大阪体育大学サッカー部男子2024プレーバック 4大会ぶりインカレで8強 

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B・Cチームからの選手昇格で活性化

 大阪体育大学サッカー部男子は2024年、関西学生リーグで終盤に3連勝して4位。4大会ぶりに全日本インカレに進出し、決勝ラウンドを勝ち上がって準々決勝に進出した。松尾元太監督は「全国大会出場の壁を破り出場権を取れたことは、今後のサッカー部にとって大きな結果だ」と振り返る。

古山兼悟 【大阪体育大学】

◆ハードワークでリーグ戦3連勝 大体大はJ1セレッソ大阪内定の古山兼悟選手(体育学部4年、立正大学淞南)、J2コンサドーレ札幌内定の木戸柊摩選手(同、札幌U―18)、J2レノファ山口FC内定の峰田祐哉選手(同、東海大学付属相模)を擁する。リーグ戦前期は6勝4敗1分け、勝ち点19で5位にとどまるなど苦しい展開が続いた。しかし、残り3試合になって「真っ向勝負」(松尾監督)で臨んだ。DFライン、中盤、前線の各選手がハードワークを徹底し、3連勝。12勝8敗2分け、勝ち点38で4位となり、インカレ出場を決めた。

木戸柊摩 【大阪体育大学】

◆元インカレ覇者に試練 大体大は2013年のインカレで頂点に立ったが、近年は2020年に関西学生リーグで3連覇を果たしながらもコロナ禍でインカレが中止に。2021年はリーグ戦6位、2022年、2023年は5位で全国の舞台を逃した。松尾監督は「昨年、勝ち点1で逃すなど全国大会の壁の厚さを選手も感じていた。4年生に力や才能のある選手が多いこのチームで、自分たちで作ってしまっている壁を越えていこうと話し合っていた」という。

【大阪体育大学】

◆1年生トリオも活躍 インカレは今回から制度が変わり、予選ラウンド、決勝ラウンドを経てノックアウトステージに進む。大体大は予選ラウンドで八戸学院大学(東北第1代表)に2-0で勝ち、決勝ラウンド・グループCに進んだ。初戦は九州産業大学(九州第1代表)に0-1で敗れたが、関東第2代表の強豪・筑波大学との2戦目では、攻守にアグレッシブさが増した。後半のPKで1年生GKの野村寛礼選手(藤枝明誠)がスーパーセーブ。DF池戸柊宇選手(京都橘)、FW臼田成那選手(ノースアジア大学明桜)との1年生トリオ(いずれもスポーツ科学部)が活躍し、0-0で勝ち点1を獲得した。
 3戦目の東海学園大学(東海第3代表)戦では前半18分に古山選手、後半29分は佐野竜眞選手(体育学部3年、瀬戸内)がゴールして2-0で勝ち、グループC2位で準々決勝に進んだ。

池戸柊宇 【大阪体育大学】

◆大胆な選手起用で好結果 グループCを突破した要因の一つは、日下部優哉(体育学部4年、国見)、中津悠哉選手(体育学部3年、福井商業)、西山隼矢選手(体育学部2年、清水桜が丘)らの起用。リーグ戦では出場機会は少なかったが、直前練習でコンディションが良く抜てきされた。
 準々決勝は、結果的に大会優勝を果たす東洋大学と対戦。前半、強い向かい風に苦しんで2失点を喫するなど1-3で敗れた。

平瓦匠志 【大阪体育大学】

◆B・Cチームからの選手昇格で活性化 サッカー部は高い位置でボールを奪い、縦に速く突破を狙うシンプルなスタイルをめざす。部員が200人を超え、A~Dチームに分かれるが、各チームで切磋琢磨している。優秀な学生リーダーの存在も大きく、松尾監督がコーチ、学生リーダーとコミュニケーションを取り、毎日のように選手の昇格が決まる。山田隼輔(体育学部4年、市立尼崎)、山田和樹(同、立正大学淞南)、角矢翔和(同、熊本商業)、高橋大空(体育学部2年、星稜)らはB、Cチームからの昇格組で、今季は特に昇格が多かった。
 松尾監督は「BチームやCチームからの選手昇格により、チーム内の士気や競争力が向上し、新たな活力が生まれた。この成果は、コーチ陣の指導力や選手一人ひとりの努力が結びついた結果であり、選手は日々の練習や試合の中で自らの能力を高め、昇格にふさわしい成長を遂げた」と話す。

松尾元太監督 【大阪体育大学】

◆部の伝統「教員免許取得」 また、部の伝統は「教員免許の取得」だ。新入生が入部すると、教員免許を取得するように呼びかけ、部員の取得率は約8割に及ぶ。松尾監督は「Jリーグなどで選手になった場合も、企業に就職した場合も、後輩や部下を動かしたり、教えたりする立場になる。部の理念は、卒業後、社会に貢献できる人材を育成することであり、教える力を修得してほしい」と話す。Jリーグに進む古山、峰田選手のほか、東京ヴェルディでプレーする林尚輝選手も教員免許を取得したという。

【大阪体育大学】

◆逆境に打ち勝つ力を 来季に向け、松尾監督は逆境に打ち勝つ力がまだ足りないと感じている。リーグ戦では先制されるなど後手に回った展開で力を発揮できなかった。インカレ準々決勝も向かい風の前半に2失点した。この課題をどう克服するか。「新チームのメンバーも経験値もあり魅力ある選手が多くいる。今季を超える結果を出してほしい」と期待している。

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