早大野球部 【連載】 新体制始動特集『AGGRESSIVE 』 第6回 尾瀬雄大×小澤周平主将
【早稲田スポーツ新聞会】 取材・編集 西本和宏、西村侑也
※この取材は12月18日に行われたものです。
「ああいう場面でちゃんと打てるような選手に」(尾瀬)
【早稲田スポーツ新聞会】
尾瀬 小澤はキャプテンになったんですけど、割と責任感が強くて、ちゃんとやっている感じですね。なんて言ったらいいんだろう、普段は結構ふざけた感じなんですけど、野球になると真面目になってきっちりやっている人です。
小澤 尾瀬も野球になるとすごく真面目で。自分のことになるとすごい本気で取り組めるんですけど、チームのことでも本気になってくれることを願っています(笑)。
――普段はお互いのことをなんと呼び合っているのですか
小澤 雄大です。
尾瀬 小澤って呼んだり周平って呼んだり使い分けています。
小澤 あ、尾瀬さんもありますね。
尾瀬 いろんなところで尾瀬さんって呼ばれることが多いんですよね。
小澤 尊敬しているので。
――プライベートの交流や、普段一緒に何かしたりすることはありますか
小澤 1年生の頃はずっと一緒にいたんですけど、最近はそんなにいないですね。尾瀬さんは忙しいらしいので(笑)。
――普段よく一緒にいる選手はいますか
小澤 アウトドアが結構好きで、生き物とか海とか山とかが好きなので、この前は田村(康介、商3=東京・早大学院)とか伊藤裕平(人3=岩手・水沢)とかと釣りに行ったり、そうやって遊ぶことが多いです。
尾瀬 あんまり誰かと遊びに行くとかしないので。でも、普段はよく岡西(佑弥、スポ2=智辯和歌山)とゲームしています。
――小澤選手が主将になった経緯を聞かせてください
小澤 監督から言われたのは、高校時代も(主将を)やっていて、その経験を生かして、そして自分がちゃんとやればチームも変わって爆発力のあるチームができるというふうに言われたという経緯があります。
――監督から言われて主将に就任したのですか
小澤 そうです。全く知らずに、神宮大会が終わって帰ってきて、3年の主力選手が7人くらい呼ばれて、そこで知ったという感じです。
――尾瀬選手は主将としての小澤選手の印象はいかがですか
尾瀬 やっぱり主将になるだけあって、キャプテンシーも多分あると思いますし、いろいろチームのことを考えてやってくれているので、それについていこうと思っています。
――来期は副将が3人という体制になりますが、それについてはどう考えていますか
尾瀬 副将3人のうち2人は今まで試合もまだ(レギュラーとして)出ていなくてという状況なので、自分とか樹(伊藤樹、スポ3=宮城・仙台育英)とかは副将とかではないんですけど、自分らも引っ張っていければいいかなと思っています。
――ここからは1年の振り返りに移っていきます。印出太一前主将(スポ4=愛知・中京大中京)体制での1年は全体としてどんな1年でしたか。
小澤 監督もおっしゃっていたんですけど、本当にすごくいいチームで、核となる選手が印出さんで、学生コーチの川内さん(川内脩平、スポ4=東京・八王子)が本当にチームをよく引っ張っていて、そのチームを間近で見ていたので、いい勉強になりました。
尾瀬 小澤が言った通り、印出さんと川内さんがすごい先頭に立って引っ張ってくれていたので、自分もすごくやりやすかったですし、いいチームだったなと思います。
――春秋連覇達成の要因は何だったと考えていますか
小澤 やっぱり練習の質というか、今までになかったダッシュを徹底してやっていこうと、それでうまくなるわけではないんですけど、チームの士気が上がって一体感が増したというか、そういう細かいところができていたのがあのチームだったと思うので、それが連覇につながったと思います。
尾瀬 技術的なことで言うと、一人一人の役割がちゃんとはっきりして、その役割を一人一人が全うできたので、自分たちの戦い方ができて、それが強さにつながっていたのかなと思います。
――秋には優勝決定戦も経験しましたが、その時の試合やチームの雰囲気はいかがでしたか
小澤 本当は慶応に勝って決めたかったんですけど、負けてしまって、もっとみんな落ち込むかなと思ったんですけど、みんなすぐ切り替えてやっていたので。いい方向にもう割り切って、勝っても負けてもこれが六大学野球のチームとやる最後の試合だからというふうにやって、普段通り緊張することなくやった結果が優勝につながったと思います。
尾瀬 優勝決定戦は本当に滅多にないことなので、すごくいい経験になりましたし、すごく楽しかったです。
――今年1年の中で一番印象に残っている試合やプレーを挙げるとしたら何ですか
