「上には上がいる。だから辞められない」30歳で知った、「楽し過ぎる」リーグワンの舞台
ヤクルトレビンズ戸田 古屋選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)のプロップ、古屋篤史は30歳を過ぎても第一線でプレーできる喜びをかみ締めている。
「この年になるとラグビーを辞めていく同期も多いんです。家庭の事情で辞めていった同期もいるし、草ラグビーをやっていた人たちも30歳を区切りにすることが多い。『そういう人たちのぶんも頑張ろうかな』と、ふと思うんです。『自分がいるレビンズはこんなに強くなっているんだぞ』というのを見せたいじゃないですか」
社会人になりたてのころは楽しくラグビーを続けられればいいやと思っていた。それが、L戸田がトップイーストリーグで優勝争いができるようになってから考えが変わった。ずっと応援してもらっている人たちに恩返しをするには「優勝しかないだろ」と思えたからだ。そうして今季、リーグワンの舞台までたどり着いた。
それでも、現役引退は常に考えている。ずっと考えてはいるが、シーズンが全部終わったときに「もう一度やってみようかな」という思いが込み上げてくる。
「勝つとやっぱり楽しいので、辞められないんです。『こんな年齢になって、ラグビーを純粋に楽しめる仲間たちと本気でラグビーに向き合えていること自体、すごく幸せなことだよな』と思っちゃうんです。監督には冗談半分で『今年引退させてください』と言っているんですけど、結局は継続している。その繰り返しなんです」
今季、またラグビーを辞められない理由が増えた。初参戦したリーグワンの舞台が楽し過ぎるのだ。
「昨季までのトップイーストリーグだと相手ゴール前に侵入したとき、正直、フォワードの僕がボールをピックしたら結構な本数のトライが取れていたんです。それがリーグワンに上がってからは一切なくなりました。楽しいんですよね、それが。これがリーグワンか、と。やっぱり上には上がいるんだなと、ワクワクが止まらないんです」
古屋は、首位に立つマツダスカイアクティブズ広島と戦う今節もラグビーを全力で楽しむ。そして最前線で荒々しく表現する。レビンズはこんなに強いんだぞ、と。
(鈴木康浩)
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