【九州電力キューデンヴォルテクス・猿レポ】選手がレポート!NTTリーグワン2024-25 D2 第3節 対S愛知戦
試合後レポートを担当させていただきますプロップの猿渡です。
1月11日(土)、NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 ディビジョン2第3節目、豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)との試合が、福岡県北九州市にある“ミクニワールドスタジアム北九州”で行われました。
また、試合前には九州三菱自動車販売株式会社様よりご提供いただいた、ヴォルテクスのプリントが施された「トライトン」の納車式、お披露目も行われました。
【©九州電力キューデンヴォルテクス】
改めてChargerの皆様、昨年もたくさんの応援をありがとうございました。今年も共に熱く、そして共に戦いましょう!引き続き、熱い応援をよろしくお願いいたします!
S愛知戦の試合メンバーはこちら
https://www.kyudenvoltex.com/game/p132
《試合内容・結果》
試合前日、福岡では記録的な大寒波に見舞われ、うっすらと雪が積もる厳しい寒さ。
しかし、その寒さをものともせず、会場は試合を待ちわびる観客たちの高揚感と熱気に包まれていました。
そして、ついに鳴り響く試合開始の笛。その瞬間、冷えた空気を突き抜けるように熱い戦いの幕が切って落とされます。
ヴォルテクスのキックオフで幕を開けた試合。序盤から両チームのプライドがぶつかり合い、まさに火花が散るような激しい攻防が展開されました。S愛知は前評判通り、強力なフィジカルと鋭いアタックでその実力を見せつけます。
一方、ヴォルテクスは持ち前の粘り強いディフェンスで応戦し、フィールド全体を使った前に出るプレッシャーで相手を揺さぶり続けました。
互いに一歩も譲らない攻防が繰り広げられ、どちらが先に流れを掴むのか、観客も息を飲む緊迫感が漂います。
試合開始から20分が経過してもスコアボードは動かず、緊張感が高まる一方。
まさに手に汗握る展開となりました。
何度も前に出るアタックを魅せたキャプテンのウォーカー アレックス拓也選手【8番 ナンバーエイト】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
前半20分、スクラムを起点に展開された連続アタックから裏のスペースへ巧みなキック。
最後は大外でトライを決められ、スコアは0-5と先制を許します。その後、ヴォルテクスも果敢にアタックを仕掛け、なんとか流れを引き寄せようと奮闘しますが、両チーム一進一退の攻防が続き、スコアが動かないまま時間が過ぎていきます。前半35分、今度はゴール前のスクラムを起点にS愛知の連続アタックを防ぎきれず、再びトライを許し追加点を献上。スコアは0-12と苦しい展開のまま前半終了を迎えました。
15分間のハーフタイム。選手たちは前半の課題を冷静に振り返りながら、新たな戦略を練り、再び戦う準備を整えます。
互いに声を掛け合いながら、全員が「逆転」という明確な目標に向かって気持ちを一つにしました。
相手を引きずりながら突破するアーロン・キャロル選手【4番 ロック】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
しかし、先にスコアを動かしたのはまたしてもS愛知。
後半5分、ラインアウトからの連続アタックでじりじりと前進を許し、3本目のトライを奪われてしまいます。スコアは0-19。
だが、ここからがヴォルテクスの真骨頂。「このまま終わるわけにはいかない!」と全員が気持ちを奮い立たせ、攻撃のギアをさらに一段上げます。後半10分、自陣中央で相手のキックをキャッチした瞬間から怒涛の連続アタックが始まります。
緻密なパス回しと力強いランで確実に前進を重ね、相手ゴール前まで一気に迫ります。そして、最後は13番シオネ・リクアタ選手がボールを拾い上げたその瞬間、相手ディフェンスをなぎ倒すような力強いランでトライを奪いスコアは5-19。
チーム最初のトライを奪ったシオネ・リクアタ・テアウパ選手【13番 センター】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
点差は14点、追いつくには2トライ2ゴールが必要。
残り時間は約30分。まだ試合は終わっていません。
ヴォルテクスの猛攻がさらに加速します。しかし、相手の堅い守備と要所での粘り強さに阻まれ、あと一歩のところでトライを奪えない時間が続きます。
そんな中、迎えた後半30分。
再びS愛知にトライを許し、スコアは5-26と大きく開いてしまいます。残り時間はわずか。
それでも諦めないのがヴォルテクスの魂です。
そして試合終了間際。何度も相手ゴールに迫り、ついに迎えた後半43分。
試合終了のホーンが響いた後、20番コルビー・ファインガア選手が渾身の力でボールを持ち込み、手を伸ばして意地のトライを決めます。
スコアは10-26。最後の最後まで気持ちを切らさなかったヴォルテクスの意地が光った瞬間でした。
《個人的見解と次戦に向けて》
前節までの2試合で課題となっていた「試合の入り」の部分については、相手に得点を許すことなく、守るべきところをしっかり守り抜けた点は良かったのではと思います。
ただ、それでも決して十分とは言えませんでした。自分たちのペナルティやミスによって、不要なピンチを自ら招いてしまう場面が散見され、そこが大きな反省点です。
さらに、試合を通じてペナルティやミスの多さが目立ち、全体として自分たちのラグビーを貫き切ることができませんでした。
しかしながら、試合終了間際に奪ったトライは、最後まで諦めずに挑み続けた結果として生まれたものであり、それはチームの強い意志を示す象徴だったと感じています。
今シーズン初の公式戦出場を果たしたサム・ヴァカ選手【23番 センター】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
そのためには、自分たちの強みを最大限発揮できるよう、細部にわたって準備を重ねていく必要があると感じます。
年明けの初戦でChargerの皆様に勝利というお年玉をお届けすることはできませんでしたが、この試合での反省を次戦に必ず活かし、より強いチームとしてピッチに立ちたいと思います。
一戦一戦、成長し続けるチームであるために、次も全力で挑みます!