小澤 優勝決定戦の(5回1死)満塁でツーベースを打ったんですけど、あれは印象に残っていて、本当にあそこで打ったのは大きかったので。打席に入る前からもうスライダーをあそこに打ってというイメージができていて、それがそのまま来て、本当に今まで練習してきたことがそこに出たという打席だったので、印象に残っています。
尾瀬 全日本大学選手権の決勝の青学戦で、8回2アウト満塁で回ってきたんですけど、1点差で負けていて、そこで打てなかったことが一番印象に残っていて。あそこで自分が打って同点とか、逆転とかしていたら日本一になっていたのかなとか思って、ああいう場面でちゃんと打てるような選手にならないといけないなと思いました。
「何かずば抜けていないと核になっていけない」(小澤)
【早稲田スポーツ新聞会】
小澤 毎試合集中して同じマインドで臨んでいたことが良かったと思います。リーグ戦が始まる前に取材で全試合打ちたいというふうに言ったんですけど、3試合打てなかったので、そこはもっと技術でカバーしていかないといけないなと思います。
――小澤選手は長打も魅力だと思うのですが、今季は初めて本塁打が0本でした。普段から本塁打への意識はありますか
小澤 ホームランはやっぱり打ちたいんですけど、ヒットの延長がホームランだと思っているので。0に終わったんですけど、内容もいい打席が多かったですし、これを続ければ来年は自然と出てくるかなと思います。
――小澤選手がレギュラーに定着してから安定した成績をずっと残してきましたが、これまで残してきた数字に手応えは感じていますか
小澤 いや、もっとできるなというのが正直な感想なので。安定した選手もいいんですけど、何かずば抜けていないと核になっていけないと思うので、そういう何かを伸ばして、来季は打率だったり長打力だったりを意識して練習に取り組みたいと思います。
――今季は小澤選手は6番で出場することが多かったですが、上位打線や中軸を担った4年生が抜ける中で打ちたい打順はありますか
小澤 いや、置かれた打順で自分のチームが勝てればいいと自分は思っているので、そんなにこだわりは尾瀬みたいにはないです(笑)。
尾瀬 はい、1番です(笑)。
――続いて尾瀬選手にお聞きします。秋季リーグ戦では序盤に苦しんだもののベストナインを獲得しました。心掛けたことはありますか
尾瀬 春にああやっていい形で終わって、自分の中でちゃんと自分のバッティングをすれば、ある程度の成績は残せるっていう自信がありました。1カード目の東大戦でちょっと打てなくて、打率もめっちゃ下がってるように見えたんですけど、何も変えずに自分のバッティングをすればいい成績残と思っていたので、そこは何も変えずに自信を持ってやりました。
――先ほども打順の話がありましたが1番打者へのこだわりはありますか
尾瀬 そうですね。自分の1番の武器が、出塁率というところで、ヒットを打つこともそうですし、フォアボールを選んだりっていうところなので。あとは試合で(チーム全体の)第1打席であのヒットを打って、チームに流れを持ってくるっていうのが自分の1番としての役割だと思っていて。そこをずっと意識して練習してきているので、そこに対するこだわりはあります。
――大学日本代表の強化合宿にも参加されましたが、何か得られたことはありますか
尾瀬 そうですね、技術的には誰にも負けてないなって思いました。自分の身体能力の部分、肩の強さだったり、足の速さだったりっていうのをもっと追い求めていかないといけないなっていうのは思いました。
――合宿でお話された選手はいますか
尾瀬 3年生から代表に入ってた勝田(成、近大3年)とか立石(正広、創価大3年)とか、そういうすごい選手ともいっぱいしゃべって仲良くなって、色々話してく中で自分の中でも勉強になったので、これから自分の中に取り入れていきたいなと思います。
小澤 雰囲気は、もっとできると思うんですけど、移動のダッシュだったり、掛け声へのアンサーっていうのを徹底してやろうっていう風に新チームではやっているので、活気のある練習にはなってるんですけど、まだ100パーセントできてるわけではないです。その100パーセントを追い求めるために今ミーティングをしたりしてやってる状況なので、いい雰囲気ではあるんですけど、まだまだ上に行けると思います。
尾瀬 小澤が言ったとおりです。
――今年のチームの特徴はいかがですか
小澤 やっぱりピッチャーがよくて、去年は(防御率)1点台で抑えてくれたので。その2人(伊藤樹、スポ3=宮城・仙台育英、宮城誇南、スポ2=埼玉・浦和学院)が残っているので、野手陣は単純計算すると3点取れば勝てる試合が多いという状況です。そこで去年みたいに長打を打てる人が少なくなるので、つなげる野球をしていきたいと思っていて、1番から8番まで全員がどこの打順でもしっかりと点を取れるっていう、そういうチームを作っていきたいと思ってます。
