼は今後も相手にとって脅威となっていくことだろう。

(前島芳雄)
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