《今週の個人的Pick up Player》
今回私が選ぶPick up Playerは、フォワード第2列(ロック)と第3列(フランカー、No.8)の複数ポジションを器用にこなし、試合の中で常に存在感を発揮する多才なプレースタイルが特徴の江里口真弘選手(以下、江里口選手)と、元7人制日本代表としての経験を活かし、正確なキックコントロールを武器に空中戦を得意とするスキルフルなプレーが光る荒牧佑輔選手(以下、荒牧選手)の2人をご紹介します。
両選手とも、今節の試合会場と同じ福岡県北九州市出身です。
まず最初に紹介するのは江里口選手。
【©九州電力キューデンヴォルテクス】
https://www.kyudenvoltex.com/player/305
福岡県の北九州出身、大分東明高校から帝京大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した江里口選手。
ヴォルテクスに加入して2シーズン目になる若手の選手です。
江里口選手は複数のポジションをこなす万能プレイヤー。そのどこにコンバートされても、ボールの動きに対する嗅覚の鋭さが際立ち、ここぞという場面でプレーに絡むシーンが多い選手です。
センスが光るプレーが目を引きますが、これだけを聞くと、「ああ、スマートなプレー専門の人か」と思われてしまうこともあるかもしれません。
しかし、やはりそこはフォワードの選手。
タックルでは相手に低く突き刺さり、密集では全力で体をぶつけ合うなど、愚直で泥臭いプレーも徹底してこなす頼れる存在です。
そのギャップがまた彼の魅力ですね。
そんな江里口選手の趣味は、「ふらっと海に行ってリラックスすること」だそうです。
気分を変えたいときや、思うようにいかないことがあったときは、海へ向かい自然の中でリフレッシュ。
釣りをすることもあるそうで、そんな穏やかなひとときも、彼にとって大切な時間なんだとか。
さらに、好きな食べ物について尋ねると、「実家のご飯」と即答!
なんでも、北九州で中華料理店「福龍」を営むご家庭だそうです。
名前からしてすでに美味しそう…!
このレポートを書いている間に私のお腹も鳴りっぱなしです(笑)。
きっと江里口選手が言う「実家のご飯」とは、その味が絶品で間違いないでしょう。
北九州に行く機会があれば、ぜひ「福龍」に立ち寄ってみてくださいね。
私も近いうちに絶対に行ってみたいと 思います!
少し話が脱線しましたが、江里口選手の今後の活躍に注目です!
次に紹介するのが荒牧選手。
【©九州電力キューデンヴォルテクス】
https://www.kyudenvoltex.com/player/323
江里口選手と同じく福岡県の北九州出身、小倉高校から関東学院大学へ進学し、その後ヴォルテクスに加入した荒牧選手。
ヴォルテクスに加入して14シーズン目を迎えるベテランの選手です。
荒牧選手は、7人制ラグビーの日本代表としての経歴を持ち、そのスキルと運動量はいまだ健在です。
チーム全体で行われるランニングテストでは、年齢をまったく感じさせない驚異的な結果を出し、その姿と結果で若手選手たちをぐいぐい引っ張ってくれます。
私もその大きな背中を見失わないよう、必死でついていきたい。。
荒牧選手は、フルバックやスタンドオフなどの複数ポジションを器用にこなし、特にキックでは抜群のコントロールを誇ります。
遠くへ、近くへ、自由自在に蹴り分けるそのスキルで空中戦を制し、私たちの試合を支えてくれます。
自分にはできないプレーを見ると羨ましさや憧れを抱くことがありますが、荒牧選手のキックはまさにその筆頭。憧れというより「もはや魔法か?」とさえ思うほどです。
そんな荒牧選手の好きな食べ物は明太子。
幼い頃から明太子が大好きで、明太子さえあればご飯を何杯でもおかわりできるとか。
これぞ地元・福岡愛ですね。
週末はお子さんとの時間を大切にされていて、最近はポケモンの「バイオレット」に夢中らしいです。
一緒に伝説のポケモンを探しているそうで、「ポケモンマスター荒牧」なんて呼ばれる日も近いかもしれません(笑)。
また、荒牧選手は「JEK(Japan Elite Kicking)」でキッキングアンバサダーとして活動されており、ラグビーのキックスキルを子どもたちに普及する取り組みにも力を注いでいます。
その中で子どもたちとの触れ合いを大切にされる姿を見ると、同じ父として本当に尊敬せずにはいられません。
ラグビーも子育ても全力でこなす荒牧選手の活躍、ぜひ注目してください!
《最後に》
次のリーグワン第4節は、1月18日(土)に東京都調布市にある「AGFフィールド」で日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)と対戦予定です。
日野RDは、ディヴィジョン3からディヴィジョン2に昇格を果たし、その勢いを武器に、フィールドを縦横無尽に駆け巡るアグレッシブなアタックが持ち味のチームです。
そんな日野RDに勝利をするため、ヴォルテクスとしては一層気を引き締め、入念な準備を重ねていきます。
そして、新年の初勝利を掴むために、全員で全力を尽くします!
相手を弾き飛ばしながら前進する山添 圭祐選手【7番 フランカー】 【©九州電力キューデンヴォルテクス】
『猿渡 康雄ってどんな人?』
と思われる方もいらっしゃるかと思いますのでこの場を借りて私のInstagramのURLを貼らせて頂きたいと思います。
興味のある方はぜひチェック&フォローをお願いします!
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