尾瀬 野手もいい選手がいっぱいいるので、みんなでつないでつないでっていう野球をしていきたいなと思います。
――チームの盛り上げ役はどなたですか
尾瀬 特にいないですかね。
小澤 やっぱり文珠さん(文珠玄基、スポ4=神奈川・桐蔭学園)は偉大だったので。なんて言うんだろう、そういった一芸を持った選手が出てきてもいいんじゃないかって自分は思っています。
――4年生がチームを離れて、野手はポジション争いになっていくと思いますが、期待することはありますか
小澤 自分は首脳陣の方とも相談して、AチームとBチームの入れ替えの中で競争を激しくして、チームの力を底上げすることと、Aチームの中でも競争させていくっていうことを言っています。今Aチームでレギュラーを張っている人も油断せずに、競争しながらみんながうまくなってくっていうのを自分は期待してます。
尾瀬 レギュラーで言うとやっぱり山縣さん(山縣秀、スポ4=東京・早大学院)が抜けたところが1番大きいと思うので、ショートにしっかりした選手が出てきてほしいなって思っています。今松江(一輝副将、人3=神奈川・桐光学園)もショートをやっていたり、渋谷(泰生、スポ3=静岡)もずっと頑張っているので、頑張ってほしいなと思います。
――投手陣は盤石の布陣に見えますが、いかがですか
小澤 やっぱり樹と誇南がしっかりしてるんですけど、今年は去年のようにうまくいくとは限らないので、そこはちゃんと切り替えて、自分たちの代でしっかりやってもらえるように練習してもらいたいです。
尾瀬 そうっすね、もう樹と誇南は間違いなくいいんですけど、後ろにいるピッチャーもすごいいいピッチャーばかりなので。田和(廉、教3=東京・早実)だったり香西(一希、スポ2=福岡・九州国際大付)だったり、安田(虎汰郎、スポ1=東京・日大三)も髙橋煌稀(スポ1=宮城・仙台育英)も、みんなすごい武器を持っていて、センターからみんないいなと思いながら見ているので、来年も頑張ってほしいです。
――他大学で対戦したい投手はいますか
尾瀬 みんな打ったので(笑)。この人から打ちたいとかは特にないですね。打ちたいって言うよりも、とにかく勝ちたいという思いが強いです。
――冬の期間に強化したいことはありますか
小澤 自分はポジションが変わるので、セカンドでしっかり守れるように、まずは守備からしっかりとやっていきたいと思います。
尾瀬 自分はスピードです。足の速さもそうですし、バットを振る速さとか、あとは守備で動く速さであったり、キレみたいなところを追い求めてやっています。
――チームとして強化していきたい部分はありますか
小澤 走塁ですね。走塁練習は去年もやってはいたのですが、バッティングの合間など短い時間だけでした。今は走塁練習っていう時間を作って、自分が高校で習ってきたことをみんなに教えています。走塁って1つの武器だと思うので、そこを鍛えていって、打線のつながりの中でも走塁は大事になってくると思うので、来季は走塁に期待してほしいです。
――健大高崎高には機動破壊と言う言葉もありますが
小澤 そうですね、まだ全然なんですけど。難しいので(笑)。頑張って春までに仕上げます。
――最上級生として臨む1年となりますが、個人としての目標を教えてください
小澤 個人としての目標は自分が中心となってチームを勝たせることです。
尾瀬 自分は今通算打率が3割6分9厘なのですが、六大学の歴代通算打率1位が岡田彰布さん(昭55教卒)の3割7分9厘なので、それを超えることが目標です。
――最後にチームとしての1年の目標をお願いします
小澤 来年の目標は春の優勝っていうことにみんなで話し合って決まっているので、春の優勝で。その先のことはまだ考えずに、春の優勝だけを目指してまずはやっていこうと思ってます。
尾瀬 まずは春の優勝です。
ーーありがとうございました!
【早稲田スポーツ新聞会】
2003(平15)年7月26日生まれ。172㌢、74㌔。群馬・健大高崎高出身。スポーツ科学部3年。自分のことよりも、とにかくチームを勝たせたいという姿勢が印象的だった小澤選手。主将として迎えるラストイヤーのさらなる活躍に期待です!
◆尾瀬雄大(おせ・ゆうだい)
2003(平15)年8月14日生まれ。172㌢、80㌔。東京・帝京高出身。スポーツ科学部3年。早大の先輩・岡田彰布氏が持つ歴代通算打率記録にあと1分まで迫った尾瀬選手。記録を更新することができるか、要注目です!
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